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2020年7月19日 (日)

「自由」を “freedom” と訳すか,“liberty” と訳すか?

英語の freedomlibertyも「自由」と訳せばいいのですが,逆に「自由」を freedomと訳すか libertyと訳すかとなると 簡単ではありません。教養が試されているようで 悩みます。

Difference Between Net.” というサイトに Difference Between Liberty and Freedomの項目が存在しました。ネイティヴにとっても 簡単ではなさそうです。

下記,拙訳・転載します。
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Liberty” と Freedomはどちらも同義語(synonyms)である。 “libertyという言葉は “freedomの一形態(form)である。これらの用語は両方とも同じことを意味する可能性があるため,一方を他方の代わりに使用できる。時々,混乱する可能性があり,人々は “freedom “libertyという言葉の,どちらを使うべきか決めるのが難しいと感じる。

libertyとは,「自分が選択したとおりに自分自身を信じ,行動し,表現する権利と,制限から解放され,選択の自由(freedom)を持つ力。制限なく行動し,話す力を持っている状態。」と定義される。

liberty” は,個人が自分の意志に従って行動し,自分自身を統治し,自分の行動や行動に責任を負う状態である。“liberty” を持つことは,必ずしも倫理や道徳的価値観に反することを意味するわけではない。それは,社会的制限やタブーの影響を受けずに個人が自分の意志で行動するポジティブな “liberty” と,他人の影響や強制を受けずに行動するネガティブな “liberty” に分類される。

liberty” という言葉は,“freedom” または “condition of freedom” を意味するラテン語の “libertatem”に由来する。それは古いフランス語の freedom” を意味する “liberteを通して英語になった。

一方,“Freedomとは,「政治的,社会的,市民的 “liberties” を “free” に享受できる状態」と定義されている。それは自分の行動を決定する力であり,拘束(restraints)や監禁(confinement)から解放されている(being free)状態である。“liberty,特権(privilege),解放(deliverance),独立(independence)という言葉の同義語である。」

「自由意志」(free will)とも呼ばれる。各個人が強制または制限のない(free from)選択を行う能力。個人が自由意志(free will)または “freedom” を持っている場合でも,彼は自分のすべての行動に責任があるため,宗教的および倫理的教義に従う必要がある。

刑務所にいる人を除くすべての人が “freedom” を享受している。それが彼ら自身がすることを望んだことであるが,彼らにはそれについての矛盾する考えがあるので,何かするよう強制された人々は彼らの “freedom” を行使したとも言われる。
freedomという言葉は,「自由意志」(free will),憲章(charter),または解放(deliverance)の状態(state)を意味する古い英語の “freedom” に由来する。それは,インド・ヨーロッパ語(the Indo-European word)から「愛する」(dear)または「自分のもの」(one’s own)を意味する “priyos” という言葉に由来している。
freedom” という言葉は,国家に関連する “liberty” の概念(notion)と,より関連している “libertyという言葉よりも具体的(concrete)である。“freedom” は通常,人が行うすべてのことにおける人の選択に関係する。

Summary:
まとめ

〇 “Liberty”と “Freedom” はどちらも同義語である。“liberty” という言葉は “freedomの一形態である。 “libertyという用語は,責任と義務の含意(implication),および,より大きな社会全体または哲学的信念体系への愛着(attachment)に大きく依存している。対照的に,“freedom” とは,意のままに行動し,実行するための生の(raw)能力を意味する。

〇 つまり,“liberty” とは自分の意思で行動し,表現する力であり,“freedom” とは自分の行動を決める力である。

freedomlibertyよりも具体的な概念である。

liberty” は「自由人の状態」(condition of freeman)を意味するラテン語の “libertatemに由来し,freedomは「自由意志の状態」(state of free will)を意味する英語の “freodomに由来する。

(転載了)
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英語の freedomlibertyに 日本語 「自由」の訳を付けたのは 福沢諭吉(慶応2年初版「西洋事情」)と言われています。(他にも諸説あり。)
では 「自由」が 江戸時代末期からの和語かと言えば そうではなく -

古典中国語では「後漢書」,日本では「続日本紀」まで遡ることができ,「我儘放蕩」の意味だったようです。徒然草にも「よろづ自由にして,大方,人に従うといふことなし」とあり,江戸時代の教育論の書である和俗童子訓には「殊に高家の子は,物事豊かに自由なる故に,好む方に心早くうつり易くして,おぼれ易し。」とありました。

すなわち,江戸時代以前の「自由」と 明治時代以降の 西洋の概念に当てはめられた「自由」の意味は異なることになったようです。
依然 日本には「自由」を 江戸時代以前の定義で解釈して行動している人もいそうです。

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コメント

 お作、興味深く拝見しました。私はfreedomとlibertyとは、同意語の関係にないと考えます。それは、f.とl.とを構成する要件が異なるからです。「自由」は更に要件を異にしますから、「自由」が成立するのは、f.やl.が成立する以外の場、例えば、自由に、気の向くままに(at will)や自由型(the crawl)などに限られると考えています。
 アマゾンKindle版の拙著 『"liberty"も"freedom"も、「自由」ではない』をご覧頂ければ幸いです。

投稿: 小林 宏 | 2021年11月12日 (金) 12時07分

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