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2020年8月11日 (火)

モーリシャスで 日本の会社所有の 大型バラ積み船座礁,燃料油 流出。

(株)商船三井が OKIYO MARITIME社(長鋪汽船株式会社の関連会社)から傭船・運航している「ばら積み貨物船WAKASHIO(わかしお)」が,中国からシンガポール経由でブラジル方面に向かう途中の日本時間726()(商船三井のプレス・リリースによる),モーリシャス島沖で座礁により船体が損傷し,救助作業中の86()に燃料油が流出,これにより現場海域・地域に甚大な影響を及ぼしているようです。

【本船要目】

・船種 :鉄鋼原料船ケープサイズバルカー(バラ積み船)
     ケープサイズ:満載状態でスエズ運河を通過できない大きさ
・載貨重量 : 203,130DWT
・全長/全幅 :299.5m/50m
・乗組員 :20名(インド人,スリランカ人,フィリピン人など,日本人はいない?)
・船籍 :パナマ
・船主 :OKIYO MARITIME(長鋪汽船株式会社の関連会社)
・竣工年 :2007

STARS AND STRIPES” 電子版は この事故を Aug.8, 2020付けで 次のように報じています。

拙訳・転載します。

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Mauritius scrambles to counter oil spill from grounded ship
モーリシャス,座礁船からの油流出で混乱

Star-stripe

ヨハネスブルグ発— インド洋の島国 モーリシャスの,心配する住民たちは 土曜日(88日)にサトウキビの葉で作った布袋で,船から漏れた大量の燃料が絶滅の危機に瀕した野生生物をさらに危険にさらすことを防ぐため,その場しのぎの(makeshift)油流出障壁(oil spill barriers)を作った。政府は環境緊急事態(environmental emergency)を宣言し,フランスは近くのレユニオン島(Reunion island)から援助を送っていると述べた。 衛星画像は,政府が「非常に繊細」(very sensitive)と呼ぶ湿地の近くのターコイズブルーの海域に暗い滑らかな広がりを示した。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は,土曜日に「生物多様性が危機(peril)に瀕しているので,行動の緊急性が必要。」とツイートした。
野生生物の労働者とボランティアは,天候の悪化で 日本が所有する,クラックの入った船体に沿って船が引き裂かれる恐れがあるため,流出現場近くの島,イル・オゼグレット(Ile aux Aigrettes)から本土まで数十匹の赤ちゃん亀と珍しい植物を移送した。

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土曜日のレユニオンからのフランスの声明で,軍用輸送機が汚染防止装置をモーリシャスに運んでいて,更に追加の材料を積んだ海軍の船が島国に向けて出航すると発表した。
居住者も環境保護論者も,船が725日にサンゴ礁に座礁した後,当局がより迅速に行動しなかった理由を疑問に思っている。 モーリシャスは,座礁船,MV Wakashio が 4,000ton近い燃料油を積載していると言っている。
「それが大きな問題である。」とモーリシャス野生生物財団のジャン・ヒュー・ガルデン(Jean Hugues Gardenne)は AP通信に語った。 「なぜ その船はサンゴ礁に長い間座礁したままで,何も行われていなかったのか?」

同氏によると,これはこの国で初の油流出事故であり,おそらく船が折れる(break apart)とは誰も予想していなかった。 何日もの間,サルベージ隊が到着して作業を開始したとき,住民は不安定に傾斜した船をじっと見つめており,大洋波が船を打ち続けた。

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「波が,船をただヒット,ヒット,ヒットする。」とガーデンは言った。

数日前に船体のクラックが発見され,サルベージ・チームはすぐに避難した。 流出を封じ込めるために約400個のシー・ブームが配備されたが,十分ではなかった。
プラビン・ジャグナット(Pravind Jugnauth)首相は,この流出は,観光に大きく依存しており,世界中で旅行を制限しているコロナウイルスの流行の影響を受けている130万人の国民にとって「危険を表している」(represents a danger)と述べた。「私たちの国には,座礁した(stranded)船を浮揚させるスキルと専門知識がない。」と彼は金曜日に言った。悪天候のため,活動が不可能になり,「日曜日の天候が悪化するとどうなるか心配です」。
強風は本土の海岸に沿って油膜をさらに押し上げると予想される。 日曜日のモーリシャス気象局の予報は,海はサンゴ礁を越えるうねりがあって荒くなり,「外洋での冒険は勧められない」とアドバイスしている。

