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2020年3月29日 (日)

日本の新型コロナウイルス感染状況に関する N.Y.Times の伝え方。

The New York Times’ ,March 26,2020付けの,見出し “Japan’s Virus Success Has Puzzled the World. Is Its Luck Running Out?” (日本のウイルス(対策)成功は世界を当惑させた。その運が尽きようとしているのか?)の記事に日本の状態に関する記事がありました。

外から日本がどう見えているのか,読んでみました。

以下,拙訳・転載します。

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日本は広範囲には感染テストを実施してない。人々は,以前に集団発生があったクラブでひしめき合ったりさえして,生活をしている。 しかし,今,日本は蔓延する感染(rampant infection)の危険性を警告している。

東京発 — 喉が少し痛かった30代の看護師が,日本の3番目に大きな都市である大阪にバスで行き,ミュージック・クラブでのポップバンドによる週末のパフォーマンスに参加したとき,日本でのコロナウイルスの感染が確認されたのはわずか数十人だった。2週間も経たないうちに,彼女はウイルスに陽性反応を示し,当局はクラブにいた他の人々に迅速に警告した。市内の他の3つの音楽会場から 急激に感染が増えたため,当局者はコンサート参加者とその密接な関係をテストし,他の人には家にいるように促した。全部で,106件のケースがこれらクラブに関連しており,9人がまだ入院している。

しかし,看護師が陽性反応を示してから1ヶ月も経たないうちに,大阪府知事は集団発生(outbreak)を宣言した。1月中旬に日本で最初のコロナウイルスの症例が確認されて以来,保健当局はウイルスが暴走するのを防ぐために迅速に動いたことが国民を安心させてきた。しかし同時に,日本は,イタリアやニューヨークなどのように厳しく動きを規制することもなく,経済的に壊滅的な封鎖や広範囲にわたる検査さえ実施していないことに,日本は世界の疫学者を困惑させてきた。

困惑は いくらか明確になりそうである。加藤勝信 厚生労働大臣は木曜日,安倍晋三首相に日本が現在蔓延している感染症の高いリスクにある証拠があることを知らせたと述べた。水曜日の夜,日本と国際オリンピック委員会がコロナウイルスのパンデミックのために東京夏季大会(the Tokyo Summer Games)を1年延期することに合意した翌日,小池百合子東京都知事は都民に, 1,400万人近くの都市が「感染爆発の可能性の前の危機的段階」(critical phase before a possible infection explosion)にあると警告した。

今週,東京での感染数が急増し,海外から旅行者が戻ってきた木曜日の47症例の発表を含め,4日連続で感染数が上昇が記録された。ウイルス感染のテスト数が限られているため,さらに多くのウイルス感染が検出されてない恐れがある。小池知事は,東京の人々に家で働き,不必要な外出を避け,週末の間,家にいるように勧告した(implorede)。木曜日には,近隣の4つの県の知事も,緊急の必要以外の目的で週末に外出することを住民に控えるよう要求した。「今,何もせずにいると,状況はさらに悪化するでしょう」と小池知事は 「皆様のご協力をお願いいたします。」と語った。

これまでのところ国民はそのような警告を真剣に受けとってない。

学校は1ヶ月間閉鎖され,政府は大規模なスポーツや文化イベントの中止または延期を要求したが,その他の生活は通常に戻っていた。人々は混雑した地下鉄に乗り,桜を眺めるために公園に集まり,買い物し,飲酒し,食事をし,日本の比較的少数の確認されたコロナウイルスの感染数と死亡者数によって安心してきた(comforted)。

今月初めに感染が発生した,大阪のクラブの1つでも、水曜日に少年バンドのパフォーマンスに参加した40人の若い女性のグループが,換気のない小さなスペースで2時間近くジャンプして手を振っていた。

世界の他の地域が,病院のオーバー・フローおよび死亡の感染スパイラルに陥る中,約12700万人の国である日本は,人口が高齢化しているにもかかわらず,世界で最も遅い進行の死亡率で,1300人の感染者と45人の死者しか報告されてない。

「それは彼らが何か正しいことをしたか-」とワシントン大学メタセンター(MetaCenter)のパンデミック対策とグローバル・ヘルス・セキュリティの共同ディレクターであるピーター・ラビノウィッツ博士(Dr.Peter Rabinowitz)は述べた,「あるいは,彼らは何かをしなかったのか,現在では何とも言えない。」日本は感染の封じ込め(infection containment)の偉業(feat)を成功させているように見えるので、パンデミックが始まったアジアの他の国々とは興味深い対照を示している。中国がそうであったように,日本は都市を封鎖(lockdown)しなかった。 シンガポールを含む,増加しつつある国々のように,現代の監視技術(surveillance technology)を日本は配備してない。また,韓国で病気が蔓延する前に人々を隔離して治療するのに役立つ種類の大規模な(wholesale)検査を採用しなかった。

