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2020年5月19日 (火)

台湾の人々の中国と米国の見方 。

台湾の人々が どのように中国を見ているか,米国と比較してどうか,自分自身をどう捉えているのかを ‘Pew Research Center’ の May 12, 2020付け,“In Taiwan, Views of Mainland China Mostly Negative” (台湾における 中国の見方はほとんど否定的)という見出しで調査結果を掲載していました。

下記,拙訳・転載します。

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Closer Taiwan-U.S. relations largely welcomed, especially economically
台湾と米国の親密な関係は,大きく歓迎される,特に経済面で

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 昨年秋,アメリカ合衆国上院が全会一致で(unanimously),台湾の世界的な地位と他の国との外交的関係に対する米国のサポートを強化することを目的とした法律である台北法(TAIPEI Act)の第1ラウンドを通過させたため,ピュー・リサーチ・センターの調査によれば,台湾の国民は,米国との,より緊密な経済的および政治的関係を圧倒的に(overwhelmingly)支持した。

ほぼ21の差で,台湾の人々は米国本土を 中国本土よりも好意的に評価している。ワシントンとの経済的および政治的関係の増大に対して幅広い支持がある。中国本土との同様の関係への熱意ははるかに落ち着いている。それでも,人々がより緊密な政治関係について懐疑的(skeptical)であるとしても,半分は中国本土とのより緊密な経済的関係を受け入れるだろう。

若い人々は,特に,米国との緊密な関係を支持し,中国との密接な関係を望んでいない。この報告の一部は 政治的,国家的アイデンティティーに関係している。台湾の国民的アイデンティティーは中国のアイデンティティーとは別であると主張する台湾の現(incumbent)民主進歩党(DPPDemocratic Progressive Party)に同調する人々は,北京よりも米国との関係の強化に対する支持を示している。

2000年より前に数十年間台湾を統治し,中国本土との,より緊密な関係を支持する野党である国民党(KMTKuomintang)の支持者は,中国本土を支持する。台湾の多くの人は,いずれの主要な政党にも特に近づいているとは感じておらず,このグループの中では米国に対する前向きな感情は,中国本土に対する好意的な態度よりもはるかに強い。

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台湾人であるとだけ認める人々の間では,本土についての熱意はほとんどない。このグループの中で,米国への好ましい見方をするのは,中国本土に対するものの3倍である(75%23%)。しかし,中国人と台湾人の両方と自ら認める人々の間では,多数派は米国と中国本土の両方に対して好ましい見解を持っている。

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台湾の若年成人は,より年長の同胞(counterparts)と比べると,本土との関係よりも米国との経済関係を好む傾向があり,米国とのより緊密な関係になることに関して,より協力的である。

例えば,各年齢グループの概ね 10人中8人,もしくはそれ以上が 経済における米国 - 台湾の結びつきを歓迎している。18歳から29歳の約10人中4人のみが,中国本土とのより密接な経済的関係を支持しており,50歳以上の55%と同じ見解である。若い人々においては,米中 それぞれとの経済的関係の支持に50パーセント・ポイントの差がある。米国と中国本土との政治的関係にも同様のパターンがみられる。

これらは,DPPの蔡 英文(ツァイ・イングウェン,Tsai Ing-wen)が大統領に再選された台湾総選挙の前,20191016日から1130日まで台湾で行われた1,562人の成人に対するピュー・リサーチ・センターの調査の主要な調査結果の1つである。フィールドワークはまた,コロナウイルスの世界的大流行の発生に先立つものであり,さらに,この分析には,2019518日から102日までアジア太平洋地域6ヶ国の成人7,778人を対象に実施された,ピュー・リサーチ・センターの2019年春の世界意識調査の結果が含まれている。

While many in Taiwan welcome greater economic relations with Beijing, few support closer political ties with mainland China
台湾の多くは北京とのより大きな経済関係を歓迎しているが,中国本土との,より緊密な政治的関係を支持する人は少ない

004h 台湾では,中国本土に関して否定的な見方をする傾向がある。大人の35%だけが中国本土に肯定的な評価を与えているが,約10人に6人は好ましくないとの見解を持っている。それでも,金融関係に関しては,約半分が本土とのより緊密な経済関係を支持していると述べており,44%がこの考えに反対している。

