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2018年12月23日 (日)

日本,第二次大戦後 初の空母?

政府は12月18日午前の閣議で,新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)と中期防衛力整備計画(中期防,2019~23年度)を決定し,その中で,海上自衛隊のいずも型護衛艦を事実上空母として運用し,最新鋭ステルス戦闘機「F-35B」を導入することを明記しました。

中期防には,F-35Bの発着艦を可能とするため,いずも型護衛艦の甲板を改修する方針が盛り込まれています。中国の空母や爆撃機が近年,太平洋に進出していることを念頭に,戦闘機の離着陸が可能な滑走路が少ない南西諸島や太平洋側で自衛隊の運用能力を高める狙いがあります。

大筋は 既に 12月11日に報道されており,その時点で ‘The New York Times’ (Dec.12, '18)は  “Upgrade Would Arm Japan With First Aircraft Carriers Since World War Ⅱ”(第2次世界大戦以来,初の空母で日本,武装増強)の見出しで報じています。

以下,翻訳転載します。

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日本は,ジェット戦闘機を発艦できる空母の計画を進めることによる,軍事能力拡大に向けて,火曜日に一歩前進した。

与党が承認した新たな防衛指針のドラフトに含まれている計画は,日本の領域をはるかに上回る可能性のある強力な力で,第二次世界大戦以来初の空母によって日本を効果的に武装させるだろう。

そのような拡大された軍事力が日本の平和主義憲法に適合しているかどうかをめぐって,政治的に微妙な議論を日本にもたらしている。

計画は,自衛のために必要と思われる範囲を超える攻撃的な武器(offensive weapons) として解釈される(construe)可能性がある。

今回の改正では,ヘリコプター搭載の大型護衛艦が改修され,短距離離陸と垂直着陸が可能な,探知を避けるためのステルス技術を備えたジェット戦闘機を運ぶことができる。

このような改革を経て,日本は 「作戦の柔軟性向上のため,必要な時には,既存の護衛艦からジェット戦闘機を動かすことを可能にする」と共同通信社は伝えた。

共同通信社は,未確認政府筋によると,安倍晋三首相の内閣が今月中に改正指針を支持する意向だと述べた。

米国の軍事アナリストたちは,日本の防衛当局がしばらくの間 話していたアップグレードは,太平洋における中国の空軍および海軍の進出の機運に対する日本と米国の共通の懸念を反映していると述べた。

日本と中国は,日本が尖閣諸島と呼び,中国が釣魚島と呼ぶ,東シナ海の島々における長期の紛争におかれている。

日本の当局者は,北朝鮮の軍事能力についても,更に懸念している。

9月には,日本の潜水艦が南シナ海での軍事演習(war game)に参加し,中国の存在に対する直接的な反応と見られた。

防衛コンサルタントであり,米国海軍研究所の世界艦隊戦闘ガイド(Guide to Combat Fleets of the World)の著者であるエリック・ヴェルトハイム氏は,日本で予定されたアップグレードは 紛争中の海域(contested waters)での対立(confrontation)のために策定されたと述べた。

このような状況で,彼は電話インタビューで 「最も価値ある資源(asset)の1つは空軍の使用であり,近くに空軍基地を持たない場合は 空母の力である。」と述べた。

ヴェルトハイム氏は,日本の軍備拡張の支持者たちは,それを防衛的であると主張し,このような変化は「日本の国力を向上させる」と述べた。

共同通信社は,計画されたアップグレードの下で,日本政府は,14機のヘリコプターを搭載することができる 「いずも型全通平甲板護衛艦」を,米国のF-35Bのような短距離離陸と垂直着陸戦闘機を配備して(deploy)使用できるように改修すると述べた。

Izumo
防衛省の岩屋毅大臣は,「いずも」は 元々 多目的護衛艦として設計されており,「もし,戦闘機を装備しても,他国に脅威になることはない。」と記者団に語った。

F35b_2
F35b_01_3
岩屋氏は先月,政府がロッキード・マーチン・ライトニングII 統合打撃戦闘機(Joint Strike FighterFー35 の改造型であるF-35Bの購入を検討していたと述べた。 岩屋氏は,海上自衛隊の2隻の 「いずも型」護衛艦は,F-35Bの配備に対応するためにアップグレードする必要があると述べた。

(転載了)
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F-35B Lightening Ⅱ” は 「ハリアー」のように 垂直離着陸できる VTOLVertical TakeOff and Landing)ではなく,短距離離陸・垂直着陸(Short TakeOff and Vertical Landing)のSTOVL です。

すなわち,垂直に着艦できますが,離艦時は滑走が必要です。
しかし,ジェット噴射方向を下部後方に向けて,自力,かつ短距離で離艦できるので,通常の空母が備えている 離艦速度を助ける蒸気カタパルト(中国空母はその技術がないので甲板先端を傾斜させている)が不要なので,「いずも」の改造工事は最少で済みます。
垂直着艦なので 当然,着艦時に戦闘機から垂らすフックを引っかけるアレスター・ワイアのシステムも不要です。

フル装備(燃料,兵装)した F-35B の最短離艦距離を調べましたが,200ft から 600ft まで色々あって判定できませんでした。
自衛隊の任務である(島嶼部)領土保全・回復 - 尖閣諸島の防衛,不法占拠されている竹島の奪還(?) -には有効です。

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