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2020年4月11日 (土)

今更だが,10年前の “Take Ivy” の Book Review

10年前の2010年8月,米国の出版社(powerHouse Books,NY)から1冊の本が出版されました。
1965年に 婦人画報社から出版された写真集 “TAKE IVY” の英語版で,45年を経た復刻版です。

出版1年前の2009年6月17日に,‘The New York Times’ の ‘Fashion & Style’ 欄に,“The All-American Back From Japan” というタイトルの記事が掲載されました。
「“TAKE IVY” は アメリカでは常に希少で,ファッション関係者の貴重品(treasure)として eBayや 古本屋で 1,000ドル以上の値が付いている。」とありました。この記事がきっかけで 更に値段が上がり,アメリカでの re-print に繋がった,ということでしょう(か?)。

2010年7月23日,出版前に またしても ‘The New York Times’ の Fashion & StyleThe Look(新書紹介?)で “TAKE IVY” が取り上げられていました。ここでは 「・・・online で 数千ドルで “TAKE IVY” が取引されていた。・・・ 来週からは 誰でも 24.95ドルで “TAKE IVY”の odd influence(何と訳すべきか?) を経験できるようになり ・・・」などとありました

GENTLEMAN’S GAZETTE’ ウェブサイトの 10年前 September 3, 2010 にも,出版されて すぐの “Book review: Take Ivy” の書評記事がありました。

下記,拙訳し 転載します。

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Introduction
イントロダクション

つい最近,831日の時点で,“Take Ivy”という本を再び手にすることができるようになると述べた…
 出版社の “powerhousebooks” は,親切にも 発売前に本を送ってくれた。

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もともとこの本は,1965年に,著者である石津 祥介,くろす としゆき,長谷川 元,写真家 林田 昭慶が米国東海岸を訪れた後に執筆された。彼らは,アイビーリーグの8つの大学(ハーバード大学,イエール大学,プリンストン大学,ペンシルベニア大学,コロンビア大学,ダートマス大学,ブラウン大学,
コーネルル大学)の学生のライフスタイルのポートレートを撮影することを意図していた。

この本は日本語でのみ発行されたが,コレクターとプレッピー・スタイルの愛好家は,この本のコピーに過大な(excessive)金額(時には最大2000ドル)を払うことをいとわなかった。明らかに,供給よりもはるかに多くの需要があった。多くのブロガーとNYタイムズが “Take Ivy” について書いた後,1965年版の著作権所有者である「アシェット・コレクションズ・ジャパン」(Hachette Japan)の承認を得た後,“powerhousebooks” はそれを再発行することを決定した。

最終的に,本を再発行する(reissue)だけでなく,できる限り正確に複製することが決定された。彼らは1965年版と同じ紙,製本,ブックカバー(dustcover)などを使った。唯一の例外は,本を日本語から英語に翻訳して,世界中のアングロ・プレップ・スタイル(anglo-Prep Style)のファン(enthusiast)が “Take Ivy” を楽しめるようにすることだった。

Contents
コンテンツ

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本は4つの主要な章に分かれている:カレッジ・ライフ,カレッジ・ファッション,「アイビー」の要素(Elements of “Ivy)そして “Take Ivy”である。最初の3つの章は大きな写真と簡単な説明で主に占められているが,4番目の章はより多くの文章といくつかの写真のみを掲載している。
最初の章では,学生がどのように生活し,学び,自転車に乗り,あるいは洗濯店まで歩くかを示して,日常の学生生活に主に焦点を当てている。
第2章では,衣服の習慣とスタイルをより詳しく分析している。興味深いことに,45年前のアイビーリーグの学生は,教会に行く日曜日にのみ タイとジャケットを着ており,残りのウィークデイは,よりカジュアルな服を着ることを好んだ。そのほかにも,いくつかの注目に値する(noteworthy)衣服の組み合わせが見られる-すなわち,ジャケットとローファーに合わせたマドラス・ショーツ。

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第3章では,著者は周囲の建築,音楽,服飾品(haberdasheries)…を示して,アイビー・スタイルの要素を探っている。
最後の章は,アイビーリーグ大学の歴史の簡単な概要で始まり,その伝統,スポーツ,乗り物,衣服の説明が続く。

不思議なことに,128ページと129ページでは,理想的なアイビーリーグのドレスチャートのようなものが見つかる:学生が必要とする衣服の色,パターン,数量を正確に示している。学生は2着のスーツと2着のスポーツコートが必要で,1着はネービーのブレザーでなければならない。セーターは特に「シェットランドウール,ラムズウール,キャメル,モヘア」素材が必要で,スポーツシャツはストライプまたはマドラス柄を備えている必要がある…など。

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次の2ページには,イエール・ドレスコードの20条が掲載されている - 最も重要なのは,「日常着の綿のソックスもピンクまたはブルーであること」。

Conclusion
結論

私の意見では,この本は,アイビーリーグのスタイルに関する興味深い写真と面白い情報(entertaining information)を提供している。

画質は1965年の品質と変わらないことを覚えておくこと - すでに述べたように,これは1965年版の正確な複製である。現在Amazon14.49ドルであることを考えると,コピーを購入すること,自分で判断するのが間違いだと気付くのは間違いない。

(転載了)
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006_20200331130601日本語の初版が発行された1965年,私は高校2年で 制服の他は何を着ていたか,記憶にもない生活をしていたので 買っていません。
その後,1973年と2006年に復刻版が出ましたが,生活に余裕がなく(?)買いませんでした。

この2010年の英語版が出版されたことは,N.Y.Times の記事を参照して 日本の新聞で紹介されたので知っており,たまたま 2011年,東京出張時に銀座のセレクトショップに入った折り,積んでいるのに気が付いて購入しました。

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