7月25日,モーリシャスのサンゴ礁に座礁,その後,燃料油流出を起こした日本の大型(DW20万トン)バルクキャリア “MV WAKASHO” (船主:長鋪汽船(株),運用:(株)商船三井)は 機関室部と船倉部に分離し,船倉部は離礁してタグボートで沖に曳航,8月24日,モーリシャスの領海に沈められたと報道されました。
特に 意図的に海没させたことに対して海洋汚染の観点から,誰の決定?誰の責任?と問題になっています。
‘Forbes’ は Aug.27, 2020付けで この件について報じています。
下記,拙訳・転載します。
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“Was The Deliberate Sinking Of The Mauritius Oil Spill Vessel, Wakashio, An International Crime?”
モーリシャスの油流出船 Wakashioの故意の沈没は 国際犯罪か?
2020年8月24日(月),長さ300mの鉄鉱石輸送船のWakashioの前部が意図的に沈められ,背後で歓声が聞こえる沈没の劇的なビデオがリリースされた。これは,1ヶ月前に モーリシャスのサンゴ礁に座礁し,8月15日に2つに分離した船である。
8月19日(水)深夜半頃から船の前半分を曳航するオペレーションから10日(8月29日)経ったにもかかわらず,Wakashioの意図的な海没の場所はまだ公開されていない。(人工衛星により 曳航の方向を確認することはできるが)。政府の声明によると,船は水深2000メートルの海底に沈んだとのことである(ただし,独立した検証はない)。これは,海底の圧力が200気圧(または海面の圧力の200倍)になることを意味する。そのような深さでの圧力を考慮すると,ボトルからケチャップを絞り出すように,船のあらゆる残留物または有毒物質の痕跡が絞り出される結果となる。このため,船舶の素材と沈没場所の両方が,海洋環境への潜在的な影響を理解するために非常に重要である。
地元のジャーナリストで人権活動家であるルーベン・ピレイ(Reuben Pillay)が撮影した4分のビデオは,Wakashioを沈めるために8月19日に海に曳航される劇的な追跡と規模のオペレーションを明らかにしている。
Wakashio前部沈没の2日後,2020年8月26日(水),18頭のイルカと鯨がモーリシャスの海岸に打ち上げられた。8月29日(金)までに,39頭のイルカと小型ゴンドウ鯨(Melon-headed whales)が死亡し,地元のジャーナリストがモーリシャスのラグーン周辺で撮影したビデオによれば,さらに多くのイルカと鯨が明らかに苦しんでいることが判明した。
解剖結果はまだ公表されてない。
土曜日に数千人のモーリシャス市民が抗議して行進し,Wakashioの座礁,油流出,および回収作業の処理について,より高い透明性と説明責任を求め,さらに静かな海象状態でWakashioを沈める決定をしたことについても質問されている。
グリーンピースのような組織もWakashioの意図的の沈没の合法性(legality)に疑問を投げかけており,3つの重要な疑問がある:
・破られた国際法は何か?
・どの裁判所が管轄権を持つか?
・誰に責任があるか?
