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2020年9月19日 (土)

今,世界の人々は 何を脅威とみなしているか?

新型コロナウイルス流行の現在,世界主要14ヶ国の人々が,自国にとっての脅威を,9項目から選びました。
Pew Research Center’ の Sept.9,2020付け調査結果です。

下記,拙訳・転載します。

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Despite Pandemic, Many Europeans Still See Climate Change as Greatest Threat to Their Countries
パンデミックにもかかわらず,多くのヨーロッパ人にとって,自国の最大の脅威は依然として気候変動

世界的な経済問題が高まっているが,感染症の蔓延(spread of infectious diseases)は米国,英国,日本,韓国で最大の関心事である。COVID-19のパンデミックが世界中のニュース・ヘッドラインを支配した今年,この夏に調査した14ヶ国の大多数が 感染症の蔓延を彼らの国への主要な脅威として見ていることを発見することはおそらく驚くべきことではない。

001h_20200910175001 しかし,調査に含まれるヨーロッパ諸国では,感染症によるリスクについて深刻な懸念が表明されているにもかかわらず,気候変動は依然として最も認識されている脅威のトップ(top-most perceived threat)である。全体として,調査対象の14の経済先進国全体でおよそ7割の中央値は,地球規模の気候変動と感染症の拡大の両方が主要な脅威であると述べている。6割の中央値は,テロ,他の国からのサイバー攻撃,核兵器の拡散(spread of nuclear weapons)などのセキュリティ上の懸念を主要な脅威として挙げている。

相対的ランキングでは,調査対象のヨーロッパ9ヶ国中7ヶ国を含む調査された14ヶ国のうち8ヶ国で最も頻繁に言及される「主要な脅威」として,気候変動が感染症を上回っている,もしくは同等である。コロナウイルスのパンデミックの中で,米国を含む5ヶ国は,病気の蔓延を最重要の脅威として挙げている。 オーストラリアとデンマークの2ヶ国の人々は,サイバー攻撃を卓越した(preeminent)脅威としている。

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調査対象国では,世界的な貧困(global poverty),国や民族間の長年にわたる紛争(long-standing conflict),大規模な移住(large-scale migration)について懸念する人々はほとんどいない。数年前,イラクやシリアのような場所を逃れる多数の難民は,イタリアと英国人の多くの人々によって最大の脅威であると考えられていた。今日,調査した14ヶ国のうち11ヶ国で,ある国から別の国への多数の人々の移動が,調査された9つの脅威の中で最も懸念の少ない脅威と見なされている。COVID-19関連の混乱によって世界経済が大きな打撃を受け,2018年に最後に質問されて以来,ほとんどの国で世界経済に対する懸念が大幅に高まっている。調査対象となった14ヶ国のうち10ヶ国の過半数が,世界経済の状況を主要な脅威として挙げている。

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004h_20200910175101 2016年以降,オーストラリア,オランダ,日本,カナダなど 多くの国で主要な脅威としてのサイバー攻撃の認識が高まっている。大まかに言えば,14ヶ国の高齢者はセキュリティの脅威により関心を持っている。たとえば,テロの場合,50歳以上の年齢の中央値72が大きな脅威としているのに対し,18歳から29歳の年齢層では53 のみが主要な脅威であるとしている。同様の年齢差がサイバー攻撃と核兵器の拡散の懸念に現れている。女性は,調査されたさまざまな脅威のほとんど,特に気候変動とテロリズムを懸念する傾向があるが,感染症と世界的な貧困の拡大も懸念している。

005h_20200910175101 イデオロギー的に,ほとんどの国で,政治的左派の人々は右派よりも気候変動を心配する傾向があり,右派の人々はテロリズムと大規模な移民への懸念を強めている。そして,世界経済について言えば,自国の経済がうまくいっていないとか,経済の将来を懸念している人は,世界経済の状況を大きな脅威と見なす可能性が高くなる。

これらは,2020610日から83日まで 電話で行われた成人に対しての新しいピュー・リサーチ・センターの調査結果の1つであり,対象国は- オーストラリア,ベルギー,カナダ,デンマーク,フランス,ドイツ,イタリア,日本,オランダ,韓国,スペイン,スウェーデン,英国,米国である。
誤差範囲は,国のサンプルによって±3.1パーセントポイントから±4.2ポイントに変化する。

