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2020年2月 4日 (火)

英国のEU離脱の目的 あるいは メリットは?

英国が1月31日 23時(GMT)に EUを離脱しました。
離脱にによる 心配事は 報道されますが,そもそも何故,離脱したのか,離脱しなければならなかったのか,恥ずかしながら 明確にまとめて聞いたことも 読んだこともありません。

そこで 海外発の発表を探して かなりまとまった報告書として オーストリアの「ミーゼス研究所」(Mises Institute)の発表したものを読んでみました。
発表時期は まだメイ首相在任中の 2019年2月22日です。


下記,拙訳・転載します。

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The Benefits of Brexit 「Brexit の利益」

2016年623日,英国の有権者(electorate)は51.9% 48.1% の票差で,英国がEU 欧州連合を去ることに賛成した。

この国民投票(referendum)は,2016116日のドナルド・トランプ大統領の選挙当選に先行する最大の政治的地震の1つだった。

離脱の理由は,疑問の多い移民政策,英国自身の問題を細かく管理するブリュッセルに対する懸念,EUにとどまることが英国の最高の経済的利益(the best economic interests)であるかどうかなど,さまざまだった。 現在,テレサ・メイ首相の政府が329日の離脱実行日までにEUとの取り決めに到達できない場合,英国はEUを取決めなしに離脱することになる。

政治的および経済的自由化の観点から,‘Brexit’ には3つの利点(advantages)がある。

Decentralizing European Political Power
欧州の政治権力の分散化

EUはもともと,第二次世界大戦後の国家間の貿易障壁(trade barriers)を撤廃する関税同盟として始まった。これは、第二次世界大戦の勃発(igniting)に重要な影響を及ぼした1930年代の関税戦争環境(the tariff war climate)に対する論理的な回答だった。
残念ながら,EUの関税政策が統合された(consolidated)後,EUの職員は他のことを念頭に置いてしまった。
ロン・ポール(Ron Paul)が指摘しているように,腐敗と政治的野心はEUで最高のものとなり,「ブリュッセルの選挙で選ばれてない,いじめっ子(bully)政府になり,そこでは,有力なコネを持っているものが補償され,単なる市民の投票から絶縁された」。

EUは,ヨーロッパの繁栄をもたらしたもの,つまり国家間の管轄競争(jurisdictional competition)を本質的に覆した(subverted)。

ヨーロッパの連邦主義システムは,中国やオスマン帝国のような東洋の帝国とは明らかに対照的だった。
東の帝国は地理的に広い地域にまたがっていたため,政治秩序の外見(semblance)を維持するためには、大規模な官僚機構(bureaucratic apparatus)と厳格な(heavy-hande)ルールが必要だった。

そのため,ヨーロッパは豊かになったが,後者の帝国は19世紀まで停滞し(stagnant),圧制的になった。
しかし,ヨーロッパは,成功した連邦主義モデルを急速に放棄し,「ブリュッセルの中央集権的な(centralized)政治,経済,および金融の超大国」に置き換えられた。

実際,英国の欧州連合からの離脱は,金持ちになる計画ではない。国家主権(national sovereignty)の核心(crux)にあるのは,国が破綻する権利である。

元欧州議会議員のダニエル・ハナン(Daniel Hannan)は,オーストリア経済学センター(the Austrian Economics Center)とのインタビューで核心をついた(hit the nail on the head)。
自由には失敗する自由が含まれる。我々はシンガポールになることができるし,ベネズエラになることもできる,もしくはこの2つの中間のどこかになることができる。それは我々の決定である。
それは選挙民としての責任において偉大なことである。私は,世論の影響を受けない公務員が何を選ぶかを許すかを教えてくれる国に住むよりも,人々が間違いを犯すことに自由な国に住みたいと思う。

