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2020年1月 4日 (土)

かつて自動車業界の巨人,そして犯罪容疑者,今 国際手配犯。

カルロス・ゴーン容疑者の日本からの逃亡事件は各国のメディアが報じています。

BBC’,Jan.1,2020付け “Carlos Ghosn: How did the Nissan ex-boss flee from Japan?” (カルロス・ゴーン:元日産のボスはいかにして日本から逃亡したか?)の見出し記事を紹介します。

以下,拙訳・転載。

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He was once a titan of the car industry who held hero status in Japan. He then became one of the country's most well-known criminal suspects. Now he's an international fugitive.

彼はかつて日本でヒーローの地位を得た自動車産業の巨人だった。
それから 彼は,日本でもっとも有名な犯罪容疑者になった。
今,彼は 国際逃亡者だ。
(“fugitive” の単語が何とも言えません。)

日産の億万長者の元ボスであるカルロス・ゴーンは,金融不正行為容疑(financial misconduct charges)で裁判にかける準備に数ヶ月を費やした。 少なくとも,それは日本の当局が信じさせられたことだった。

彼は4月に保釈金(bail)として10億円(680万ポンド,890万ドル)を出した。 彼は家の外に設置された24時間カメラで監視された。彼は通信技術の使用は厳しく制限され,彼は海外渡航を禁止された。

その後,日本に大恥(red-faced)をかかせ,彼自身の弁護士チームを困惑させた(baffled)動きで,彼はNew Year's Eveのレバノンに現れ,「不正(injustice)と政治的迫害(political persecution)から逃れた(escaped)」と彼は声明で宣言した。

「我々は全く驚いた。私は唖然としている(dumbfounded)。」と,彼の弁護士である弘中惇一郎は,ゴーン氏の逃亡を知った直後に東京で記者団に語った。「『どうして こんなことを我々に対してできたのか?』('How could you do this to us?')と彼に訊きたい。」

別の差し迫った質問はー ;どのようにして実際,これを実行したのか?

A musical escape?
音楽のエスケープ?

レバノンのテレビチャンネル- MTV - は,ゴーン氏がミュージシャンのバンドに変装した準軍組織(paramilitary)の助けを借りて,東京の公認の住居から逃亡したと報告した。
バンドは彼の家で演奏し,終了後間もなく,65歳の男は大きな楽器ケースに隠れて,ローカル空港に急いだと報じた。
もし,これが本当なら,身長は5フィート6インチ(167 cm)と報告されているゴーン氏にとってもきつかったと思われる。

MTVの話によると,彼はトルコに飛び,プライベート・ジェットでレバノンに到着した。 放送局は,当然のことながら,ソーシャルメディア全体に急速に広まったこの経緯の証拠を提供しなかった。

◾The car industry's driven 'cost killer'
自動車産業を推進した「コストキラー」

◾Carlos Ghosn and Japan's 'hostage justice' system
カルロスゴーンと日本の「人質正義」システム

◾Four charts on the scandal
スキャンダルに関する4つのチャート

しかし,ゴーン氏の妻キャロルはロイター通信に,楽器ケースに隠れての脱出の報道は「フィクション」であると語った。 彼女は,夫がどのように日本から逃亡したかについての詳細を提供することを拒否した。

スパイ映画の変装を着ること(donning)はゴーン氏を超えない(not beyond)。
3月,ジャーナリストからの取材から逃れるために、彼は建設労働者を装って拘置所を出た。
彼はすぐに見破られ,メディアで嘲笑され(mocked),弁護士はすぐに「素人計画」(amateur)について謝罪した。

The role of Carole Ghosn
キャロルの役割

メディアの報道によると,元CEOの東京からベイルートへの逃亡(gateway)は,数週間または数ヶ月にわたって綿密に計画されていた。

多数の特定不明の情報源を引用したウォール・ストリート・ジャーナルは,計画を実行するためにチームが慎重に結成されたと述べた。
このチームには,ゴーン氏を自宅からイスタンブール行きのプライベートジェット機に運んだ日本の共犯者が含まれていたと伝えられている。

そこから,彼はベイルートへの旅を続け,1230日の早い時間に到着した。
飛行機追跡サイト ‘FlightRadar24’は,現地時間4時過ぎにベイルート・ラフィッ・ハリリ(Beirut-Rafic Harri)国際空港に到着するボンバルディア・チャレンジャー・プライベートジェットを示した。

ゴーン氏はその後,ベイルートで生まれ,作戦に深く関わっていた妻キャロルに会ったとウォール・ストリート・ジャーナルは報じた。

いくつかのメディア報道は,民間警備員がゴーン氏を自宅軟禁から逃亡させるのを助けたと伝えた。
フィナンシャル・タイムズは,工作員が何ヶ月も逃亡を計画しており,さまざまな国で働く複数のチームに分かれたと伝えられている(allegedly)。

状況に詳しい二人は,準備はゴーン氏の日本の支援者によって助けられたと述べた。
新聞によると,日産の元ボスは,日本の大阪空港(Osaka Airport)からプライベート・ジェットで逃亡した。ゴーン氏は保釈中に電子タグを着用する求められてなかったと言われている。