順に見てみよう。
Regulations governing dumping of vessels at sea
海上での船舶の投棄を管理する規制
海の汚染を管理する法律はマーポール(Marpol: Maritime Pollution)と呼ばれ,ロンドンを本拠とする国際海事機関(IMO:International Maritime Organization)である国連の海運規制当局によって採用された法体系である。これらの法律は,かつて 海洋に廃棄物を投棄することが広く行われていたため,環境圧力に対応して1979年に採択された。この法体系には,海運による汚染のさまざまな側面(油汚染,化学汚染,汚水,貨物,大気汚染など)をカバーする6つの主要な章がある。
Annex 5 -1988年に発効- は,船と船上の資材投棄によるゴミに関連する汚染を扱う。
さらに,IMOの下にはいくつかの別個の法体系があり,条約法に関するウィーン条約の下では協定があり,Wakashioのような複雑な船舶の状況で検討する必要があるかも知れない。これには,バラスト水汚染,船体に使用される防汚材料に関する規制,および船舶の環境に配慮したリサイクルに関するガイダンスを管理する個々の法体系が含まれる。
要するに,違反された可能性のある船舶の意図的な海没を規定する多くの,詳細な国際法と規範がある。
これらの法律が制定されたことには理由があり,船舶を沈没させる決定において従うべき非常に明確なガイダンスとプロトコルがある。主なリスクのいくつかを見てみよう。
1. Ballast Water and risk of invasive species
バラスト水と外来種のリスク
バラスト水は,海の生物に対する最大のリスクの1つである。これは,船舶を安定させるために使用される水である。運搬する荷重が変化する船舶の運用には不可欠だが,船舶が大きくなるにつれて,バラスト水に伴うリスクが増大し,多数の海洋種がバラスト水と共に運ばれることによって,生態学的,経済的,健康的に深刻なリスクが生じる。多くの場合,バラスト水は,ある場所で積み込まれ,世界の他の場所に運ばれる。多くの場合,船の目的場所に固有ではない細菌,微生物,小さな無脊椎動物,卵,嚢胞,および幼虫がいっぱいである。
バラスト水の安全な使用を管理する新しい国際条約が2017年に施行され,バラスト水管理条約(BWM:the Ballast Water Management Convention)と呼ばれている。
ジャーナリストは,Wakashioの船主,長鋪汽船に連絡を取り,座礁時にWakashioによって運ばれたバラスト水の量の詳細,解体前に船舶から水を汲み上げる操作の詳細,場所の詳細について 問い合わせている。
この情報の多くがボタンをクリックするだけで利用できるはずだし,2017年の法律に従って船舶が携帯する必要があるはずだが,まだ応答はない。
2. Industrial cargo residue
産業貨物の残余
船舶が沈んでいる圧力を考えると,産業貨物の残留物には有害な毒素が含まれている可能性がある。(管理者:圧力と毒素の関係?)船内の資材の在庫と開示には厳しい規制がある。IMOによると,海洋を横切って輸送される95億トンを超えるばら積み貨物の年間200万トンを超える量が海に侵入し,10万トンが海洋環境に潜在的に有害であるとされている。

8月
21日から行われた
Wakashioの船倉の浸水に対するビデオが公開されているのを見るとわかるように,船に貨物の残余があり,水が濁った色になっているのは明らかだった。船は鉄鉱石のばら積み貨物船だったが,この残留物について毒性試験が行われたかどうかは不明だった。鉄鉱石からの残留物は,いくつかの機関の特別な焦点となっている。
Marpol Annex Vの実行に関する
IMOガイドラインがあって,そのようなテストを実施するために必要な
OECD規格の採用も含まれている。
OECD基準でこれらのテストを実施しないと,船舶保険を管理する複雑な
P&I規則に違反する可能性がある。
3.Recycling of ships
船舶のリサイクル
海洋での船の廃棄を防ぐための厳格なルールがあり(森で車を捨てることが禁止されているように),循環経済と船の3つの調査対象の側面(船の構造または機器に含まれる材料,船舶の操船からの廃棄物,貯蔵物からのゴミ)を含む船のすべての部分のリサイクルを促進する強力な対策がある。これらの廃棄物のカテゴリーは明確に定義されており,適切な手順が実行されたことを確認するための5つのステップのプロセスがある,すなわち:1. 必要な情報の収集,2. 収集した情報の評価,3. 目視 またはサンプリング・チェック計画の準備,4. 船上での目視チェックとサンプリング・チェック,5. 在庫文書および関連文書の準備。
