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2019年11月21日 (木)

日本人の英語能力は落ちている・・・ 。

Epi-front-page 11月初め,スイスの民間教育機関 ‘EF Education First’ が,9回目となる ‘EF EPI (English Proficiency Index)-“A Ranking of 100 Countries and Regions by English Skills ’ の2019年度版報告書を公表しました。

英語を母国語としない 100ヶ国の国民の英語能力を評価し ランキングしています。

日本は昨年(2018年)の49位から 53位に落ちる一方,中国は去年の 47位から 40位に上がりました。

この差は,英語教育の影響と言われています。

下表に 世界 100ヶ国の IndexRanking を示します。

Ranking-01
Ranking-02
Rankingは 次の5レベルに分けられー
 1. Very High Proficiency (14)
 2. High Proficiency (15)
 3. Moderate Proficiency (17)
 4. Low Proficiency (23)
 5. Very Low Proficiency (31)
日本の 53位は レベル4の “Low” で,23ヶ国あります。
 
下表は アジア諸国の Index を示しています。

Ranking-in-asia
この報告書における日本に関して  ‘THE WALL STREET JOURNAL’ Nov. 6, 2019)は 最近の大学入試に関連して次のように報じています。

拙訳・転載します。
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Improving Japan’s English Gets Lost in Translation” 「日本の英語の改善が転換で迷走
The country’s English-language proficiency is falling behind China’s, according to a survey’ 「調査によると、日本の英語能力は中国より劣ってきている

東京でこの問題をめぐる政治的論争(political row)が起こった数日後の調査によると,日本の英語能力は実生活のコミュニケーション・スキルを優先(prioritize)しない教育システムのために中国より劣っている。

日本の2019年の英語能力は4年連続で低くランク付けされ,年次調査で アルバニアやベトナムなどの下位に位置付けられた。


火曜日,スイスに本拠を置く,語学トレーニングを提供する会社 “EF Education First” によると,中国は初めて習熟度が中程度(moderate profisiently) に上昇した。

調査結果に付随する報告書の共著者であるミン・トラン(Minh Tran)は,英語のコミュニケーションを優先した中国のカリキュラム改訂を認めた。 コミュニケーション・スキルをテストすることは、「国民の流暢さを高めるために不可欠であることが証明された」とトラン氏は述べた。


日本と韓国の入学試験は受動的な読解とリスニングのスキルのみをテストするが,中国の国立大学入学試験にはライティング・セクションもあり,多くの学生が卒業するために合格しなければならない別のテストにはスピーキング・セクションがある。

 

EF2019年のランキングは,世界中の230万人が受けた,無料のオンライン能力試験の結果に基づいている。
オランダが世界第1位になり,アジアではシンガポールが首位だった。
Education First
の結果は,昨年の米国に本拠を置く教育試験サービスによる調査結果を反映している。この試験では,TOEICとして知られる国際コミュニケーションのための国際英語試験の日本人受験者は49ヶ国44位で,中国の8位 下位だった。

 

英語を流暢に話すことができる日本の指導者はほとんどいないが,この問題を長い間認識してきている。
人口の減少と高齢化に伴い,より多くの企業が海外への拡大を検討しており,労働ギャップを埋めるためにより多くの外国人を入国させてきた。 一方,日本は東京での2020年夏季オリンピックに向けて,さらに多くの観光客を迎える準備を整えつつある。

しかし,流暢な英会話可能者の不足に対処するための東京による試みは,先週政治的騒乱(uproar)の中で崩壊した。


計画では,学生が2020年から大学のアプリケーションの一部として,スピーチの要素を持つ民間の英語能力テストを受けるようになっていた。

 

大学のアプリケーションに使用される公式の政府英語テストには,学生が言語を話す能力をテストするセクションがないことが,多くのエリート大学卒業生が英語の記事を読むことができても 基本的な会話をする能力が劣る理由である。