より緊密な政治関係の展望(prospects)はあまり人気がない。約3分の136%)が北京とのより緊密なコラボレーションを支持しているが,約10分の6が反対している。これらの意見の一部は,党派的同一性,年齢,自身を台湾人としてのみ認識しているかどうかに関係している。

民主進歩党(DPP)に最も近いと感じている人々- 強い独立支援スタンスをとる台湾のリベラルな与党- は,台湾の,より保守的で,中国本土との友好関係の擁護者である野党である国民党(KMT)に偏っている人々よりもはるかに肯定的な見方をしていない。実際,KMTに最も一致する人々は,DPPに最も近いと感じる人々の4倍以上の割合で,中国本土に対して好意的な意見を持っている。

いずれの政党にも強い関係がないと感じていると報告している人々のうち,36%だけが中国本土への好意的な見解を持っている。主に台湾人だと感じる人の23%だけが中国本土に好意的な見方をしているが,自分を中国人でも台湾人でもある考える人の大多数(57%)がこのように感じている。50歳未満の人々は,中国本土についてはあまり好意的ではなく,男性や教育水準の低い人々と同様である。

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中国本土との密接な関係に関しては,年齢,国民の意識(national identification),政党によって意見が異なる。 若い人(18歳から29歳)は,高齢者よりも経済的または政治的な結びつきを支持する可能性が低くなる。台湾人と中国人の両方と自分と見なす人は,台湾人だけを感じる人(37%)よりも,より緊密な経済関係のためにはるかに多くの支持(81%)を示す。一方,台北と北京の政治関係をより緊密にするという考え方の差は小さくなる(それぞれ62%対22%)。

支持政党も役割を果たしている:10人中8人以上のKMT支持者は,海峡越しの経済関係の緊密化について前向きに感じている,DPPの支持者の約4分の1しかこの感情を共有してない。どの政党にも親近感を感じない人の大多数は,台湾と本土の経済関係を強化するという考えを歓迎している。

KMT(伝統的に中国本土とのより緊密な関係を奨励してきた政党)に親近感を感じる人々の10人中7人は,台湾との政治的緊密な関係の計画を支持しているが,どの台湾の政党も好まない人の34%,DPP支持者のわずか12%しか 本土との政治的なつながりを望んでいない。

People in Taiwan give U.S. positive marks, support closer bilateral ties
台湾の人々は米国に肯定的なマークを与え,より緊密な二国間関係を支持する

006h 中国とは全く対照的に,米国は台湾の成人に非常に好意的に見られている。ほぼ7割は米国に対する好意的な見方を持っており,約3割は否定的な意見を持っているが,中国本土に対する見方よりもはるかにポジティブである。台湾では,中国よりも米国とのより緊密な経済的関係を支持している。完全に85%が米国と台湾の経済関係を支持しているが,11%だけはそうではない。台湾の人々は,より緊密な政治的関係について言えば,ワシントンとのより多くの取引の可能性を大いに歓迎しており,約8分の10がこの考えを支持している。

米国とのより緊密な経済的および政治的関係の支持は,台湾のほとんどの人口統計グループに広まっている。分析された各グループの約4分の3以上は,米国との経済関係の増大を支持している。

最大の相違は支持政党にあり,KMTに最も近いと感じる人は,DPP支持者よりも米国と台湾の経済取引を望んでいる可能性は低い。50歳未満の人や教育を受けている人は,50歳以上の人や教育を受けていない人よりも,経済関係を強化することについてより多く認めている。それでも,全年齢と全教育レベルでおよそ10人中8人以上は,より大きな経済的つながりを支持している。

自身を台湾人であると考える人は,自分が中国人であり台湾人でもあると考える人より,米国とのより強力な経済関係を望んでいると可能性が高い。

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同様に,台湾のほとんどの成人は,米国とのより緊密な政治的関係を歓迎する。