Escaping Illiberal Values
自由のない価値観からの回避

EUが不承認を伴う地方分権化(decentralization)などの概念を評価するのは秘密ではない。
EUのような「進歩的な」(progressive)機関にとって,限られた政府と小さな政治ユニットが大きなユニットをチェックするという古典的なリベラルな概念は,その普遍主義的(universalist)ビジョンの実現を妨げる有毒な障害(toxic roadblocks)である。

一方,イギリス諸島は歴史的に,連邦主義(federalism),言論の自由,財産権などの古典的自由主義の慣行の発祥地(cradle)だった。

最近の進展は,EUが基本的な市民の自由を放棄する(discarding)ことに躍起になっている(hell-bent)ことを示している。
まず第一に,欧州人権裁判所(the European Court of Human Rights)は,特定の聖職者(religious figures)について不穏当な(unsavory)発言をしたことで人々を清算し,起訴してきた。

物議をかもしているオランダの政治家,ヘルト・ウィルダース(Geert Wilders)は法廷に引きずり出され,「2006年から2008年の間にメディアで,そして物議を醸す17分間の映画で,反イスラム的発言に対する差別的発言と差別」で5つの罪状で起訴された。
ウイルダースの場合,彼はすべての容疑で無罪となった(acquitted)。

同様に,EU著作権指令(Copyright Directive)の第13条は,その反自由な言論への影響により懸念を表明している。
EU著作権指令のこの規定はミーム(memes)の存在を脅かすと主張する人もいる。
「ミームキラー」とラベル付けされた第13条は,「ライセンスがない限り,プラットフォームにアップロードされた著作権で保護された素材(曲,画像,ビデオ)を自動的にフィルタリングすることを 最大手のインターネット企業(web giants)」に義務付けている(mandate)。
13条では,ミームを含む著作権で保護された素材とコンテンツを共有する機能が危険にさらされる(in jeopardy)可能性がある。

表現の自由は,数世代にわたって受け継がれ,オーストラリア,カナダ,米国の,英国の旧植民地に移植されたアングロサクソンの伝統の一部である。
言論の自由などの大切な市民の自由を維持するためには,EUを離れることは英国にとって賢明な動き(wise move)である。

Increased Free Trade
自由貿易の増加

有権者が ‘Brexit’ に賛成票を投じたため,エリートとメディアのコメンテーターの間で最後の審判の日(doomsday)の話が一般的だった。
多くの人が,EUを離れることは英国の貿易にとって大参事(disaster)になると主張している。しかし,調査によると,EUが英国にとって次第に貿易の優先度を下げつつあることを示している。

2017年,英国の商品およびサービスの輸出の約44%EU加盟国に向けられた。これは,総輸出額6,160億ポンドのうちの 約2,740億ポンドである。さらに,総経済生産高の伸びにもかかわらず,世界経済におけるEUのシェアは縮小している。すなわち,他の世界経済は EUの経済よりも速く成長している。

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これは,最近,英国がEU以外の国との貿易を大幅に高速化した理由の一部を説明できる。
地理的条件を考慮すると,英国は EU管轄地域(bailiwick)以外の多くの他の国々と取引するのに最適な位置にある。

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テレサ・メイがEUとのEU離脱の合意に至らなかったとしても,より大胆な代替案である純粋な自由貿易を検討すべきである。
これは,EU諸国およびその他の国からの関税と輸入割当品(import quotas goods)がゼロであることを意味する。

このような自由貿易の環境では,英国は,オーストラリア,カナダ,ニュージーランド,シンガポールなど,共通の文化,言語,法制度を共有する英連邦(the Commonwealth of Nations)のメンバーと貿易協定を再交渉することができる。

自由貿易はそれらの連邦(bonds)を強化するだけである。 親EUpro-EU)の民衆からの心配(hand-wringing)にもかかわらず,英国にはEUの管轄外で繁栄する機会が多くある。

(転載了)
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離脱反対の意見は理解していたつもりでしたが,離脱の理由を読むと これも納得できるものでした。
国民投票で 僅差だった理由がわかります。
そして 英国のプライドが垣間見えます。

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