 

変更の日付が近づくと,生徒と学生と教師は,新しいシステムが地方に住む貧しい学生を不利にするという懸念を表明し始めた。
一部の民間テストは大都市でのみで実施されており,最大200ドルの費用がかかる。

 

安倍晋三首相と緊密な関係にある文部科学省・萩生田光一大臣は,試験に対して余裕がない人は人生が公平でないことを認めなければならないことを示唆するコメントで火に油を注いだ。
彼は後に謝罪し,数日のうちに計画は破棄された。


野党国会議員・福島瑞穂は,先週,開催される国会に先立ち、「子どもの教育に関して,機会均等が第一優先であることを理解していない大臣は教育大臣の立場にあるべきではない。」と述べ,この問題について安倍政権を糾弾した。


政府は,2024年までに新しい英語テストシステムの導入を検討すると述べた。民間テストの役割を含めるかどうかは決定してない。政府は公式のテストを修正して,より多くのスピーチとライティングを含めるようにするが,それによりリソースが拡大する可能性がある。


韓国政府は,2012年に数千万ドルを投資して,スピーキングとライティングのスキルに重点を置いたテストを設計することにより,国立大学の試験制度を改革しようとしたが,コスト高と十分なスキルを持つ教師の不足により,後に廃止された。

 

経済学と教育を専門とする慶應義塾大学の中室牧子教授は,政治的な敏感さはあるが,この問題は消えることはないと語った。
「日本は,世界が変わるのではなく,日本の教育システムを変える必要があることを認識し始めている。」と彼女は言った。

 

東京に本拠を置く英語教育会社の創設者である樋口亜希氏は,彼女の会社の家庭教師によって民間テストの準備をしている生徒は,国家試験のために勉強している生徒よりも優れた英語コミュニケーション・スキルを身につけていると述べた。

「日本は変化し,コミュニケーションをベースにした学習を増やしようとしているが,中国に追いつくには数十年かかるだろう。」と彼女は語った。

 

(転載了)
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このランキングのソースとなった受験者がどのような人だったか,日本人の平均レベルを評価するのに適切だったかの疑問はありますが,この評価を正しいとしてー

日本人が他国に比べて英語が不得手である根本原因はー
英語を母国語としない他国と比較して,長い間(明治時代以後)高等学問(人文科学,自然科学を問わず)を,江戸時代末からの先人の努力により そのほぼ全てを日本語で学習できる環境にあって,あえて 学問のために(英語の専門書を読む,留学する目的で)英語を身に付ける必要がなかったからー だと思っていました。すなわち,中世の学者にとって必須のラテン語が,近代の英語に相当するようになっても,唯一日本は英語を身に付けることなく学問に接することができたので,例外だったと考えていました。


しかし,コミュニケーションとなると 別問題です。

 

特別な先天的語学能力(例えば マイケル・クライトンのSF小説に出でてくる,初めての言語を喋る人間と1時間 一緒にいれば,その言語を話せるようになる男)がなければ 現在の日本の学校教育で充分な英会話力を身に付けるのは困難で,本気ならば 民間の英会話教室でネイティブ・スピーカーと話す訓練をするしかないでしょう。
まずは 中学,高校の英語教師の能力から改善しないと無理な話です。

そもそも 英会話の訓練を一度もしたことがない私などは 初めて英語で会話したのは就職してから,仕事上での会話でした。
中学と高校のリーダーとグラマーの教科書知識を駆使して乗り切りました(乗り切ったつもりでした)。


Level-02 因みに EF EPI による 5段階の各レベルでの能力例を右表に示します。

 

日本の評価レベル ‘Low Proficiency’はー
 ✓英語国を旅行者として移動可能。
 ✓同僚との短い会話が可能。
 ✓同僚からの簡単なメールを理解できる。

 

外国で ホテルに泊まって 食事ができる‘Survival Level’よりは,ややマシ?

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