« 見出しに見る「勘違い」(その530) | トップページ | 見出しに見る「勘違い」(その531) »

2019年10月24日 (木)

“World Giving Index”(世界人助け指数),日本が低位なのは?

Front-page_20191019211401 英国の チャリティー団体 “Charities Aid Foundation(CAF)” が10月に “WORLD GIVING INDEX(10th EDITION),Ten years giving trends ” を発表しました。

Giving Index” は 日本語では 「寄付指数」,「人助け指数」,「思いやり指数」などと訳され,次の3項目のアンケート調査結果に基づいて処理,指数化し,ランキングしています。

 ・Helped a stranger, or someone you didn't know who needed help? (助けを必要としている見知らぬ人を助けたか?)
 ・Donated money to an organisation? (宗教団体や政治団体、慈善団体等に寄付を行ったか?)
 ・Volunteered time to an organisation? (組織的なボランティアに時間を捧げたか?)

(報告書から 拙訳・転載)

*****************************

Full-table-119
(途中ランキングを省略して 19位から91位まで飛びます)

Full-table-91110
ランキング Top 10Bottom 10 は次の通りです。 

Top-10-countries
Bottom-10-countries

日本は 126ヶ国中 107位で 辛うじて Bottom 10 には入っていません。

【背景】

CAF10年にわたって World Giving Index を作成してきたが,今年はこの特別な第10版を発表できることを嬉しく思う。
10年間のデータを記念して,10年間に集計された(aggregated)上位および下位の国を調べることにした。

成績の良い国だけでなく,成績の悪い国について報告するのは今回が初めてである。
また,10年間で最大の上昇と下降を確認した。

このレポートを作成した他の年と同様に,我々の目標は同じままである:世界中に寄付する(giving)範囲と性質についての洞察(insight)を提供すること。

寄付(giving)が,   さまざまな形で理解されることを確実にする(ensure)ため,報告書は寄付行動(giving behaviour)の3つの側面(aspect)に注目している。

レポートの中心にある質問は次のとおりである:過去1ヶ月で次のいずれかを実行したか?

3-aspects-in-giving

このレポートには,過去10年間に世界中でインタビューされた約130万人の結果が含まれている。
結果は,これまでに作成され,自由に利用できる寄付に関する最大の調査である

10年間にわたるすべてのフィールドワークは,世界調査構想(World Poll initiative)の一環として,市場調査会社Gallupによって行われた。

CAF World Giving Index第10版  -  データについて

この版では,インタビューが実施された10年間,つまり20092018年の各国の集計データが含まれている。

このデータは,インタビューが行われた翌年に発行されたレポートに対応している(つまり,‘CAF World Giving Index 20102009年に収集されたデータを指す)。

毎年ギャラップのインタビューの対象国の変化はわずかであるため,このレポートには過去10年間のうち少なくとも8年間のデータを利用可能な国のみを含めている。                                                                                              
つまり,このレポートは128ヶ国に基づいている。

CAF World Giving Index のランキングとスコア

CAF World Giving Indexは,世界中の寄付行動(giving behaviour)を評価する総合的な尺度を確立するために,各国で行われた3つの重要な質問への回答の単純平均に依存している。

各国にはパーセンテージ・スコアが与えられ,これらのスコアに基づいてランク付けされる。

この第10版では,10年間のスコアを平均し最終スコアを算出した。

Method

このレポートは主に,2018年に143ヶ国で実施され,世界人口の約95%(約52億人)を代表する進行中の研究プロジェクトであるギャラップの世界投票(World Poll)のデータに基づいている。

調査は,寄付行動を含んで,今日の生活の多くの異なる側面について質問する。

調査対象の国と各地域での質問は年ごとに異なり、ギャラップによって決定される。 Gallupの方法論(methodology)の詳細はオンラインで見ることができる。

2018年,ギャラップは,インタビュー対象のすべての国で,世論調査アンケート(World Poll questionnaire)内の慈善寄付(charitable giving)に関連する一連のアイテムの場所を大幅に変更した。
面接が直接行われた国では,この変更は結果に影響を与えなかったようだ。

ただし,電話でインタビューが行われる国では,これらの変更が何らかの影響を与えた可能性があり得る。
この影響の完全な説明は現在不明だが,レポートの第11版を発行する前に,来年にわたって検討される。

