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2019年2月26日 (火)

米国人の進化論と創造論の現状(2/2)

(米国人の進化論と創造論の現状(1/2)から続く)

米国では,21世紀になって やっと 「進化論」を信じる人の数が 「創造論」のそれを抜いたと言われています。
すなわち 20世紀まで,人間は神が造ったと信じる人が 米国人の半分以上いたということになります。

Feb.2 '19付け ‘Pew Research Center’のサイトに, “The Evolution of Pew Research Center’s Survey Questions About the Origins and Development of Life on Earth” (ピュー・リサーチ・センターによる,地球上での生命の起源と進化についてのアンケート調査,進化論)と題する報告がありました。

米国人の信仰心と進化論の関係を知るのに興味深い報告です。

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2009年に進化論が広く受け入れられたヒント : その後の調査では,2009年以降安定した見解が得られた。

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センターは,3年後に非常によく似た 2段階の進化論の質問をした。

調査結果によれば,進化が起こったと信じるアメリカ人の割合は,2006年の51% から 2009年の 61% に10ポイント増加している。

しかし,2009年の質問に対する回答は,2009年の調査全体が科学的なテーマに関するものであるという事実に影響されている可能性があることを 調査担当者は懸念していた。
具体的には,科学的なテーマに強い興味を持っている人は,調査に参加する可能性がより高い可能性がある。

そのような人たちはまた,科学的なテーマにあまり興味を持っていない人たちよりも 高い割合で進化論を信じているだろうし,そのために進化論が起こったと信じている一般市民の割合に関する調査の評価を膨らませる。

また,2006年と 2009年における質問の文言のわずかな変更が,結果に影響を与えた可能性もある。

2005年と2006年には,このシリーズの最初の質問は次のようになっていた :
何人かの人々は,人間と他の生物が時間とともに進化してきたと考える。他の人たちは,人間や他の生き物が 初めから 現在の形で存在していたと考えている。どちらがあなたの見解に最も近いか?」

2009年以降,質問は単純化され,つぎのような質問になった。
「どちらがあなたの意見に近いか? 人間や他の生物は時間とともに進化してきた。あるいは,人間や他の生物は初めから現在の形で存在してきた。」

オリジナルの文言は,議論の両方に人々がいると回答者に伝えることによって,両方の観点に同等の正当性を与えたかもしれない。 これは創造論者の反応にいくらかの注意を向けたかもしれない。

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調査の内容が異なり,質問の表現がわずかに変更されたため,ピュー・リサーチ・センターは2009年の結果を,2005年に始まった傾向の継続として報告しなかった。

その代わりに,初期の結果は,「比較のための傾向」だけとして,2009年の調査結果を一緒に含んだ – 変化の大きさの直接の,同一条件での(apples-to-apples)推定をすることなしに,いくつかは2006~2009年間に感情の変化がある兆候として。

2013年から2014年の間に,ピュー・リサーチ・センターは2段階の進化論の質問シリーズに,さらに 4回質問した。 4つの場合すべてにおいて,時間の経過とともに人間が進化したと信じていると答えた人の割合は,60% から 65% の間だった。

宗教グループと人口統計学的(demographic)グループの間の進化論への考え

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2014年の米国の宗教的状況研究(センターが進化についての伝統的な 2段階の一連の質問をした最後の電話調査)では,進化論を信じるのは 大学卒業者(college graduates)は より低い学歴の人より 一般的である(73%)ことを示している。(一定の大学教育を受けた人(with some college education)で 62%,高卒以下(with a high school diploma or less education)の人で 53% )。

進化論を信じるのは,高齢者(65歳以上で 52%)よりも若者(30歳未満の成人で 72%)が,そして女性よりも男性の間でやや一般的である(58%65%)。

宗教団体では,進化論を信じるのは,自称無神論者(その95% が人間や他の生物が時間とともに進化してきたと信じている)と 不可知論者(96%)でピークに達する。

およそ10人中8人以上の仏教徒(86%),ユダヤ人(81%),そしてヒンズー教徒(80%)と同様に,少数派のカトリック教徒(66%)と主要なプロテスタント(65%)が 進化論を信じると言う -  とはいえ,これらのキリスト教の伝統の構成員は,宗教的に関係のない人々やほとんどの非キリスト教信仰の構成員よりも,神が進化の過程を導く役割を果たしたと信じていると言える。

福音派プロテスタントの宗派(evangelical Protestant denominations)のメンバーでは,意見のバランスは反対の方向に傾いている - 福音派の 57% が 2014年の電話調査では,人間や他の生物は初めから現在の形で存在していると答え,人間は時間とともに進化したと信じていると述べたのは 38% だった。

そして歴史的に黒人のプロテスタントの宗派のメンバー(historically black Protestant denominations) は,進化論を信じる人々(50%)とそうでない人々(45%)の間でほぼ均等に分けられた。

統計分析によると,歴史的に黒人のプロテスタントの宗派に属する福音伝道者や信者は,他の多くの宗教団体の人々よりも,異なるレベルの学歴を考慮したとしても進化論を信じる可能性は低い。

この報告書の冒頭で述べたように,我々の最近の実験は,神を進化に結びつけるための直接の選択肢を含めることが,白人の福音派と黒人のプロテスタントによって与えられる反応に実質的な違いをもたらすことを見出した。

詳細については,「非常に宗教的なアメリカ人が進化論をどのように見ているかは,彼らがそれについてどのように尋ねられるかに左右される」(“How highly religious Americans view evolution depends on how they’re asked about it.”)を参照。

人間の進化と動物の進化についての信念をテストする

2013年に,ピュー・リサーチ・センターは 進化論についての標準的な質問の文言で実験した。

無作為選出の回答者グループに 「人間と他の生物」の進化について尋ねた一方で,他の回答者グループには 「動物と他の生物」の進化について尋ねた。

この調査では,白人の福音主義的なプロテスタントは,人間について同じである(27%)と言うよりも,動物や他の生物が時間とともに進化している(41%)と言っている可能性が高いことがわかった。

白人の主流のプロテスタントの間では,反対は本当だった:より多くの人が,人は(78%)は動物(66%)より進化したと言った。 この実験では、黒人のプロテスタント,カトリック教徒,そして宗教的に無関係な回答者の質問への答え方に大きな違いは見られなかった。

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結論としての考察Concluding observations

合わせて考えると,地球上の生物の起源と進化について尋ねることは複雑な活動であることがわかる - おそらく,特に 米国などの国で,そこでは進化論の科学的理論に関する一般の態度は,宗教的な信念(conviction)にしばしば密接に結びつく。

質問文言のわずかな違いが,人間進化の自然主義的な解釈,創造論者の見解,またはその間にある 進化のプロセスへの神 あるいは至高の存在による導き,または許可 - のどれを信じるかの一般大衆の割合の調査見積もりに大きな影響を与える可能性がある。

ピュー・リサーチ・センターは,このような種類の質問に関する改善に全力を尽くして世論を捉えようと努力してきた。そして,センターは実験を続け,結果を透過的に(transparently)報告したい。

(転載了)
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「進化」は認める,しかし,進化の過程で 神の意志,導きがあったとして,今 存在する自身に神の存在との関連を否定できない人は,米国においては 存在し続けます。

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