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2020年5月15日 (金)

米国の「サイレント世代」とはー

米国の「ベビー・ブーマー世代」の上の世代を “Silent Generation”(「物言わぬ世代」あるいは 「沈黙の世代」,ここでは 素直に「サイレント世代」)と言います。決して 高齢になって 発言が少なくなったからではありません。
何故 そう言うのか,そして,いつ頃からそう言うのか,英文のWikipediaの “Silent Generation” を読んでみました。

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サイレント世代は,グレイテスト世代(Greatest Generation)の後,団塊世代の前の人口統計コホート(群)である。 コホート(群)は,1928年から1945年の間に生まれた個人として定義される。この名前は元々は 米国とカナダの人々に適用されていたが,西ヨーロッパ,オーストラリア,ニュージーランド,南アメリカの人々にも適用されている。

朝鮮戦争で戦った人々のほとんどが含まれている。米国では,1930年代の財政不安と1940年代初頭の戦争により,子供が減ったため,この世代の人口は比較的少なかった。

彼らは,公民権運動(the civil rights movement)の指導的地位を形成し,「沈黙の過半数」(silent majority)を構成すると指摘されている。

Terminology
用語

タイム誌は,1951115日の “The Younger Generation” というタイトルの記事で “Silent Generation”(沈黙の世代)という用語を最初に使用したが,この用語は出版の前にあったようである。

後にこの認められた「沈黙」が提案された理由は,マッカーシー時代(the McCarthy Era)の青年として,サイレント世代の多くのメンバーが発言するのは賢明ではないと感じていたからである。

このコホートは,フロリダ州立大学の人口社会学のチャールズ・B・ナム教授,エルウッド・D・カールソン博士により,2008年の本「ラッキー・フュー:グレイテスト世代とベビーブームの間」(The Lucky Few: Between the Greatest Generation and the Baby Boom)で「ラッキー・フュー」(Lucky Few)と名付けられた。

オーストラリアのマクリンドル研究所(McCrindle Research)は,ビルダー(Builders)という名前を使用して,1925年から1945年に生まれ,文字通り,隠喩的に(metaphorically)第二次世界大戦後の緊縮時代(the austerity years)の後に国家を築いた世代になるために,この世代のオーストラリア人のメンバーをビルダーと説明している。

Date and age range definitions
日付と年齢の範囲の定義

ピュー・リサーチ・センターでは,このコホート(群)の誕生年として1928年から1945年を使用している。この定義によれば,サイレント世代の最も古いメンバーは92歳で,最年少のメンバーは2020年に75歳になる。

決議財団(Resolution Foundation)は,「クロスカントリー:国際傾向の国際比較」というタイトルのレポートで,1926年から1945年をサイレント世代の生年として使用している。著者のウィリアム・シュトラウス(William Strauss)とニール・ハウ(Neil Howe)は,19251942を誕生年とする。

Characteristics
特性

サイレント世代は大恐慌(The Great Depression)の子供達だった。彼らの両親は,狂騒の20年代(the Roaring Twenties)の高揚感(highs)を楽しんでいたが,そのうち,大きな経済的困難に直面し,家族を養うために奮闘した。10代に届く前に,彼らは両親と第二次世界大戦の恐怖を,子供たちの目を通して共有した。
この世代の多くの人が,父親や年上の兄弟(siblings)を戦争で亡くした。

彼らはナチズムの崩壊と核爆弾の可能性がある破滅的な荒廃(the catastrophic devastation)を見た。サイレント世代が第二次世界大戦後に成人し始めたとき,彼らは,戦後の協定の裏切り(betrayal)とソビエト連邦の台頭を通じて,成人期の初期と共産主義の新しい敵を過ごすという破壊的な社会秩序(devastated social order)に直面した。

「システムを変える」ために戦ってきた前世代とは異なり,サイレント世代は「システム内で働く」ことを支持していた。彼らは頭を下げ,一生懸命働くことでこれを行い,「サイレント」ラベルを獲得した。 彼らの態度は,リスクを冒さずに安全にプレーする傾向があった。                                                                                           

フォーチュン誌の「カレッジ・クラス・オブ‘49」(College Class of ’49)に関する記事は,「チャンスはない」(Taking No Chances)と題されていた。