さらなる結果を待っているが,今年のレポートにおける2018年に行われたインタビューのデータは公開してない。

調査対象のほとんどの国では,全国に住む個人の代表的なサンプルによって1,000件のアンケートが完成する。
対象地域は,地方を含む国全体である。

サンプリング・フレームは、国全体の15歳以上の民間人,特定の組織に属さない人(non-institutionalised) 全体を表す。

一部の大国では、より多くのサンプルが収集されるが,少数の国では,調査は5001,000人を対象としている。

調査は,面接スタッフの安全が脅かされる国,一部の国の人口の少ない島,面接官が徒歩,動物または小型ボートでしか行けない地域など,限られた数の場合は実施されない。

2009年から2018年の間に 合計で150万人以上が,ギャラップによってインタビューを受け,サンプルは確率ベース(probability-based)である。

この第10版レポートには,その期間中に少なくとも8回含まれていた国の約130万人の結果が含まれている。

調査は,その国の電話カバー率に応じて,電話または対面で実施される。

もちろん,各国の結果には誤差の範囲(ランダムサンプリング誤差の量)がある。これは,95%の信頼レベル(結果が 人口全体の真の反映であるという信頼レベルを中心にギャラップによって計算される。)

報告された割合が50%であると仮定して,最大誤差を計算し,設計効果を考慮する。

CAF World Giving Index ランキングの計算

インデックスおよび本書に記載されているパーセンテージは,すべて最も近い整数または小数点以下1桁に丸められている。ただし,実際には,CAFによる分析では,パーセンテージ・スコアは小数点以下2桁である。

したがって,四捨五入により,国のランキングは2つ以上の国が同じ割合であるように見えることもあるが,公平に配置されていない場合がある。
これは,小数点以下2桁までの数値にわずかな差があるためである。

*********************************

Giving Index’ を求める3項目 「見知らぬ人を助けたか」,「寄付をしたか」,「ボランティアに参加したか」の Top 10Bottom 10 を次に示します。

Helpng-stranger-10
Donating-money-10
Volunteering-time-10

日本は 「助けを必要としている見知らぬ人を助けたか」の Bottom 10 Bottom です。

すなわち日本は,日本人は,総合で 「人助け指数」が 126ヶ国中107位であり,特に 「困った人を助ける」項目で最低位の国民という結果になっています。
この結果について 疑問を持つ日本人は多いと思います。

思うに,これは 国連が3月に発表した “World Happiness Report 2019” で,日本が 156ヶ国中58位だったことと類似点がある気がします。

すなわち いずれの調査も客観的,定量的には無理なので,自己申告のみのデータに基づいており,そこに大なり小なり 民族性,国民性が影響せざるを得ない調査報告ということです。

かつて タイガーマスクが施設にランドセルを寄贈したように,日本人は人助けを世間に公表することを「善しとしない」民族であり,他国民に比べ 人助けも,寄付も,ボランティアも匿名性を重んじることを考慮すべきと考えます。

この調査を実施している米国人,英国人が 「秘すれば花」(ちょっと違うか?)を理解できるとは思えません。

この調査結果を どの程度 信じていいのか,どのように受け止めるかは 各国の国民性の「人助け」の善意の面と同時に 「顕示欲」,「ハッタリ性」あるいは 逆の「羞恥心」などの考慮が必要になりそうです。
ー と,「日本人は この結果を気にするな」 という論調になりましたがー

さて,実際のところ,日本人は この報告書をどのように見るのが正しいのか,この結果を どう受け止めるべきか,難しいところです。

太平洋戦争末期,既に日本の敗戦色濃厚の頃,パリの晩さん会で,戦前 駐日大使(1921~27)を勤め,関東大震災での日本国民の振る舞いを見た,劇作家であり詩人であるポール・クローデル氏をして そのスピーチの中で,敢えて 「日本人は貧しい。しかし 高貴だ。世界でどうしても生き延びて欲しい民族をただ一つあげるとしたら,それは日本人である。」と言わしめた日本人は,貧しさと共に遠くにいってしまったと考えるのが果たして正しいのかどうか ・・・。

|

« 見出しに見る「勘違い」(その530) | トップページ | 見出しに見る「勘違い」(その531) »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 見出しに見る「勘違い」(その530) | トップページ | 見出しに見る「勘違い」(その531) »