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2020年1月21日 (火)

自衛隊潜水艦に リチウムイオン電池採用

リチウム・イオン電池の開発者にノーベル賞が授与されました。
リチウム・イオン電池が商品化されたのは 1991年ですが,もっと昔から存在していたかのように身近な製品に使われています。
それまでの 「ニッカド電池」,「ニッケル水素電池」に比べて 優れた性能(高エネルギー密度高電圧メモリー効果無し(使い切らず充電しても性能は落ちない),少自己放電充電・放電高効率長寿命高速充電大電流放電広使用温度範囲広汎用性)による恩恵を意識せず受けています。

乗り物では自動車,自転車(アシスト)に使われていますが,遂に 潜水艦に使われる時代になりました。 

Forbes’は Nov.12, 2019付けで  “Japanese Navy May Have Gained Tactical Edge With New Submarine” (日本海軍(海上自衛隊)は新型潜水艦で戦術的な優位性を獲得したか)


下記,拙訳・転載します。


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116日(2019年)の式典で,日本は最新型の潜水艦「とうりゅう」を進水させた。
リチウムイオン電池を搭載する2番艦である。 日本は,潜水艦にこの革新的な(game-changig)技術を投入した最初の国である。

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それでは,何が画期的(big deal)なのだろうか? 我々は,スマートフォン,ラップトップ,その他の消費財においてリチウムイオン電池を身近に感じている。
リチウムイオン電池は従来のバッテリーよりも高い電力密度を持ち,より小さく,斬新な形状にして,与えられたスペースにより良く適合させることができる。

しかし,潜水艦分野はこの技術の採用が遅れていた。

これには それなりの理由がある。 Galaxy Note 7 でのサムスンの悲惨さ(woes)からわかるように,リチウムイオン電池は発火しやすい。
潜水艦でのバッテリー火災は,致命的(lethal)事故に直結する。 最近,ロシアの14人のエリート潜水艦乗組員が潜水艦のバッテリー室での火災により命を落とした。

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それらは昔から使われている安全な鉛蓄電池だった。日本は,リチウムイオン電池を海に送り出すのに十分安全を確保する方法を開発したのに違いない。

 

「そうりゅう」級の最初の10隻の潜水艦は,世界の他のほぼすべての潜水艦と同様に,伝統的なヘビー・デューティー・バッテリーを装備していた。原子力潜水艦でさえ,バックアップとして鉛蓄電池のバンクを持っている。


しかし,日本の潜水艦には 非大気依存推進(AIPAir-Independent Power)システムも装備している。

 

これは,クローズド・サイクルの「スターリング」(Stirling)ディーゼル・エンジンを使用して,潜水艦が潜水している間にプロペラを回すための電気を生成する。

これは,潜水艦が浮上することなく,より長くパトロールできるように,ステルス性が維持されることを意味する。

 

AIPはそれ自体が最先端の(cutting edge)技術であると見なされており,日本はリチウムイオン電池で 更にこれを超えたと言われる。

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また,韓国も,将来の潜水艦にリチウムイオン電池を採用する計画を持っているようだ。

彼らの最新の張保皐(Jangbogo-IIIクラスのボートは,すでに世界で最もよく武装された非核潜水艦の1つである。


日本の次世代の‘29SS潜水艦は,AIPを完全に放棄し,リチウムイオン電池の大規模なバンクに依存することになる。


AIP
に対する純粋なリチウムイオン電池の利点は力量である:これまで,AIPは潜水艦を水中で全速力で推進するのに十分な電力を供給していなかった。

とにかく,この潜水艦はバッテリーに頼っている。また,AIPはバッテリーを充電するのに十分なほど強力ではないため,そのためには昔ながらのディーゼル発電機が必要である。

 

さらに,AIPシステムを稼働させるには,通常は液体酸素と水素の危険な物質が必要である。
そのため,AIPは潜水艦のステルス性,その主要な特性を向上させるが,サイズのコスト,複雑さ,およびメンテナンスを犠牲にする。

 

AIP潜水艦には依然としてディーゼル発電機が必要であり,更にバッテリーの大規模なバンクが必要である。ほとんどの海軍はトレードオフ価値があると考えており,リチウムイオン電池はこの方程式を変えることを約束する。


より良いバッテリーを搭載することで,AIPの必要性がなくなり,潜水艦の小型化と保守が容易になる。

 

(転載了)
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今年の 3月には リチウムイオン電池を搭載した一番艦(そうりゅう級 11番艦)が就役します。
いまだに リチウムイオン電池製品の航空機預け荷物には制限があるようですが,潜水艦に使用するのは 確固たる自信があるのでしょう。
飛行中の機内貨物室での発火と同様に 潜水中の発火は万全を期して避けなければなりません。

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