全体でほぼ10人中8人は,台北-ワシントンの政治的相互作用を支持しており,分析された各グループの少なくとも10人中7人以上は,より二国間の政治関係を支持すると述べている。これに対する最高の熱意は,DPPを支持する人々(91%),自身を台湾人とのみ意識する人(84%)と18歳から29歳(82%)にある。

Taiwan’s views of the U.S. and China compared with others in the Asia-Pacific
台湾人の,アジア太平洋地域の他の国々と比較した米国と中国に対する見方

008h 台湾における米国の見方は,2019年の別のピュー・リサーチ・センターの調査に含まれているアジア太平洋地域の6ヶ国の見方を反映している。フィリピン,韓国,台湾,日本では,7割以上が米国に対して好意的な態度を示している。

オーストラリア人はより緩和された見方をしているが,半分は依然として米国を肯定的に見ている。かなりの数の人々が意見を表明してないが,インドとインドネシアも好意的評価が勝っている。

台湾と同様に,日本,韓国,インド,インドネシアの若年成人は,米国に対し009h て より好意的な見方を持っている可能性が高い。

中国への世界的な見方はいくぶんか入り混じってはいるが,台湾を含むアジア太平洋の大部分の態度はより否定的な傾向がある。

台湾と同様に,フィリピン,インドネシア,オーストラリア,韓国の成人の約3分の1のみが中国に対して肯定的な意見を持っている。インド人の23%がこの見解を共有しているが,かなりの割合の人々がこの質問に答えていない。

010h 台湾のさまざまな年齢層が中国をどのように捉えているかは,アジアの他の地域のパターンとは正反対である。台湾では50歳以上の方が中国を好意的に見る可能性が高いが,オーストラリア,インドネシア,日本ではその逆である。これらの他のアジア太平洋地域では,高齢者が中国を好意的に見る可能性は低い。

011h 特に若い人は中国よりもアメリカに対して好意的な見方をする傾向がある。たとえば,18歳から29歳のほとんどの日本人(82%)は米国について肯定的な意見を持っているが,中国について肯定的なのは22%だけで,60ポイントの違いがあり,台湾の若者の間のこの差は43パーセントポイントである。

Most in Taiwan see themselves as Taiwanese
ほとんどの台湾の人々は 自らを台湾人とみなしている

中国内戦の終結から70年経って,台湾の成人の約3分の2が 自らを台湾人であると認識している。一方,約10人に3人(28%)は,台湾人と中国人の両方であると考えている。
質問は,回答者に,台湾人か,中国人か,またはその両方のいずれと自分を考えているかを尋ねている。わずか 4%が 自分を中国人だと思っている。

これらの調査結果は,台湾の人々が,台湾人と中国人の両方,または中国人だけと考えるのとは対照的に台湾人としてのみ識別する人が増えており,他の世論調査と一致している。台湾の成人はすべての世代で自らを台湾人と捉えているようである。

各世代の少なくとも10人中6人が台湾人のアイデンティティーを主張しているのに対し,約3分の1が混合または中国のみのアイデンティティーを保持している。それでも,18歳から29歳の人は,50歳以上の人よりも自分が台湾人であると見なす可能性が20%以上高くなっている。彼らはまた,自分自身を台湾人と中国人の両方と見なす可能性が最も高い年齢層の半分以下である。

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国民的アイデンティティーはさらに政治的所属に分かれている。

DPPに最も近いと感じる人は,自分を台湾人と見なす可能性が最も高い。政党に所属していない人のおよそ3分の2(どの政党にも親近感がない人)も,自らを台湾人であると見なす可能性が最も高く,約10分の3は,台湾人と中国人の両方であると考えている。KMTと同一視する人は,台湾人よりも台湾人と中国人の両方であると言う傾向がある。

それでも,このグループの約3分の1は台湾人としてのみ識別される。各政治グループの10人に1人程度は、自分を中国人だけと見なしている。

(転載了)
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考えていたより 中国支持者が多く存在するのに やや驚きましたが,まあ 健全といえるでしょう。

特に 自分のアイデンティティーに対する考え - 2/3 が「台湾人」,28%が 「台湾人 & 中国人」,4%が「中国人」-が印象的です。

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