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2019年3月27日 (水)

「ターザン」を書いたバロウズを検索したら「世界SF全集」がヒットした。

図書館に本を返却に行ったとき,先日,TVで放映された「ターザン」映画を思い出し,「ターザン」シリーズの小説を書いた 「エドガー・ライス・バローズ」(‘Edgar Rice Burroughs’, 1875~ 1950)の本があるだろうかと 検索すると,「ターザン」小説はなく, 「世界SF全集 第31巻」がヒットし,借りてきました。

この早川書房の「世界SF全集」には 思い出があり,最初に発行されたのが 1968年(昭和43年)で,私が大学に入学した年です。
全35巻+別巻1 が1971年(昭和46年)にかけて発刊されました。
約50年前のことです。
学生だった私は この全巻を集めよう(買おう)と考えましたが,1巻 \1,200 は,当時 1日の食費: \300,間借り費 月 \4,500で生活していた私には負担が大きく,2,3巻買って 断念しました。

就職後,忘れたわけではありませんでしたが,生活が慌ただしくなって買うことも,読むこともありませんでした。

Dsc_1755Dsc_1764

 

借りた 第31巻 は 「世界のSF(短篇集)古典篇」でした。
図書館1Fの書架には置いておらず,4Fの書庫から出してもらいました。
約50年前のハードカバーは 相当 くたびれていて,今にもバラバラになりそうです。

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Dsc_1759全28篇が 四部に分けられて 掲載されています。

バローズ(バロウズ)の掲載されている作品は 「火星の月の下で」(‘Under the Moons of Mars’,1912)で,元南軍大尉,ジョン・カーターを主人公とする 「火星シリーズ」11作品の元になった,SF小説と言うより 冒険小説です。

突然,「主人公が 火星の黄色の苔の上で目を覚ます。」で,始まる話は,どのようにして火星に行ったかが明確ではありません。
「幽体離脱」で 「瞬間移動」というのは 舞台を火星にしたかったにしても 荒唐無稽です。

Under_the_moons_of_marsディズニー映画 『ジョン・カーター』(‘John Carter’,2012) の原作です。

他に,掲載されている興味深い作品として ジュール・ヴェルヌの 「2889年」(‘La Journée d'un journaliste américain en 2889’,「西暦2889年,アメリカのジャーナリストの一日」,1889)がありました。

Wikipediaには 「実際には息子のミシェル・ヴェルヌによって英語で書かれた “In the Year 2889” というタイトルの短編で,そのフランス語訳にジュールが加筆」となっています。
出版された 1889年の 1000年後を描いています。
何故 100年後ではなくて 1000年後なのか,やや不思議に思います。1,000年後なら とんでもないことを書いても 許されるだろう,あるいは,1,000年後まで この小説が残っていることはないだろう,というところでしょうか。

この 「世界SF全集」での掲載(1971年)が 初邦訳の作品です。

未来小説を書く SF作家は 生きている時代の人が読むことを ほぼ考えており,未来の人が読むことは あまり考えて書いてはいないでしょう。

因みに 発行された1889年には,ベルの電話,ダイムラーのガソリン自動車,エジソンの白熱灯は発明されていましたが,飛行機,無線電話,ラジオは存在していませんでした。

この小説の中に書かれて,小説発行後 100年余りで実現したものを挙げるとー
「TV電話」,「写真電報(ファクシミリ)」,「計算機」,「カラー写真」,「時速 100マイルの列車」などー

実現してないものー
「蓄積機(‘accumulator’,あらゆる自然力を圧縮・蓄積)」,「変形機(‘transformer’,蓄積機内の自然力を好きな形のエネルギーに変換してO/P)」,「雲に映像を移す『大空広告』」(「プロジェクト・マッピング」は近いか),,「殺人電光」,「人工冬眠」

実現してないとしているが実現したもの(こと)-
「月の裏側を見る」

もっとも興味深く,予想が間違っているのは 「寿命:37歳が52歳になった。」 と書いていることです。19世紀でも 60歳代,70歳代まで,あるいはそれ以上生きた人はいくらでもいて,うまく 病気に罹らなければ 生物としての寿命は もっとあることは分っていたと思うので,体力のない子供の病死が多く,寿命を引き下げていたと考えられる状態の飛躍的改善は望めないとの考えがあったのでしょうか。

Life_expectancy
37歳は,上図から 欧米の寿命を対象としているようですが,100年後の1990年頃には 70歳を超えています。
西暦1900年前後からの急速な医学の進歩による病気の克服,食料(栄養)状態の改善を,ヴェルヌにして見抜けなかったと言えます。
ひょっとすると戦争による死亡も考慮されたのかも知れません。

書かれて 130年後に読んで あれこれ言うのは簡単です。

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