日本の人口の半分以下の人口の韓国は,365,000人近くの人々に対してテストを実施したが,日本は約25,000人しかテストしてない。 現在,日本には1日に約7,500回のテストを実施する能力があるが,1日の平均は1,200から1,300程度である。国立公衆衛生研究所(the National Institute of Public Health)の健康危機管理部門の部長である斉藤智也博士は,限られた検査は意図的なものであると述べた。

検査を受けた患者は,通常,24日間,発熱やその他の症状を経験した後にテストされ医師が診る。日本の現在の方針は,病院で陽性と判定された人は誰でも入院することであり,そのため,当局者は,重症度の低いケースでは医療リソースの消費を避けたいと考えている。斎藤博士は,感染に対する日本の見かけの抵抗力の一部は,頻繁にする手洗いや握手をする代わりにお辞儀をするなどを含む,文化における一般的な対策から生じている可能性があると述べた。人々はまた,電車や公共スペースでマスクを着用することがはるかに多い。「それは一種の社会距離戦略(social distancing)だ。」と斉藤博士は語った。

しかし,コロンビア大学の疫学者(epidemiologist)であり,中国からのデータに基づいてコロナウイルスの確認された感染毎に510件の未検出の症例を予測した報告の筆頭著者であるジェフリー・シャーマン(Jeffrey Shaman)は、日本のアプローチは「ギャンブル」であると述べた。リスクは,少し手遅れになるまでは,認識できない表面下で物事が進行している可能性があることである。」とシャーマン博士は述べた。

大阪では,今月の厚生労働省のために作成された報告書では,4月上旬までに,市は3,400件近くの感染症を抱える可能性があり,そのうち227件が深刻なものになると予測した。「重症患者への医療処置が困難になる可能性がある」と報告書は述べた。

大阪の吉村洋文知事は水曜日,最も重篤な感染症の患者を収容できる病院の隔離病棟に600床の追加確保に取り組んでいると語った。大阪のりんくう総合医療センター感染症部長の倭(やまと)正也博士は,重症患者の病床を確保するために,症状の軽いコロナウイルス患者が自宅に留まることができるモデルに向かっていると語った。東京では,深刻な感染症の患者を治療するために指定された病床数はわずか100床である。 水曜日に、市当局はさらに600床を確保することを約束した。倭氏は,今週末期間中は自宅にいるようにーという知事の要求は弱すぎて危機を先延ばしにすることはできないかもしれないと語った。「安倍首相が 決定的に東京での封鎖を宣言した方がよい」と倭博士は述べた。 「経済的影響が最優先事項であってはならない。東京は2週間から3週間,ロックダウンすべきと思う。 そうでなければ,東京の医療システムが崩壊する可能性がある。」

安倍政権は今月初め,緊急事態(state of emergency)を宣言する必要があるかどうかを決定するためのタスクフォースを任命した。現在のところ,国民は大きくは動いていない。東京の一部の食料品店の棚は,知事の要請により水曜日の夜に片付けられたが,木曜日は平常通りの営業だったた。

東京中心部の新橋駅近くで,黒のスーツを着た男性が500円(約4.50ドル)のあげそばランチスペシャルを提供するレストランのカウンターで肘と肘が肘を突き合わせてて座っていた。マクドナルドの外に長い列ができており,駅の入口近くに喫煙者が狭い囲い(small pen)の中で込み合っていた。東京西部の新宿御苑では,桜の開花がピークに近づいており,入り口の看板から,ウイルス対策の一環として,ピクニック・ブランケットやアルコール類が禁止されていることがわかった。メガホンを持った警備員が,花の写真を撮っていた人々のグループを巡回して,手を洗うよう警告していた。

公園からさほど遠くない店で,原口和久さん(36)は,‘Nike Air Max’ スニーカーの限定版を購入する機会を得るために長い列に並んでいた。原口氏は,欧米でのウイルスの蔓延については心配していたが,日本の状況についてはそれほど心配していないと語った。「ウィルスは恐ろしいことだが,現時点ではそれほど深刻には感じてない。」と彼は言った。「私が死ぬなら,せめてスニーカーと共に死ぬことになろう。」

(転載了)
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地味ではありますが,日本人に染みついた清潔さを好む,あるいは保つ行動が 感染者数,死者数で他国との差を生んでいるのかも知れません。

因みに 厚生労働省発表の感染者,死者数の Official値(As of 3月27日 12:00)はウェブ・サイトで確認できます。

Status-of-japan

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