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2019年10月 3日 (木)

台湾で橋が崩落した,原因は?

10月1日,台湾で,宜蘭県蘇澳鎮跨港路の南方澳漁港内に架かるアーチ式の道路橋,南方澳大橋(なんぽうおうだいきょう),又は南方澳跨港大橋(なんぽうおうここうだいきょう)が崩落する事故が起こり,その崩落する様子を10月2日のTVで観ました。
原因は?

橋の仕様は次の通りです。
 ・形式:シングル下路アーチ橋      ・全長(支間長):140m
 ・幅 :15m                            ・高さ:47.5m
 ・桁高さ(海面上):18m             ・完成:1998年(21年 使用)

この事故を報じる台湾のネット新聞(英文) ‘TAIPEI TIMES’ ,Oct. 2,2019付け “Engineers mull cause of collapse” (技術者が崩壊の原因を考える)を 下記,拙訳,転載します。

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昨日(101日)の宜蘭県(Yilan County)の南方橋(南方澳橋 :Nanfangao Bridge)の崩壊は,アンカーポイントの錆によるものである可能性があると,台北工科大学工学部学部長(Taipei Technology College of Engineering dean)宋裕祺(Sung Yu-chi)は述べている。

映像を観ると,橋の鉄骨アーチの中央にある垂直ケーブルが最初に破断した(snap)ことが示されていた,と宋教授は語った。

しかし,橋は10本以上のスチール・ケーブルで吊り下げられており,理論的には,他のケーブルは破損したケーブルが負担した重量を均等に分散できるはずだった,と彼は述べた。                                                                                   
ただし,垂直ケーブルの破断がドミノ効果を引き起こしたように見える,と宋教授は述べた。

橋は塩分を含んだ空気に継続的にさらされていたため,ケーブルが錆びて,スパンが支えることができる重量が減少したと宋氏は述べた。

風に長期間さらされると,アンカーポイントが緩み,橋の重量を支えることができなくなる可能性があると彼は言った。
このアーチ橋の崩壊は,原因を確認するために調査が必要であるが,橋とアーチの間の力の平衡(force equilibrium) の喪失(dissolution)によって引き起こされたと彼は言った。

橋は安全係数とメカニズムを考慮して設計されており,通常の稼働を維持するために定期的な検査と正確な設備の較正が必要であると彼は述べた。

国立中央大学(National Central University)の土木工学教授(professor of civil engineering)である王中宇(Wang Chung-yu)も,ケーブルが錆びていた可能性があると述べた。

台風ミタグ(Mitag)によってもたらされた強風は,ケーブルを絶えず揺らし,そしてそれはケーブルを破断のポイントに力を及ぼしたかもしれない,と王教授は言った。
どのアンカーポイントが最初に破断したかを判断するための現地検査が必要であると彼は言った。

当局は,サイトの正確な記録を作成して,橋の最新の検査記録と比較する必要があり,それによって何が起こったか明確になるだろうと王は述べた。

この橋は古い設計であり,自然腐食(natural erosion)からの保護のアイデアがまだ一般的ではなかったときに行われたものであり,保守点検がそのような可能性を見落としている可能性があると彼は付け加えた。
しかし,彼は台風ミタグに崩壊の原因があるとするべきだと考えている。

台湾国際港務公司(Taiwan International Ports Corp:TIPC)は,21年前に橋が完成して以来、定期的な年次メンテナンスを実施しており,規制に従って,各ケーブルコードが4年ごとに検査されていると述べた。

TIPCによると,最後の検査は2016年に行われ,宜蘭県政府は,健行科技大学(Chien Hsin University of Technology and Science)に業務委託していた。
大学の報告書は,橋の本体をコンクリートで補強し,ケーブル・ビームから錆を除去し,排水管(downsout)を修理し,山形鋼の伸縮継手を交換することを提案した。
同社は,報告書に記載されている修理と補強をカバーするために,2017年から昨年までに1,000万台湾ドル(現在の為替レートで322,113米ドル)を予算化したと述べた。

TIPCの最高経営責任者である陳邵良(Chen Shao-liang)は,ケーブルが最初に切れたかどうかについてはコメントを避け,調査の結果を待つだけだと述べた。

(転載了)
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崩落前の状態です。

O004
O002
O001
門型の橋脚で アーチと橋桁は結合され 支えられているようです。
アーチ構造と橋桁との関係から ケーブルからの荷重を受けたアーチは端部で橋桁への引っ張り力として作用していると考えられます。
(橋脚は 水平荷重を受ける構造ではなさそう。)

下は崩壊した様子です。

A001
映像に残された崩壊の過程です。
初めに 橋桁中央が折れています。すなわち,中央部のケーブルが破断(橋桁に結合されているアンカー部が外れた?)したと思われます。
橋桁の支持点である橋脚位置で折れている,あるいは接続道路部と分断されています。
次に 橋桁とアーチ構造の両方が橋脚から外れ 海に落下します。
台風にも 原因があるのでは,ということですが,事故当時の風速をどこにも示していませんでした。

D006
橋桁下に停泊していた漁船があって,死者,行方不明が出ています。
又,漁港入口のため,港内 600隻以上の漁船が出漁できない状態になっています。

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