「アブ・シンベル神殿」の移転工事詳細を50年ぶりに知った。
エジプト観光の目玉の一つに 世界遺産の「アブ・シンベル神殿」があります。
砂岩でできた岩山を掘った岩窟神殿で,大神殿と小神殿からなり,建造主は新王国時代第19王朝の王,ラムセス2世で BC 1,250年頃の建造と言われています。
長く砂に埋もれていましたが,19世紀初めに発掘されました。
砂岩でできた岩山を掘った岩窟神殿で,大神殿と小神殿からなり,建造主は新王国時代第19王朝の王,ラムセス2世で BC 1,250年頃の建造と言われています。
長く砂に埋もれていましたが,19世紀初めに発掘されました。
高校生から大学生の頃にかけての約50年前,1960年代,アスワン・ハイ・ダム建設でダム湖に沈む,この「アブ・シンベル宮殿」を移動させる工事は 当時の報道で記憶に残っていますが,工事の詳細等は知りませんでした。
11月26日,NHK BSプレミアムの 「アナザーストーリーズ/巨大遺跡引っ越し大作戦~エジプト アブ・シンベル神殿」は興味深い内容でした。
アスワン・ハイ・ダム(工事期間:1960~1970)によって作られるダム湖は巨大で,ダムのトップの水位(満タン)になるのには数年を要しました。
しかし,いくつかの遺跡が徐々に水没し,「アブ・シンベル神殿」が水没するすのも時間の問題でした。
ユネスコは この貴重な遺跡が水没するのを防ぐ案を世界から募集し,いくつかの案が集まりました。
フランスは 周囲に堤防を築く案を提出しましたが,堤防の強度に疑問がありー
フランスは 周囲に堤防を築く案を提出しましたが,堤防の強度に疑問がありー
英国はそのまま水中に沈ませ,ガラス張りの箱から見学する案でしたが,砂岩のため水中での遺跡保全に疑問があり ー
イタリア案の全体の基部,側部を切り取って一体を ジャッキアップして持ち上げる案が採用されました。
(砂岩の強度から ジャッキのスポット力/反力を避けるため,かなり大がかりな,力を分散させる台が必要と思える。)
イタリア案の全体の基部,側部を切り取って一体を ジャッキアップして持ち上げる案が採用されました。
(砂岩の強度から ジャッキのスポット力/反力を避けるため,かなり大がかりな,力を分散させる台が必要と思える。)
ところが,ジャッキアップ案は費用が掛かり過ぎるため,ユネスコは資金を集めることができず,後に提案されたスエーデンの分割移動案が最終的に決定されました。
スエーデン案は遺跡の洞窟を含む岩山全体を1,000個以上のブロックに分割切断して 60m上部に移動して 再組立てするもので 工費はイタリア案の約半額の 140億円と見積もられました。
工事は 1964年4月,世界から技術者が集まって開始されました。
この時,既に神殿前の広場端まで水面が上昇しており,鋼矢板を周りに打ち込んで止水壁を作りましたが,水位がこれを超えるまで 15ヶ月と推定されました。
工事は チェーンソーで岩山をブロックに切り取るものでしたが,考古学者たちは 壁画に切れ目は入ること,特にラムセス像の表面に切断線が残ることに懸念を示していました。チェーンソーによる切断幅は 4cmでした。
このため,像の部分はスエーデンが特に開発した特殊鋼によるノコギリを用いて イタリアから招聘した石工が人力で切断する方法を採用し,その切断幅を 4mm に抑えました。
このため,像の部分はスエーデンが特に開発した特殊鋼によるノコギリを用いて イタリアから招聘した石工が人力で切断する方法を採用し,その切断幅を 4mm に抑えました。
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