Global threats
世界的脅威

006h_20200910175101 調査対象となった14ヶ国すべての過半数は,地球規模の気候変動と感染症の蔓延が自国にとって大きな脅威であることに同意している。気候変動に対する懸念は,スペイン,フランス,イタリア,韓国,および日本で特に高く,少なくとも10人中8人はそれを主要な脅威としている。

地球温暖化を主要な脅威と見なしている割合は,センターが過去7年間追跡してきた10ヶ国のうち9ヶ国で今日の方が大幅に高くなっている。たとえば,英国では,2013年に質問が最初に出されたときの48と比較して,現在は 71が地球規模の気候変動が大きな脅威であるとしており,23%ポイント増加している。しかし,懸念は最近横ばいになっており,追跡されている英国やその他の国では,気候変動への懸念は2018年以降ほとんど変わっていない。

007h_20200910175101 調査したすべての国で,イデオロギー的に左側の人は,右側の人よりも地球の気候変動を主要な脅威と見なす可能性が高い。9ヶ国では,地球規模の気候変動を主要な脅威と見なす可能性が男性よりも女性に高くなっている。

調査した各国の多数派も,感染症の蔓延を主要な脅威と見なしている。特に懸念が高まっているのは韓国と日本であり,感染症を10人中9人が大きな脅威と見なしている。スペインと米国でも約8割この見解を保持しており,米国ではコロナウイルスの症例数が世界で最も多くなっている。

感染症の蔓延に対する懸念は,ほとんどの国で収入や学歴によって大きく異なることはない。ただし,調査対象となったほとんどの国では,女性の方が男性よりも一般的に感染の脅威を懸念している。特に,ほとんどの国で,自国の政府が現在のパンデミックをうまく処理できなかったと信じている人は,感染症の蔓延を主要な脅威と見なす可能性が高くない。

Security threats
セキュリティの脅威

008h_20200910175101 調査対象となった14ヶ国の人々は,テロ,他国からのサイバー攻撃,核兵器の拡散について高い懸念を抱いている。ほぼ3分の2の中央値は,テロ(66)とサイバー攻撃(65)が自国に大きな脅威をもたらすと言い,およそ10分の661)は核兵器の拡散について同様に言っている。9ヶ国では,イデオロギー的に右側の人々は,テロリズムが彼らの国にとって大きな脅威であると左側の人々よりも高い確率で示している。

過去数年間,ピュー・リサーチ・センターは,ISISとして知られるイスラム過激派グループなどの特定のグループによってもたらされる脅威について尋ねていた。 ISISによってもたらされる脅威に対する公衆の心配が広まっている。同様に,2020年には,調査対象の14ヶ国のうち,フランス(80),日本(77),スペイン(74)の約4分の3以上を含んで,12ヶ国の約半分以上がテロを主要な脅威としている。

サイバー攻撃は,オーストラリア(70)やデンマーク(66)など,調査されたいくつかの国で最も懸念されており,最も頻繁に言及されている主要な脅威である。サイバー攻撃は,調査でテストされた9つの脅威のうち,韓国,米国,オランダ,ドイツで対応すべき2番目に多い主要な脅威である。

一部の国では,サイバー攻撃の心配が急速に高まっている。2016年以降,そのような攻撃を主要な脅威と述べるオーストラリア人の割合は,47から70に増加した。同時期の2桁の増加は,オランダ(13ポイント増加),日本(+12ポイント),カナダ(+10ポイント)でも見られる。

核兵器の拡散(proliferation)は,テロやサイバー攻撃を,知覚された安全上の脅威として追跡することがよくある。このパターンの例外には,日本(87がこれが主要な脅威であると言う)とイタリア(73)が含まれる。調査された国の中で,デンマーク人は核兵器の拡散について最も関心が薄い(35)。7ヶ国では,女性は男性よりも核兵器の拡散が主要な脅威であると言う可能性が高い。

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調査された3つのセキュリティリスク全体で,50歳以上の人は若い成人よりもそれぞれが主要な脅威であると言う傾向がある。たとえば,米国では,50歳以上の80がテロが最大の脅威であるのに対し,18歳から29歳は51である。調査された大多数の国でのサイバー攻撃と核兵器の拡散の問題についても同様の格差が生じている。