オンラインで投稿された動画では,本土で油を含んだ水が重なり,水面を横切って棒を動かして持ち上げると,黒いベトベト(goo)が垂れる(dripping)。モーリシャス野生生物財団は,閉じ込められた海鳥やカメを解放するために活動している。

「ブルー・ベイの自然のままのラグーン,ポワント・デニ(Pointe d’Esny),マエブール(Mahebourg)の何千もの種が汚染の海で溺れる危険にさらされており,モーリシャスの経済,食料安全保障,健康に悲惨な(dire)結果をもたらしている」とグリーンピースの気候およびエネルギー管理者 ハッピー・シャンブル(Happy Khambule)は述べた。
国はまた,油流出の封じ込めと環境保護の専門家を含む緊急援助を国連に呼びかけた。

「私たちは環境危機の状況にあります」と国の環境大臣,カビー・ラマノ(Kavy Ramano)は述べた。

政府によると,警察の捜査が過失の可能性にさらされている。

オンラインの船舶追跡システムは,パナマ籍船のばら積み貨物船が中国からブラジルに向かっている途中であることを示した。 船の所有者は,日本企業の Okiyo Maritime Corporationと長鋪汽船株式会社(Nagashiki Shipping Co. Ltd.)としてリストされている。長鋪汽船の声明によると,「ここ数日,悪天候と繰り返しの衝撃が続いたため,右舷側のバンカータンクが破損し,燃料油が海に流出した。」とのこと。さらに,「長鋪汽船は,環境に対する責任を極めて真剣に受け止め,パートナー組織や請負業者と協力して,海洋環境を保護し,さらなる汚染を防止するよう努めます。」

モーリシャス海洋保護協会(The Mauritius Marine Conservation Society)および他の地元グループは,海の浄化には予想よりもはるかに時間がかかる可能性があると警告した。

モーリシャス野生生物財団(the Mauritian Wildlife Foundation)は,「私たち全員にとっての大きな要請は,『グズグズせずにやること』(get on with it)です」と述べた。 「しかし,現在のところ,油が流入し続ける可能性のある場所を『片付ける』のは時間の無駄になる可能性があると理解している。」

(転載了)

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座礁して 約10日後に 油の流出が始まったようです。

最近の船(大型船)においては,油を積むタンク(タンカーの貨物油槽に限らず,燃料油槽も)は外板に接することはなく 必ず二重構造になっているはずで,座礁により この二重構造が同時に損傷するとは思えません。
座礁 10日後から流出が始まったというのは,座礁時の海面の上下(潮),波による衝撃荷重により,おそらく船体縦強度の剪断力成分によって,外板と インナー・ハルのどちらにもクラックが生じたものと考えます。
写真では 既に大きな Aft. Trim となっており 船尾(機関室)の浮力を失っているように思われます。

それにしても 載貨重量20万トンの大型ばら積み船を座礁させるとはー 嵐?
既に 原因は判明していると思われます,知りたいものです。
まずは人的原因か,それとも 機器不具合が原因か?その両者か?

下は 本件に対する(株)商船三井 の Press Release です。 

Mol-press-release
船長(船会社)は保険会社に対して次項目を報告する義務があります。
(座礁・座州の場合)
  1. 座礁日時
  2. 事故発生時の本船航路
  3. 座礁位置及び陸岸との距離
  4. 座礁原因(← 興味があります。)
  5. 損傷部位及び程度
  6. 浸水の有無、部位
  7. 燃料漏洩の有無
  8. 本船での処置(自力離礁の可能性)
  9. 積荷の有無、種類、損傷程度
  10. 海象状況
  11. 海底の状況
  12. 潮流の方向、速力、干満の差
  13. 座礁時の針路、現在の船首方向、傾斜の有無
  14. 座礁前の喫水と現在の喫水など

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