これらは船主の明確に定義された責任である。
船舶の建造に使用されている材料の確認は,造船サプライチェーンのサプライヤー(機器のサプライヤー,部品のサプライヤー,材料のサプライヤーなど)によって提供された材料宣言(the Material Declaration)に基づいている必要がある。
世界中の環境の持続可能性に重点を置いて,船舶の寿命の終わりについていくつかの注目を集めた後,海運業界は最近,循環経済と材料のリサイクルに向かって動いている。
Wakashioの大きさの船 -世界の全船舶の上位1% -には,再利用できるかなりの量のさまざまな材料がある。
船の建造に使用されたすべてのコンポーネントを完全に理解せずに船を沈める他のリスクの1つは,外層が崩壊し(disintegrate)始める数十年にわたるリスクである。ハワイのすぐ南にある太平洋の熱帯礁では,地元の海洋生息地に引き起こされた汚染のために,沈没してから数十年後にかなりのコストをかけて多くの沈没船を取り除く必要があった。
これらはWakashioの1/10サイズの船舶であり,造船所(日本・川崎のユニバーサル造船(株)*管理者注:2013年から「ジャパン マリンユナイテッド(株))のボタンをクリックするだけでこの情報を入手できるはずであったとしても,地方当局やWakashioの所有者からのこの情報の公開はまだない。
2009年5月に4年間の作業を終えた後,国際海事機関(IMO)は,船舶の安全と環境に配慮したリサイクルに関する香港条約を採択した。
アスベスト,重金属,炭化水素,オゾン層破壊物質など 環境に有害なすべての物質の明確な目録を含む,海上でのあらゆる船舶の処分において従わなければならないプロトコルに関する明確なガイドラインがある。
4.Harmful anti-fouling systems
有害な防汚システム
防汚システムは,船体の下部(管理者注:喫水線下)への藻やフジツボの付着・成長を防ぐシステムである(通常は塗料だが,他の物理的手法も使用される)。藻やフジツボの成長は船を遅くし,燃料消費の増大を招く。しかし,防汚システムの副作用として,いくつかの有毒化学物質を使用することがある。これらの化学物質は時間の経過とともに海洋環境で分解するため,追加の害を引き起こす可能性がる。 例としては,船舶で使用される防汚塗料に含まれる有害な有機スズ化合物などがある。
2017年7月,科学データがシブトリン(cybutryne)が海洋環境に重大な悪影響を与えることを示していることをIMOが明らかにし,防汚塗料におけるシブトリンの規制も制限された。船の有害な防汚システムの使用と処分を管理する法律の全体がある。
これは「船舶の有害な防汚システムの管理に関する国際条約」(the International Convention on the Control of Harmful Anti-fouling Systems on Ships)と呼ばれ,2001年10月5日に採択され,2008年9月17日に発効し,IMOによって管理されている。大規模な海洋脱酸素イベントが発生する恐れがある中で,海洋は気候変動,乱獲,汚染,生息地の破壊という前例のない圧力に直面しているため,これらは海洋における生命を保護するために設計された厳しい環境法のほんの一部である。
5. Which international court?
国際法廷はどこ?
IMOはこれらの法律の基準を設定する責任を負う機関だが,そのような法律が破られたかどうかを判断する他のいくつかの国際法廷がある。
この場合の重要な管轄裁判所(court of jurisdiction)は,海上汚染の事件のいくつかの例が提起されている国際海洋法裁判所(ITLOS:the International Tribunal for the Law of the Sea)である。
環境を保護するために設計された多くの明確な手順に従わずに,Wakashioを 決められた場所に故意に沈めるという決定は,国内法の多くの規定に違反していた可能性もあるかもしれない。
Who is responsible?
誰に責任があるか?
