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2018年12月11日 (火)

“The Japan Times” の方針変更を “The Guardian” が ー 。

英字紙「ジャパンタイムズ」が 11月末,第2次世界大戦時の「徴用工」および「慰安婦」の表現から 「強制性」を省くと宣言して,国際的な批判を受けているようです。
(但し,「国際的な批判」は 韓国メディアの表現。)

例えば ‘The Guardian’紙は Nov.30,2018付けで ‘“Comfort women”: anger as Japan paper alters description of WWII terms ’ (「慰安婦(Comfort women)」:日本紙が第二次世界大戦時の用語記述を変更することの怒り)の見出しで,史実を知ってか,知らずか, 批判しているようです。

サブタイトルは ‘Change prompts concern that country’s media is trying to rewrite wartime history under rightwing pressure’(変更は,右翼の圧力下で,メディアが戦時史を書き直そうとしている懸念で刺激)で,英国紙が,日本関連の戦時史を正しく認識して書いているかのようで誤解を誘います。

下記,翻訳転載します。

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日本の最も古い英字新聞が,戦時中の性奴隷(sex slaves)や朝鮮半島からの強制労働者(forced labourers)の記述を変更して,スタッフと読者の間で怒りを呼び起こしている。

ジャパンタイムズは,安倍首相の保守派の意図(agenda)に協調したと批判される決定で,議論の対象を報道する際に「潜在的に誤解を招く可能性がある」 言葉を使用していたと述べた。
戦時中の記録の悪名高い部分をどう定義するかについては,最新のメディアの行(row)だった。

昨年120周年を迎えたジャパンタイムズ紙は,金曜日の編集者のノートで,1910〜45年の朝鮮半島・植民地支配の時代に,日本の鉱山や工場で働くことになった韓国人を表現するために一般に用いられた 「強制労働」(forced labour)という言葉をやめる(ditch)と告げた。

韓国は,戦時強制労働(wartime forced labour)の被害者(victims)は約15万人で,そのうち5000人が生存していると言っている。

ジャパンタイムズは,「強制労働」という言葉が,第二次世界大戦の前後に,日本企業のために働いた労働者を指すのに用いられているが,彼らが働いていた条件や,どのように雇用されたかは様々であるため,今後,彼らを「戦時労働者」(wartime labourers)と呼ぶことにする。」と述べた。

この説明は,三菱重工業に10人の元強制労働者(former forced labourers)の補償を命じる,今週の韓国大法廷の判決に関する記事の末尾で示された。

先月の判決と同様に,東京とソウルの間には,日本の外相である河野太郎大臣の「完全に容認できない」との結びつきがある。

モットーが 『全てのニュースを恐れなく,へつらいもなく(news without fear or favour)』のジャパン・タイムズが,「従軍慰安婦」(comfort women)の記述を変えると言っている – それは,戦争前と戦中に 日本の軍の売春宿で働くことを強制された,主に朝鮮半島からの何万人もの女の子との女性の婉曲表現(euphemism)である。

同紙によると,犠牲者は,「第二次世界大戦の前と最中に日本軍にセックスを強制された女性」と,以前は述べられていた。

しかし,次のように付け加えた。「戦争中のさまざまな地域の慰安婦の経緯は大きく変わってきているので,今日から,我々は,『従軍慰安婦』を 『戦時売春宿で,自らの意志に反していた人々を含み,セックスを日本兵に提供するために働いていた女性』と称する。」

同紙の東京本部の記者と編集者は,怒り(anger)と驚愕(consternation)の入り混ざった感情で決定を受け取った(greeted)。

ジャパンタイムズの従業員は,「人々は,変更と,協議がなかった事実に,全く怒っている。」と,ガーディアンに語った。

今回の変更は,右翼政治家や活動家らによる,日本の戦時史を書き直して アジア本土での行動をより好感度をもって描写するようにとの圧力に メディアが屈しているという懸念(concern)に加わった。

この動きは,2014年以来,進歩的な(liberal)朝日新聞が,元兵士・吉田清治の,偽証 (false testimony)に基づいていたことを認めた 戦争中の性奴隷(sex slaves)に関する1980年代と90年代の記事を撤回した(retracted)後,勢いを増している(gather pace)。
運動家たちは、吉田の信用性の無い証言があったとしても,戦時中の性奴隷の存在を否定するものではないと指摘した。

2ヵ月後,一日の発行部数が1千万部を超える保守的な高級紙(conservative broadsheet),読売新聞は,これまで英語版で「性奴隷」という用語を使用したことを謝罪し,代わりに 「所謂,慰安婦」(so-called comfort women)という,より曖昧な(ambiguous)言葉を使用すると述べた。

日本の公共放送局であるNHKの英語部門の編集者は,「性奴隷」という言葉の使用を禁止されて(banned)おり,代わりに「戦時中の慰安婦と呼ばれる人々」(people referred to as wartime comfort women)と呼ばれなければならない。

ジャパンタイムズの編集の変更は,韓国が生存者を支援するために日本から資金提供される財団を解散すると発表して,東京での怒りを呼び起こした直後に起こった。

両国の性的奴隷に対する難局(impasse)を解決するための,2015年の合意を実質的に終了させるこの動きを,日本は即時に非難(rebuke)した。

ジャパンタイムズには,コメントのために連絡を取った。

(転載了)
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The Japan Times’は11月29日付け “South Korea’s top court orders Mitsubishi Heavy to pay compensation for wartime labor” の見出し記事の末尾で,今後の記事で,誤解を避けるため “forced” を使わない方針を示す ジャパンタイムズの編集者ノートを示しています。
原文のまま 転載します。
Editor’s note: In the past, The Japan Times has used terms that could have been potentially misleading. The term “forced labor” has been used to refer to laborers who were recruited before and during World War II to work for Japanese companies. However, because the conditions they worked under or how these workers were recruited varied, we will henceforth refer to them as “wartime laborers.” Similarly, “comfort women” have been referred to as “women who were forced to provide sex for Japanese troops before and during World War II.” Because the experiences of comfort women in different areas throughout the course of the war varied widely, from today, we will refer to “comfort women” as “women who worked in wartime brothels, including those who did so against their will, to provide sex to Japanese soldiers.”
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forced” を除いたことは,全ての 「徴用工+応募工」 および 「慰安婦」が, “forced” とは限らず,自らの意志でその職に就いた,あるいは 当時の法に従った人がいた,あるいは “forced”の主語が日本(政府)とは関係ない場合があった,などを考えれば,正しい歴史を伝えるというメデイアの姿勢としては妥当な選択でしょう。

「戦時労働者」を 「強制徴用労働者」と決めつける英文を世界に流布して 世界を誤解させていたのを修正する意図を評価します。

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