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2018年9月24日 (月)

ホワイトハウスを震撼させた 4冊の本

9月11日に出版した トランプ大統領の関係者へのインタビューを主に,トランプ政権の実態を,ウォーター・ゲート事件を暴いたワシントン・ポストの編集者 ボブ・ウッドワードが書いた「恐怖(Fear)」が 出版初日に 75万部売れて 話題になっています。

これに関連して ‘ABC News’が Sept.16 付けで ‘From “Fire and Fury” to “Fear”: 4 books that rocked the Trump White House 「『炎と怒り(Fire and Fury)』 から 『恐怖(Fear)』 まで,トランプのホワイトハウスを揺るがした4冊の本」 の見出しの記事を掲載していました。

拙訳で転載します。

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Full_disclosure先週,ABC Newsの “The View” で発表されたドナルド・トランプとの関係についてのストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels) の,もうすぐ発売される回想録(upcoming memoir) は,大統領とホワイトハウスの内部を見せつけようとしている最新の本である。

ダニエルズの,もうすぐ発売される回想録 - 10月2日 出版予定の 「全面開示(Full Disclosure)」と題する回想録は,今年のドナルド・トランプ大統領と作家達の間の言葉の戦争に火をつけた一連の出版物の最新版で,ホワイトハウスはその内容を攻撃する数週間にわたるキャンペーンを開始する予定だ。

ここでは,他の4冊の本と,大統領のTwitterでの反応を見てみよう。
(転載では Twitter 部分は省略した。)

Bob Woodward's “Fear: Trump in the White House,” released September 11
ボブ・ウッドワード著 「恐怖:ホワイトハウスのトランプ」 9月11日 発行

Fear過去2週間,トランプ大統領は,ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏が 「恐怖:ホワイトハウスのトランプ」で著わした主張に異議を唱え続けた。本は火曜日に出版されたが,本の出版に先立って内容の詳細は,既に知れ渡っていた。

「恐怖」で,ワシントンポストの編集者でウォーターゲート事件を暴いたことで有名なジャーナリストであるウッドワード氏は,政権内の匿名の情報源から引用し,スタッフとしばしば対立する,怒れる大統領に導かれるホワイトハウスを,混沌としたパラノイドとして表現した。

ロバート・モラー特別検察官(special counsel Robert Mueller)による 2016年選挙におけるロシアの介入と 彼のキャンペーンにおける共謀の可能性についての調査にトランプは悩まされていると 本は書いている。

「ウッドワードの本はペテン(scam)だ。」とトランプ氏はツイートした。 「私は引用されたような話しをしてない。もしそうだったら,私は大統領に選ばれていない。これらの引用はでっち上げだ。著者は,本の中で,あらゆるトリックを使用して,私を侮蔑し,軽んじている。 国民は本当のファクト(the real facts)を知ってほしい。それでこそ,我々の国は 偉大になっていく。」

数日後,トランプは本を批判し続けた後,「これほど多くの 『でっち上げ(phony)の本,記事,T.V.の攻撃(hits)』に耐え(endure)なければならなかった政治家はいない」 と嘆いた(lamented)。
ウッドワードは ABCニュース,火曜日夜の「Nightline」のインタビューで,「極めて多くの人々が,トランプのホワイトハウス内で起こっていることを気にしている。 そして,国民は,そこで,何も起こってないようなふりをすることはできない。」と抗弁した(defended)。

Omarosa Manigault Newman's “Unhinged,” released August 14
オマローサ・マニゴールト・ニューマン著 「たがが外れて」 8月14日 発行

Unhinged昨年12月に解雇された元トランプの広報担当は,「たがが外れて: トランプのホワイトハウスの内部関係者の弁明Unhinged: An Insider’s Account of the Trump White House)」で,以前の “Apprentice”(トランプ出演のTV番組:「見習い」)参加者が,ホワイトハウスにいた時に録音したと主張する録音テープを一連のテレビ出演で いくつか公開し,衝撃的な主張をした。

ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は,マニゴールド・ニューマンを 「恨みを抱いている(disgruntled)元ホワイトハウスの職員」と呼び,彼女の本を「嘘と誤った告発(accusations)で いっぱいだ」と非難した(slammed)。