Wakashioを沈めた決定の責任は,強い精査(scrutiny)の対象となるだろう。海没を決定するまでの段階で Wakashioに関わることが知られている少なくとも8つの当事者がいる。
1. Government of Mauritius
モーリシャス政府
モーリシャス政府は重要な役柄を演じた。
長鋪汽船がフォーブスに8月25日に発表した声明の中で,長鋪汽船は,誰のガイダンスで動いているか非常に明確だった。「現地時間の8月19日の約0030時に,船体の前部は正常に再浮揚され,当局によって指定された海域に曳航された。
その後,彼らは船体を沈めるためにモーリシャス当局によって指定された海域に移動し,現地時間の8月21日2100時に作業を開始し,現地時間の8月24日1500時に船体の前部が水没し,当局の指示に従って、モーリシャス領海の指定された海域に沈むことを許可された。」
政府内の詳細のレベルは,どの省または省が責任を負ったか,およびどの決定(たとえば,閣議決定)の法的根拠が何であったかにまで及ぶ可能性がある。
さらに,MARPOLの監視,コンプライアンス,施行は政府に委ねられている。 IMOは,2016年以降,加盟国の監査を実施する役割を与えられている。
2. The flag state, Panama
船籍国 パナマ
船舶はパナマ籍船であったため,旗国にはIMOによって定められた明確な責任がある。旗国(船舶の登録国)と寄港国(port state)には,コンプライアンスを実施する権利と責任がある。
Wakashioがパナマの管轄下にあることを考えると,Marpolの遵守の監視と実施におけるパナマ海事局の役割に関する質問が提起される。
3. France
フランス
8月17日にフランスの海外大臣Sebastien Lecornuuが訪問した後,モーリシャス政府は2020年8月19日にプレスリリースを発表した。「沈没させる(scuttling)位置と条件は,モーリシャスにいるフランスの専門家の助言に準拠した。彼らがフランス政府に派遣された専門家なのか,クリーンアップ会社のフランス代表なのかは不明である。
他のより持続可能なオプションが採用可能だと分かったとき,Wakashioを沈めるという決定に影響を与えるためにフランスによって派遣されたフランスの専門家の文書記録と役割についての質問が存在する。
4. Malta
マルタ
8月19日の声明で,グリーンピース・アフリカとグリーンピース・ジャパンは,曳航作業の背後にある2隻の支援船,ボカ・サミットとボカ・エクスペディションがマルタ籍でありことを明らかにした。 これは,マルタがMarpol規制の批准国であるため,これらの船舶もこの法律の対象となることを意味している。
8月25日のマルタ当局への公開書簡で,グリーンピースはマルタがWakashioを故意に沈める決定を調査するために行った行動と,これらのMarpol規制に違反しているかどうかを調査した。 まだ応答がない。
5. Japan
日本
Wakashioは,日本の海運会社が所有し,日本の海運会社が運航する日本製の船である。パナマには行ったことがない。
日本政府は,8月19日以降,6人の専門家をモーリシャスに派遣した。 サルベージ活動,海没の決定,および海洋環境問題への潜在的な影響に対して彼らの役割と責任が何であったかは不明である。
6. The IMO
IMO
国連の世界的な海運規制当局であるIMOは,法律を採択するために設立され,政府はそれらを実施する責任がある。
政府がIMO条約を承認すると,それを国内法の一部とし,それに含まれるすべての条項を施行することに同意する。 IMOの責任と機能,および国家の機能には明確な境界(demarcations)がある。
IMOの慣習(conventions)のいくつかは弱すぎると非難されており,Wakashioの沈没がIMOの規制の下で許可されていた場合,これはIMO基準に対するより大きな批判をもたらす可能性がある。しかし,モーリシャスとWakashioを沈める決定の場合,問題はより微妙(nuanced)である。
IMOはIMOスペシャリストを派遣し,モーリシャス政府に油漏れに関連するあらゆる作業について具体的に助言した。
彼の任務 – IMOとモーリシャス政府の間で合意され,IMOのスポークス・パーソンによって確認された – は,油流出を伴わないサルベージ活動のあらゆる側面について,モーリシャス政府に助言することには及んでなかった。
Wakashioを沈める決定に関してIMO代表が現場で提供した具体的な役割と行った助言についてIMOに繰り返しの質問にもかかわらず,回答が得られておらず,IMO自体が,自身が設定することになっている法律や基準に違反して Wakashioを沈める決定に影響を与える可能性があるかどうかについての疑問が持たれている。
7. Shipowner and operator: Nagashiki Shipping and Mitsui O.S.K. Lines
船主 および 運航者;長鋪汽船(株)と(株)商船三井
すべての政府の介在(interventions)の中で,Wakashioは日本の大企業が所有し運用する商船である。