大恐慌時の子供時代の経験と,親からの質素であるようにという要求(insistence)から,彼らは倹約家で,ケチ(miserly)でさえある傾向がある。彼らは物の寿命を最大限に伸ばすことを好む,つまり「お金の価値が分かっている。」
これは,「無駄なことはしない」という口実(guise)で貯蓄(hoarding)につながることになる。

自分の両親と同じように,サイレント世代は 若くして結婚して子供を産む傾向があった。米国のサイレント世代は,米国で,最も若くして結婚し,家族を作ったと世代として知られている。
若い親として,この世代の若いメンバーは主にベビーブーマーを出産する一方,家族を作ることが遅かった年長のメンバーは,X世代を出産した。

前世代の目からは,離婚は究極の罪(ultimate sin)であると考えられていたのに対し,サイレント世代は,離婚を選択することによる汚名(stigma)を少なくするために結婚法を改革した世代だった。これは,その後,米国でのサイレント世代のカップル間の離婚の波をもたらした。

彼らは 出生コホート(群,cohort)として,統一された政治的実体(unified political entity)として抗議の声をあげたことはない。

「ルールに従う」ことはサイレント世代にとって 社会的な地位を得た(successful)ことが証明され,信じられないほど安定した富の創造につながったので,彼らのブーマー世代とX世代の子供たちは,正反対の(diametrically)反抗的な性質,声をあげて主張する(vocal)社会的関心により,サイレント世代には知られない経済的困難,異なる世代意識を生み出し,親世代から疎遠になる(estranged)ことが一般的だった。たとえば,ブーマー世代は若い頃,1960年代の反体制文化(Counterculture)をもたらし,左翼の隆盛,自由主義の見方は反体制(anti-establishment)と見なされ,サイレント世代が崇拝した(worshipped)「システム内での仕事」の方法論に直接反対するものだった。

X世代は1970年代から1980年代初めにかけて成長し,核戦争の脅威とその結果としての将来への見通しが鈍くなり,サイレント世代の両親の楽観的な見通しとは対照的に,世代的な不満を持つに至った。

サイレント世代とその前の世代に知られている子育てのスタイルは,1800年代後半に始まった。これを代表するのは,「子供は見られるべきであって,聞かれるべきではない」という考えだった。
これらの考え方は,ベンジャミン・スポック(Benjamin Spock)による1946年の 『スポック博士の育児書』(The Common Sense Book of Baby and Child Care)という本の出版によって,最終的に否定され,ブーマー世代が自分自身で親になったとき,それが育児と家族の価値観に対するいくつかの見方に影響を与えた

これらの対立する見解は,サイレント世代によって過度に寛容である(overly permissive)と見なされ,彼らの子供であるブーマー世代を両親からさらに遠ざけ,とりわけ,1960年代中頃に「世代間ギャップ」(Generation Gap)という用語を生み出した。これは,最初はサイレント世代とブーマー世代,その後 X世代間の文化的価値の対立を意味するもだった。

Generations
(転載了)
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1950年代前半の 「マッカーシズム」,「赤狩り」の時代に青年期(若成人期)を過ごした人々を中心とする世代のようです。時代によって特徴づけられた代表的世代と言えるでしょう。
尚,世代人口チャートにおいて,生まれた人数よりも 2020年人口が多い(ミレニアル世代,X世代)のは 移民でしょう。
この報告の中で,恥ずかしながら(?) “sibling” という単語を初めて知りました。
辞書にはー
sibling】 
   1.きょうだい,兄弟姉妹 ◆性別・出生順に関係なく,同じ両親(または片方の親)から生まれた兄,弟,姉,または妹を差す言葉。
      ◆【略】sib
       ・Do you have any siblings? : きょうだいはいますか?
   2. 《siblings》 きょうだいたち,兄弟姉妹たち
   3. 《siblings》《生物》同胞種

男女に関係なく,brother でもなく,sister でもない,あるいは両者を合わせた「きょうだい」です。
こんな便利な単語を 高校までに習った記憶がありません。
この “sibling” という単語が どのくらいの頻度で使われるかを調べると,米国のあらゆる分野で使われた単語 3万語(この3万語で,調査でつかんだ全30万語の97%)からなる「単語頻度統計」で 5,252番でした。これに対して “brother” は 1,048番,“sister” は 1,141番なので, “brother” や “sister” に比べて  “sibling” が使用される頻度は約1/5 ということのようです。これを どう解釈するか,高校まで英語を勉強したと自信を持っている日本人が知っていて当然の単語なのかは分りません。 

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