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2020年7月18日 (土)

Brooks Brothers の破産を惜しんでー

米国で 初めて既製服を売り,ボタンダウンシャツを代表とする男性ファッションの教科書的アイテムを開発し継続的に作り続け, 2世紀の歴史を持つ米国最古の,米国を代表する衣料品会社 Brooks Brothers 78日,破産申請を行いました。

これは,米国人にとっては,単に,有名会社の倒産事件以上の意味がありそうです。

週刊ニュース雑誌― ‘THE WEEK’ の電子版 July 12,2020付け記事を読んでみました。

下記,拙訳・転載します。
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The sad end of Brooks Brothers
ブルックス・ブラザーズの残念な終焉

By Matthew Walther

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I大恐慌(the Great Depression)以来,最悪の経済危機につながる可能性のあるパンデミックの真只中で,人は,男性洋服屋(men's clothier)の運命を嘆く(lament)ことによって,思い切って 非情さ(heartlessness)を告発をしたい。
それでも,最近破産を申し立てたブルックス・ブラザーズに何が起こったのかについて黙してしまうのは弱気(churlish)であろう。わずか2年前,米国で最も古い衣料品会社は,栄光の創立2世紀を祝った。
40人もの米国大統領の服を用意した会社であり,多くの米国人従業員を雇用しつつ,高水準の品質を実現してきた。これは,製造に関してのみならず,その店舗にも当てはまり,ここでは、「カスタマーサービス」と呼ばれる良識とプロフェッショナリズムの過去の(bygone)概念が,琥珀のように保持されていた。

H. and D.H. Brooks’ として1818年に設立されたこの会社に関して,多くの人々が間違った考えを持っている。
エリート主義(elitist)や "preppy" とはほど遠く,ブルックス・ブラザーズは,大きな変化することなしに,長い間,非常に多くの人に愛用されてきており,まさに平等主義(egalitarian)だった。大統領が,最も慎ましい(humblest)市民と同じような服を着ることは,たとえ衰退した(decadence)とはいえ,共和国(republic)では良いことである。
私が最初に本物のドレス服を購入したブルックスは,かつて,すべての階層の背景を持つ何百万人もの米国人が百科事典や偉大な作曲家のタイム・ライフ・ボックス・セットを購入したり,‘History of the English Speaking Peoples’ シリーズやバーバラ・タックマンのチャーチルを読んだりする文化的願望の高潔(noble)で,しかし,ほとんど失われた伝統に属している。

これらは単に抽象的な話ではない。
米国の繊維製造業の悲しむべき(lamentable)衰退は,非常に多くの産業の崩壊と同じパターンを追っている。
我々は 今,ほとんどすべてが中国や東南アジアの低賃金労働者(wage slaves)によって作られた安物(junk)か,あるいは贅沢品である世界に住んでいる。
最近まで,ブルックス・ブラザーズは,あまりにも大げさなことをしようとせずに良い印象を与えたいと思っている人の手の届く範囲にあった珍しい例だった。

ブルックスが多かれ少なかれ手頃な価格,特に 不定期のセールを利用するなら-を維持しているだけではない:

彼らの服は,最もハイエンドなファッションが明確にデザインされている,19歳の,口を尖らせた(pouting)フランス人モデルではなく,普通に見える人々の外見を美しくするためのものだった。
かつてありそうな(plausible)抽象化である平均的な米国人男性のワードローブには,ブルックスのスーツと数枚のシャツへの1回限りの投資で十分だった。

もちろん,米国の産業の空洞化は,ブルックスの問題(woes)の唯一の原因ではない。
60年間,我々のパブリックスペースは,オフィスや教会での,スリーピース・スーツの消失から始まり,ジーンズやTシャツのユビキタスで終わる、容赦ないカジュアル化を受けた。 ベア・ブライアント(Bear Bryant)の千鳥格子(houndstooth)ジャケットと帽子(fedora)は,エリザベス朝のダブレット(Elizabethan doublet)と同じくらい驚くべきもの(startling)になるだろう。

進歩的に見える多くの変化のように,この進化の根底にある動機は慈善的でも民主的でもない。

億万長者のCEOがフード付きのスウェットシャツやスポーツウェアを着て株主会議に現れ,彼があなたに 大部分の人々の抵当よりコストを見積もるものは話すのは,あなたの尊厳の感覚が彼にとって何の意味もないということであり,あなたがどんな服を着ていようと,彼はあなたの上にいる。それは究極の嫌がらせ(put-down)である。
最近のロックダウンは,これらの傾向を悪化させただけであり,ブルックスが倒産する最後の洋服店(dress clothing outlet)になるのではないかと私は真剣に疑っている。

ブルックスの将来の経営が正確にどうなるのかは不明である。店舗の5分の1が,米国内の3つの工場すべてとともに閉鎖されると発表されている。工場の1つであるマサチューセッツ州ハベリルでは,組合役員が400人の従業員 -その多くが数十年にわたって会社に忠実に奉仕してきた -に解雇(severance)を提示しなかったとして抗議され,激しい議論に巻き込まれた。
「失敗したのはブランドではなく,失敗したのは会社だ。」と不吉なネイミングの(ominously named)スレッドストーン(Threadstone)金融顧問会社のマネージング・ディレクター,ウィリアム・サスマンは最近 語った。
私にとってこれは、ブルックスが今後数年間(以前のカーハート(Carhartt)や他の多くの素晴らしいアメリカ企業のように)マーケティング・ツールとして存続することを示唆している。ラベルは,海外で製造された,以前の製品の安価な偽造品(counterfeits)に付けられ,Amazonで購入される。

我々がより賢い国だとすれば,どんなにコストがかかっても,ブルックス・ブラザーズを救済する(bail out)なんてものじゃあない。我々はまた ブルックス・ブラザーズを国営化し(nationalize),この共和党のすべての息子がリンカーンとルーズベルトのユニフォームを着ることができる世代を保証したい。

(転載了)
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さて今後 どのように展開するでしょうか?

ブルックスブラザーズ・ジャパンは そのまま継続営業すると宣言していますが,どのような影響があるでしょうか?

ほぼ Brooks Brothers を卒業している,古希過ぎの老人としても気になります。

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