日本を拠点とする長鋪汽船(株)が所有し,世界最大の海運会社の1つであり,昨年,120億ドルの収益を上げた(株)商船三井が運用していた。
船の所有者と運用者が遵守しなければならない明確な法律と規則が存在する。
当初,ジャーナリストから非常に直接的な質問がいくつかあったにもかかわらず,海洋環境の健全性に重大な影響を与える可能性のある情報(沈んだ時のバラスト水量 および 座礁時のバラスト水量など)について,長鋪汽船から回答はなかった。
ボタンをクリックするだけで有効な,高度なデータサイエンス,クラウド・コンピューティング,機械学習,人工衛星技術を利用できる2020年に,Wakashioによって引き起こされるすべての汚染を安全にクリーンアップするには,この情報の緊急性が重要である。
この悲劇の影響を受けた関係者に対して この情報入手の遅れは,単なる法的な問題ではなく,道徳的な問題でもある。
8. Array of contractors engaged in the salvage operation
サルベージ作業に従事する一連の請負業者
政府の一連のプレスリリースで,サルベージ作業全体がSMITサルベージによって指揮されていることが明らかになった。汚染除去の取り組みは,PolyecoとLe Floch Depollutionからの助言を受けた。 石油産業対応グループITOPFも関与した。
これは,大規模な油流出を経験したことがない島国の混乱する一連の専門家である。
世界がアドバイスと推奨事項の透明性の向上を要求しているため,モーリシャスの一般市民は,船が座礁してから36日経って,如何なる匿名の専門家による記者会見や情報公開が1回もないことに驚いている。
クリーンアップ作業が順調に進んでいたなら,おそらくそのような精査は必要ないと思える。
しかし,39頭の鯨とイルカが死亡したため(8月28日金曜日の最後の公式カウント時),国際法違反になる可能性のある船舶の沈没を支持するそのような助言を提供した組織の責任に対する重要な質問が今 行われている。
A case of ‘Who Did It’
「誰がやったか」の問題
Wakashioを取り巻く謎が深まるにつれ,オペレーションのあらゆる面での訴訟の複雑な網も深まっている。Wakashioを沈める決定は議論を引き起こす(controversial)ものだった。 それは,大衆が答えを要求していた時,メディアの精査が十分に考慮して行われた。
モーリシャスだけでなく世界中の大使館の前での抗議が示すように,これらの決定に対する8つの組織からの回答の欠落は,国際的な警鐘を鳴らしている。
船の搭載品リスト,バラスト水,有毒物質,沈没の場所についての基本的な事実情報の理解と公開は,「猫とネズミ」のゲームであってはならない,アガサ・クリスティーの有名な探偵,エルキュール・ポアロの「誰がやったのか」と「どこで」を指摘するスキルが求められている。
訴訟の法的側面に加えて,現在,世界の海運業界について,そのような世界の業界がそのような不透明な状態で長い間 運用を続けられ、世界でもっとも貧しい人々の生活に影響を与えたのか,という道徳的な質問がある。
モーリシャスの海岸には39頭の鯨とイルカが死んでおり,海に依存する何千人もの村人たちは暗闇の中に取り残され,Wakashioの座礁から36日になる。
現在の秘密主義のアプローチは,Wakashioの沈没やその他の復旧の側面のいずれにおいても明らかに機能しておらず,政治的危機を引き起こしている。
法的結果に関係なく,これは世界の海運業界自身が作り出した危機でもあることは明らかである。
(転載了)
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そもそも 座礁したとは言え 日本の会社に所有権がある船体の半分を沈没させるというモーリシャスの提案(?)に従った,あるいは異議を唱えなかった,あるいは 何の協議もなかったことが よく理解できません。
(株)商船三井には 多くのケースに対応した国際法の専門家がいるでしょうにー。
(株)商船三井のサイト,プレスリリースにはー
「船体前方部分は、現地時間8月19日に離礁し、モーリシャス政府が指定した同国領海内の海域に曳航され、現地時間8月21日に、モーリシャス政府から船主に海洋沈下するよう指示がありました。
船主からは、現地時間8月24日に、モーリシャス政府の指示に基づき、専門家チームにより作動油の除去などの対策した上で、船体前方部分をモーリシャス領海内に沈下させたとの連絡を受けました。モーリシャス政府の指示、および同国国内法や国際法令に則り処分が行われたものと認識しています。」と記しています。ファンネル・マーク(塗装)は MOLそのものですが,沈下責任があるとするなら,モーリシャス政府 および 船主にあると宣言しているかのようです。
やはり バングラデシュへの曳航,解体,スクラップ化が正解だったのでは?
それにしても モーリシャスが前部を沈めた,あるいは沈めないといけないと考えた理由,目的が分からない。
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