これらの主張のなかで,マニゴールド・ニューマンは,チーフ・スタッフのジョン・ケリーによって解雇されたことを トランプは気付いておらず,又,“The Apprentice”(TV番組)にトランプが出演していたときから 彼が “N-word”(“nigger” など黒人を指す語)を使っていたテープがあると申し立てた。その主張は,まだ証明されてない。

現テレビのスターは,トランプ・キャンペーンが先月,マニゴールド・ニューマンに対して,彼女が非公開契約に違反したと主張して 仲裁請求(arbitration claim)を提出した後,ホワイトハウスが黙らせようとしていると主張した。

一連のツイートで,大統領は彼女の全てを 「いかれて 錯乱している(wacky and deranged)」から 「人間のくず(lowlife)」や 「ブス(dog)」とまで呼び,メディアは彼女に注目していると主張した。

James Comey's “A Higher Loyalty: Truth, Lies, and Leadership” released April 17
ジェームズ・コミー著 「より高き忠誠:真実と嘘とリーダーシップ」 4月17日 発行

A_higher_loyalty他の主張の中で,2017年5月にトランプによって解雇された元FBI長官は,大統領が過渡期に始まった一連の会議や電話の中で 忠誠心を守る努力をしていたと書いている。

ABC Newsジョージ・ステファノプロス(George Stephanopoulos)から独占インタビューを受けたコミーは,トランプと彼のホワイトハウスからの激怒の攻撃を駆り立て,彼の主張を押しとどめ,彼の信頼性に疑問を呈した。

「そして,シェイディ・ジェイムズ・コミーが漏洩して,嘘をつき,三流の本(third rate book)(それは決して書かれてはならない)で多くのお金を稼いでいるとき,マイケル・フリン将軍(国家安全保障問題担当大統領補佐官)の生活は完全に破壊された。それは,本当に,アメリカでの生活が働くことになる方法なのか?私はそうは思わない!」  トランプは,この本についての多くのツイートの一つで言った。

Michael Wolff's “Fire and Fury: Inside the Trump White House,” released January 5
マイケル・ウォルフ著 「炎と怒り:トランプ政権の内幕」  1月5日 発行

Fire_and_furyコラムニスト マイケル・ウォルフの衝撃的な本の抜粋がリリース前に現れ,トランプ大統領の弁護士チャールズ・ハーダーは,ウォルフと彼の出版社に,すぐさま 「さらなる出版,配布を中止すること」を要求した。

しかし,それによって出版は取りやめにはならず,ウォルフと彼がインタビューした役人の信用を失わせるための数週間にわたるキャンペーンに火を点けた(igniting)。

最も激しい主張の1つは,ウォルフ氏によれば,2016年6月のトランプタワー会議に出席するドナルド・トランプ・ジュニアとジャレット・クシュナーの決定は「反逆的」であったとするホワイトハウスの首席戦略官 スティーブ・バノン氏のコメントである。

一連のツイートで,トランプは,「ホワイトハウスへの “Zero access” を許可した」と書き,ウォルフを「何度も」退け,「嘘,存在しない虚偽の表現や情報で満ちている」と批判した。

トランプはまた,2017年8月に解雇したバノンを攻撃し,「マイケル・ウォルフは,この,実に退屈で不道徳な本を売るために話をでっち上げた完全な敗者だ。彼は解雇されたときに泣いて仕事にすがり付いた(begged for) 。今では スロピー・スティーブ(Sloppy Steve)は,ほとんどの人から犬のように捨てられている。残念(Too bad)!」とつぶやいている。

(転載了)
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(英文内容を充分咀嚼できないまま日本語にした部分があります。原文を参照願います。)

就任後2年を経たない在職中に,これだけ多くの本で,非難され,貶められる内容を書かれた大統領がかつていたでしょうか? 10月2日 発行予定の “Full Disclosure” で,5冊です。これらの内容を否定するために費やされる時間と金は全く無駄なもので,本来の大統領業務を阻害することは免れません。

逆に 退任後は 決して伝記等で触れられることはなく,触れられるとしたら 歴代ワースト大統領について書かれるときくらいでしょう。
米国にとっても,米国民にとっても,貿易相手国にとっても,そして トランプ自身にとっても,悲劇と言えます。

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