Economic threats
経済的脅威

010h_20200910175101国際通貨基金は,世界経済が2020年に4.9縮小すると予測している。調査対象の14ヶ国全体で,およそ10分の6の中央値がこの悲観的な見通しを共有し,世界経済の状況を主要な脅威として捉えている。最も懸念しているのは韓国人で,10人中8人以上(83)が世界的な経済状況を主要な脅威と述べている。最も心配されていないのは,デンマーク人とスウェーデン人(それぞれ40)である。

全体として,世界の貧困の道に関する懸念は,全体的な世界経済に繋がっている。
中央値53は,世界の貧困は自国にとって大きな脅威であると述べている。フランスとスペインは最大の懸念を示しており,各国の約4分の3が世界の貧困を主要な脅威として捉えている。

011h_20200910175201 近年,世界経済の状況についての見方は大きく変化している。2018年にも問題が提起されたほぼすべての国で,世界の経済状況に脅かされていると感じる割合は少なくとも10%ポイント増加している。この変化は英国で最も顕著であり,2年前にこの見解を保持していた41と比較して,現在は 65が,世界経済の状態が主要な脅威であると述べている。GDP2020年 第2四半期に13.8減少し,過去最高の落ち込みを記録した日本(+22ポイント)とフランス(+21ポイント)で20ポイント以上の減少が見られた。

自国の現在の経済状況が悪いと言う人は,世界経済の状況を自国への主要な脅威と見なすため,良い状況であると考える人よりも可能性が高い。たとえば,ベルギーでは,現在の経済状況が悪いと考える人の64が国際経済状況が大きな脅威であると答えているが,ベルギー経済を積極的に評価する人の場合 41である。

同様に,自国の経済状況が今後12ヶ月で悪化すると考える人も,世界経済の状況を主要な脅威と見なす可能性が高くなる。たとえばベルギーでは,国民経済が悪化すると考える人の64が,世界経済を主要な脅威と見なしている。比較すると,経済が同じレベルのままであると期待するベルギー人の50は,世界経済が主要な脅威であると考えており,ベルギー経済の改善を期待する46も同様である。

一般に,50歳以上は,若い層よりも世界の貧困を自国への主要な脅威と見なす可能性が高い。たとえば,オランダでは,50歳以上の61が世界の貧困を主要な脅威と見なしており,18歳から29歳で同様に考えているのは 35である。多くの国で,女性,教育の少ない女性,収入の少ない女性は,世界の貧困を主要な脅威として分類する可能性が高くなる。

Social threats
社会的脅威

012h_20200910175201 この調査では,民族的または国際的な紛争と大規模な移住についても尋ねている。ほとんどの国では,どちらの問題も自国への主要な脅威であると認識しているのは半数を超えてない。韓国やフランスでのみ,明確な多数派は,国や民族間の長年にわたる紛争が大きな脅威であると述べている。ほとんどの場合,収入が低く教育が少ない人々は,国や民族間の長年にわたる紛争を主要な脅威と見なす傾向がある。韓国(52)を除いて,大規模な移住が主要な脅威であると述べているのは半分未満である。
ある国から別の国への多数の人々の移動に関する懸念は,50歳以上の人々の間でより一般的である。たとえばベルギーでは,50歳以上の49が移民を主要な脅威と見なしているが,18歳から29歳で脅威としているのは29だけである。

013h 中等教育以下の個人は,政治的スペクトルの右側にいる人々と同様に,大規模な移住を主要な脅威と見なす可能性が高い。たとえば,自分を保守的だと言っている米国の人々の52は,ある国から別の国に移動する多数の人々が大きな脅威であるのに対し,自称自由主義者の間ではわずか17である。
そしてスウェーデンでは,イデオロギー的に右側の人々の半分が大規模な移動を主要な脅威と見なしているのに対し,政治的左派の人々の場合,わずか10人中2人である。

概して,顕著なイデオロギーの違いのこの傾向は,調査されたすべての国で,スペインを除いて現れる。 (日本には政治思想は問うてない。)

(転載了)
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各国を比較するのは興味深い。

「気候変動」は 単なる理論ではなく 実感するものがあるので 脅威をみなす人が多いのでしょう。

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