中国から送られてきた謎の「種子」は “Brushing” 。
米国で,注文してない「種子」が 中国から数千件の単位で送られてきているという報道を見ました。
その目的が何なのか,何の種子なのか分からず 気味悪がられているとのことです。
英文の Wikipedia に “Brushing(e-commerce)” という項目があって,この事件の説明がされていました。
拙訳・転載します。
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Brushing (e-commerce) by Wikipedia
ブラッシングは,偽の注文を作成して売り手の評価を高めるために,eコマースで時々 使われる詐欺的な(deceitful)手法である。売り手は,偽の注文をするために誰かに少額を支払うか,または他の人の情報を使用して自分で注文することによってこれを行うことができる。注文が有効(valid)と見なされるには 通常出荷が行われる必要があるため,売り手は空の箱や安い商品を頻繁に出荷する。これらの偽の注文は,気付かれない場合,販売者の評価を高める可能性があり,その商品がeコマース・サイトの検索結果の上部に表示される可能性が高くなる。
多くのeコマース・サイトがこの問題を認識しており,積極的にブラッシングと闘っていると主張している。多くの注目を集めた1つの会社はAlibabaであり,彼らが最初の公募(Initial Public Offering)の前に公開した趣意書(prospectus)に,この問題について言及さえしていた。ブラッシングはまた,会社の財務諸表で報告された数値を膨らませるので,投資家や市場規制当局の監視(scrutiny)を引き付ける。たとえば,米国証券取引委員会は,アリババがシングルス・デーで140億ドルを超える収益を報告したとき,データの有効性の調査を開始した。
2019年7月,消費者は,そのようなブラッシング・スキームの一環として 注文したことのないパッケージを受け取った個人の報告を受けて,勝手に送ってくる(unsolicited) Amazonパッケージに注意するよう警告された。Amazonのシステムでは,最初に購入した人は製品の確認済みレビューを残すことができるため,偽の5つ星レビューを投稿することで評価を高めることができる。
顧客のアドレスは,以前はサード・パーティの販売者によって,または単純なインターネット検索によって取得されている可能性がある。そのようなパッケージを受け取っても,必ずしもそれ以上の問題があるとは限らないが,場合によってはデータ侵害の可能性がある。
ブラッシング詐欺の被害者であると思われる顧客は,問題の小売業者にすぐに通知するとともに,パスワードを変更し,場合によってはクレジット監視サービス(credit-monitoring services)を利用することをお勧めする。
2020年7月,イヤリングなどの虚偽の説明が記された数千の種子のパッケージが中国から世界中に届いた。不気味な種子はバイオ・セキュリティの問題を引き起こしたが,別のブラッシング詐欺であると考えられていた。
DEFRA(Department for Environment, Food and Rural Affairs,環境食糧農林省)やUSDA(United States Department of Agriculture,農務省)などの当局が調査し,農業委員会のライアン・クオレス(Ryan Quarles)は,「これがデマ(hoax),いたずら(prank),インターネット詐欺,または農業バイオテロ行為であるかどうかを知るのに十分な情報を持っていない」と述べた。
チャイナ・ポストは,台湾が密輸品の積み替え(transshipping contraband)に対して中国の物流会社に罰金を課すつもりであった一方で,宛名ラベルが偽造されたと述べた。
(転載了)
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“brushing” や “brushers” などとニュースに書かれていますが,この言葉を説明する辞書(英英,英和)のサイトはまだ,ほぼ存在しないようで,対応する日本語は存在しません。
又,何故 上記の行為を “brush” というのか,よくわかりません。
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