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2020年4月19日 (日)

新型コロナウイルスが 武漢のウイルス研究所から流出したとする証拠は?

新型コロナウイルス流行の発端・中心地となった中国・武漢(Wuhan)のはずれの山沿いに位置する「武漢ウイルス研究所(WIVWuhan Institute of Virology)」,厳重な警備下に置かれたこの施設が新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の発生源だった可能性があるとの疑惑が今,米国で取り沙汰されています。

この件に関し,例えば ‘BBC NEWS’ は,Apr. 16, 2020 付けで “Coronavirus: Is there any evidence for lab release theory”(コロナウイルス:実験室流出理論の証拠はあるのか?)の見出しで報じています。

以下,拙訳・転載します。

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米国国務省公電(cables)は,大使館職員が中国の武漢にあるウイルス研究所でのバイオセキュリティについて心配していたと表明している。この研究所はコロナウイルスの発生が最初に世界の注目を集めたのと同じ都市にある。そしてドナルド・トランプ大統領は,米国政府はウイルスが実験室から流出した(escaped)という未検証の報告(unverified reports)を調査していると述べた。そして,もし何かあれば,これは現在の,我々のパンデミックの理解に何かを追加することになるのだろうか?

What do the cables say?
公電は何と言っているのか?

ワシントンポスト紙は 外交公電(diplomatic cables)から得られた情報を報告した。彼らは,2018年に,米国の科学外交官達が中国の研究施設への繰り返し訪問に派遣されたことを報じている。担当官は研究室での不十分な(inadequate)安全性についてワシントンに 2つの警告を送った。新聞コラムによると,担当官は武漢ウイルス学研究所(WIVthe Wuhan Institute of Virology)の安全性と管理の弱点に対して懸念を示し,さらなる支援を求めた。

それはまた外交官がコウモリ・コロナウイルス(bat coronaviruses)に関する研究室の研究が 新たなサーズのようなパンデミックの危険にさらす可能性があることを心配したと主張している。同紙によると,公電は,WIVと武漢の別の研究所のどちらが現在のパンデミックの背後にあるウイルスの原因であったのかについて,米国政府における最近の議論に火をつけた。

さらに,フォックス・ニュースは,研究室の起源理論を助長させるレポートも発行している。

アウトブレイクは昨年の暮れ,武漢の食品市場に関連した事件として発覚した(came to light)。しかし,オンラインでの憶測(speculation)が広がっている(rampant)にもかかわらず,Sars-CoV-2ウイルス(Covid-19原因となる)がラボから誤って(accidentally)流出された(released),如何なる証拠もない。

What kind of security measures do labs use?
ラボではどのようなセキュリティ対策を適用しているのか?

ウイルスとバクテリアを研究する研究所は,‘Biosafety Level’の略であるBSL標準と呼ばれるシステムに従っている。研究されている生物学的作用物質(biological agents)の種類と,それらを分離する(isolate)ために必要な封じ込め予防策(containment precautions)に応じて4つのレベルがある。バイオセーフティ・レベル1BSL-1)は最も低く,人間に脅威を与えない名の知れた生物学的物質を研究している研究室で使用されている。

封じ込めのための予防措置は,最高レベルのバイオセーフティ・レベル4BSL-4)に到達するまでのレベルを超え,利用可能なワクチンや治療法がほとんどない最も危険な病原体(pathogens)-(エボラ,マールブルグ・ウイルス(Marburg virus),および - 米国とロシアのたった2つの研究所における-天然痘(smallpox))を扱うラボに適用される。
BSL標準は国際的に適用されているが,いくつかの表面的な(cosmetic)バリエーションがある。

「例えば,ロシアでは 最高の封じ込め実験室(highest containment labs)を1とラベル付けし,最低の封じ込め実験室を4とラベル付けしているので,標準とは正反対だが,実際の慣行とインフラ要件は類似している」と,バイオセキュリティの専門家である,キングス・カレッジ・ロンドンのフィリッパ・レンツォス(Filippa Lentzos)博士は述べている。

しかし,世界保健機関(WHO)はさまざまなレベルのマニュアルを発行しているが,その基準はいかなる条約によっても強制されていない。「それらは,安全に作業するため,自分自身や自分のコミュニティに感染させたくない実験室の作業者のため,そして偶発的な流出を避けるための環境のために開発された」とレンツォス博士は言う。しかし、彼女はさらに付け加える。「 『非難(stick)』 は収支(purse strings)に関係する。」国際的なパートナーとプロジェクトを行う場合は,ラボが一定の基準で稼働している必要がある。または,市場で販売する製品がある場合,または特定のサービスを実行する場合,テストは,国際標準に準拠して実施する必要がある。」

実際,WIVはアメリカの研究機関からの支援とともに,アメリカから資金を受け取った。 公電は,さらに援助を与えることを推奨していた。

What kinds of security failures were the cables describing?
公電はどのような種類のセキュリティ障害を示していたか?

簡単に答えれば,ワシントンポストから提供された情報からはわからないということ。 しかし,一般的に言えば,生物学的物質を扱う研究室で安全対策が破られる方法はいくつかある。レンツォス博士によると 次のものを含む:「誰が研究室にアクセスできるか,科学者と技術者のトレーニングと再トレーニング,記録保持の手順,標識,病原菌(pathogens)の在庫リスト,事故通知の実施手順,緊急手順」など。

しかし,外交公電で懸念が表明されたのはどれほど異常なことだろうか?

事故は起きる。2014年,忘れ去られた天然痘の小瓶(vials)がワシントン近くの研究センターの段ボール箱で発見された。
2015年,米軍は死んだ細菌胞子(spores)の代わりに炭疽菌の生サンプル(live anthrax samples)を誤って 国内の9つの研究所と韓国の軍事基地に輸送した。

BSLスケールの下端にある多数のラボでは,安全基準にばらつきがあり,多くの違反はニュースにならない。ただし,BSL-4に指定されているラボは比較的少数である。ウィキペディアのリストには 世界中で50を超えていて,そのうちのWIVはその1つであるが,オーソライズされたリストはない。
それらは科学的に知られている最も危険な病原体を取り扱うため,非常に高い仕様に構築する必要がある。その結果,彼らは一般的に 健全な安全の記録を持っている。

したがって,これらの施設の1つにおける手順に関する懸念は,注目に値する(noteworthy)以上のものである。

(転載了)
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中国が自らの失敗を公表することはあり得ないので,中国を非難するのは難しそうです。
更に,現在の WHO,特に 今の,中国寄りのアフリカ諸国の中でも最も中国に近いといわれるエチオピアの出身で,中国に頭が上がらない,中国のご機嫌取りに終始する事務局長では 公正な調査実施は期待できそうにありません。中国に不利な言動をとったときの,中国から母国への(経済的)報復は充分心得ている方と思えます。
そうなると,米国の,WHOへの拠出金停止の気持ちが分らないではありません。

virus の “release” を「流出」と訳しましたが,何と訳するのが適当か,よく分りませんでした。

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