ゴーン氏に近い匿名の2人の情報筋は,ロイター通信に,プライベート・ジェットのパイロットでさえゴーン氏の機内での存在を知らなかったと語った。

キャロル・ゴーンが,夫が保釈を逃れて日本から出て行く計画の背後にある主要人物であるとのいくつかの報告がある。
彼女は1224日に1時間以上彼と話した,とゴーン氏の日本の弁護士は言った。

夫婦は,ゴーン氏の保釈条件の下での会合または通信を禁止されていた。

夫がレバノンに到着した後,ゴーン夫人はウォール・ストリート・ジャーナルに,彼らの再会は「私の人生で最高の贈り物」であると語った。

彼女は逃亡作戦への関与の疑いについてコメントしていない。

今年の初め,彼女はBBCに次のように語っている。「夫を取り戻したい。彼と一緒にいたい。彼は無実だと知っている。」

Three passports
3つのパスポート

ゴーン氏がレバノンに入国するために使用した書類に関する疑問が残っています。

彼は3つのパスポート(ブラジル,フランス,レバノン)を持っているが,彼の弁護士チームは,日本を離れたとき,すべては日本に残っていると主張している。

ゴーン氏が重複したパスポートを保持していたかどうかは不明だが,実業家は時々 それを許可されている。
これは確認されてないが,レバノンが発行した外交パスポートを持っていた可能性があることも報告されている。

フランスの新聞ル・モンドはIDカードで旅行したと報じたが,他のメディアは,彼がフランスのパスポートを使用したか,偽造文書で偽の身元を使用したかもしれないと報じた。

ゴーン氏のスポークスマンは,彼がフランスのパスポートを使ってレバノンに入国したが,彼が日本を去った方法を明らかにしなかったとファイナンシャル・タイムズに語った。

新聞によると、レバノン外務省の政治問題担当ディレクターであるGhadi Khouryは,日産の元ボスがフランスのパスポートとレバノンIDで入国したと語った。

ゴーン氏の逃亡によって引き起こされた困惑(embarrassment)はすぐに日本からの反応を拡散した。

ある日本の政治家は,「どこかの国の支援を受けた」のかと尋ねた
元東京知事はより率直に,レバノンが直接関与していると非難した。

ゴーン氏はレバノンで育ち,そこに財産を所有しており,人気の人物である。 彼は国の切手にさえ登場した。

ロイター通信によると,在日レバノン大使は拘留中,毎日彼を訪ねていたという。 大使はこの,関与しているという疑いに対して公に応答してない。
レバノン政府は ゴーン氏の逃亡に関して,いかなる関与も否定している。

「政府はゴーン氏が来るという決定に何の関係もない」とレバノンのサリム・ジュライサティ大臣はニューヨーク・タイムズへの発言として引用された。 「我々は彼の到着の状況を知らない。」
Khoury氏はファイナンシャル・タイムズに,レバノンは「[Mr Ghosn]の引き渡しを日本に要求した」と語ったが、政府は脱出計画に関与していないと述べた。

フランスもトルコも,ゴーン氏の計画に気付いてなかったと言っている。

日本とレバノンの間に引き渡し条約(extradition deal)はない。これは,ゴーン氏の裁判の将来が,今や,不確実性に満ちていることを意味する。

日本はレバノンに何百万もの援助を与えており,ゴーン氏の引き渡しを要求すると思われる。
しかし、そもそもこのような著名な容疑者(high-profile suspect)がどのようにして国外に逃げたかについてのさらなる質問に答える必要がレバノンにあることは言うまでもない。

(転載了)
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1月2日,日本の捜査当局はゴーンの保釈取り消しを受け,国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配を要請し,レバノンの司法当局は同日、ICPOからゴーンの身柄拘束を求める「国際逮捕手配書」を受け取ったことが明らかにされました。手配書は要請した日本への身柄引き渡しも求めています。しかし,AP通信によると,レバノンの法相は同日,国際手配に応じず,ゴーンを日本に引き渡すことはないとの意向を表明したそうです。司法当局がゴーンを事情聴取する可能性は示唆しているようです。
これで ゴーンは 間違いなく,世界で最も有名な 「国際手配逃亡者(犯罪者)」と定義されました。

又,トルコ当局は2日,イスタンブールでプライベート・ジェット運航会社のパイロットら関係者計7人を拘束したと発表,ゴーンは日本からイスタンブールを経由してレバノンに入国したとされており,7人は逃亡を手助けした疑いが持たれており,そのうち4人はパイロットだそうです。

ゴーンは,日本で裁判を受けない限り,「国際逃亡犯」であり続け,おそらく 永遠にレバノンから外に出られないと思われます。
日本の司法関連部門は 恥を拭うため,国家の威信をかけて 彼を追い続けます。

15億円の保釈金で ゴルゴ13をー と思いましたが,・・・ 残念ながら彼の受託業務範囲に捕獲はない ・・・ 。

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