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2020年9月16日 (水)

モーリシャスの座礁,油流出事故への商船三井の対応

日本の海運会社(長鋪汽船(株))所有の大型(載貨重量 約20万トン)バラ積み貨物船 MV WAKASHIO が 7月に座礁,燃料油流出,その約1ヶ月後,分離し離礁した 前部船倉部を曳航して領海に沈めたモーリシャスの海岸に 鯨やイルカが打ち上げられているようで 海洋汚染に関連して世界の海洋関係NGOが関心を持って 動き始めているようです。

この船を傭船,運航していた(株)商船三井は 事故後,人員を派遣するなど事故復旧援助に動いていましたが,9月11日 のプレスリリース  「WAKASHIO号事故に関するモーリシャスの環境回復・地域貢献に向けた当社の取り組みについて ~モーリシャスと共に~」で総合的な対策の動きを示しています。

下記,抜粋して紹介します。

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当社は、これまでにグループ社員の現地派遣(本日現在13名)と共に、流出油の回収除去作業に有用な資材他の支援物資の提供及び輸送を行っています。今後それらに加え、自然環境の回復と保護について知見を持つ専門家や団体の助言と協力を仰ぎ、日本政府とも連携を取りながら、長期的にモーリシャスの自然環境及び地域社会への貢献に取り組みます。今般、具体的に以下の実施方針を決定したのでお知らせします。

  1. 自然環境保護・回復プロジェクト

既に、環境省が、中長期の環境モニタリングや環境再生方策の検討について、モーリシャスに専門家を派遣して援助活動を行っていることから、こうした動きとも連携しながら進めていきます。

(1) マングローブ保護・育成プロジェクト
・・・
助言・協力先:日本マングローブ学会・モーリシャス大学
企図する活動:マングローブ林の生態系を傷つけない清掃
マングローブ林下に棲息する生物多様性の保全
マングローブの植林

(2) サンゴ礁回復プロジェクト
企業、大学、研究機関等と連携し、現地NGOとの共同プロジェクトを検討中。
助言・協力先:(株)イノカ・モーリシャス大学・アルビオン水産研究所・EcoMode Society
企図する活動:A.I.等最新技術を利用したサンゴ礁の早期育成と移送
                    海中サンゴ棚でのサンゴ養殖・移植
                    海中に浮遊する泥質物からのサンゴ礁の保護

(3) 海鳥の保護・希少種海鳥の研究
海鳥の保護、希少種保護に関する研究支援。

(4) モーリシャス自然環境回復基金(仮称)の設立
    上記(1)(3)のプロジェクト・研究の遂行を目的に創設。

当社は発起人として数年間に亘り8億円程度の拠出を予定。
個人・法人からの拠出も受け入れ可能とする予定(本船船主である長鋪汽船から拠出の意向表明あり)。
運営支援:()日本総合研究所

  1. 現地NGOおよびモーリシャス政府・国際公的機関の基金への拠出

モーリシャスの自然環境回復活動を支援するため、複数の現地NGO(註1)への寄付、およびモーリシャス政府関係団体・国連等の公的機関が設立している基金(註2)への資金拠出を行います。合計で1億円程度の拠出を予定。
   (註1) 当社の現地派遣団が接触し、その活動を支援するNGOMauritian Wildlife Foundation, EcoMode Society, Reef Conservation等)。一部のNGOとは上記1のプロジェクトにおいて長期的な協力関係を持つ可能性があります。
   (註2) モーリシャス政府が設立した漁業従事者への支援基金および支援団体(The Fishermen Welfare Fund, Mauritius Oceanography Institute等)への拠出を含みます。

  1. 人的貢献

(1) 当社グループ社員の現地への派遣継続
現在派遣中の第1陣、第2陣(計13名)に引き続き、9月中旬に帰国予定の第1陣の帰国と入れ替わる第3陣を派遣予定。

(2) モーリシャス駐在員事務所の設立(発表済み)
現地における関係当局やモーリシャス地域社会との中長期的な連携・対応を目的に本年10月に設立予定。

(3) 社員研修の実施
当社グループの世界各地の社員を数名選抜し、毎年モーリシャスにおいて研修を実施、海洋汚染防止や自然環境保護に対する理解を深めると共に、地域社会に貢献します。

  1. 地域社会・産業への貢献

(1) 漁業水産業への貢献
漁業の発展に向けての支援については、現地のニーズを踏まえて今後様々な方策を検討します。
そのひとつとして、コールドサプライチェーン整備の要望を受けて、冷凍コンテナ1本を寄贈(911日現地到着予定)。

(2) 観光業への貢献
商船三井客船の“にっぽん丸”による日本発着のモーリシャス寄港クルーズの実施。催行時期は2022年を念頭に計画します。

なお、上記13の貢献支援策の資金として、複数年で総額10億円程度の拠出を予定しています。

上記4については、今後詳細を検討します。

当社は引き続き、モーリシャスおよび日本の関係当局、国内外の関係者、船主と連携して、事態の解決ならびにモーリシャスの環境回復と社会への貢献に向けて取り組みます。

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抜粋のつもりでしたが,ほぼ全文掲載になりました。

座礁の原因が気になっていますが,これに関する(株)商船三井としての情報・見解はないようです。
いずれにせよ (株)商船三井としては 乗組員教育を含め,今後の対策が必要です。

但し,乗組員の配乗は香港の大手配乗会社 “Anglo-Eastern Ship Management Ltd” 社に委託していたようで,船員の質について 商船三井は直接関知できる立場ではなかったとも言えます。

関連してー 旗国(船籍国)であるパナマの海事局が 97日に 声明を出しています。
スペイン語で書かれたものを自動翻訳プログラムで日本語とし,日本語に対して若干の修正を加えて転載します。

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Maritime-panama

『パナマの海上事故専門家代表団がモーリシャスの “WAKASHIO” 事故の調査を支援』Sept.7,2020

パナマ海事局(AMPthe Panama Maritime Authority)は,モーリシャスに派遣した海上事故専門家の代表団を通じて,データ収集段階で,継続するパナマ国旗船 MV WAKASHIOの事故の調査に協力している。

これまでのところ,管轄当局は,725日,日本企業の長鋪汽船()が所有するWAKASHIOが,シンガポールからブラジルへの出航時に承認された航行計画を逸脱したことを確認した。変更は,乗組員の一人の誕生日のお祝いに関連している可能性がある。

証拠に,乗組員の供述を加えると,コースの変更は,乗組員が彼との親戚と通信できるように,電話やインターネット信号を求めて,モーリシャス沖約5マイルまで接近するようにとの船長の指示によって発生したと知られている。
この不適切な接近時,モーリシャス当局によって危険の警告が発せられた時,船長,機関長,一等航海士がナビゲーションブリッジにいた。 

ECDIS(integrated nautical chart system and navigation equipment,統合航海図システムとナビゲーション機器)で最後に確認された位置は1802 LTで,船のランウェイは1925 LTで記録された。(管理者注,LT:その地の経度に合わせた時刻)

アナリストによると,安全対策と適正な航海要領を適用していれば,状況の適切な分析を行い,コースを修正し,事故を避けるために適切な行動を取ることが可能だったと考えられる。

ナビゲーションブリッジには,問題を評価するのに十分な経験を持つ人々がいたが,航海用電子海図(the Electronic Nautical Chart)の誤った評価が存在した可能性がある。これは,間違った文字が間違ったスケールで使用されていたために,海岸への進入と,より浅い海域への接近への適切な検証が妨げられていた可能性があると,調査員は予備報告書に付け加えた。

航海計器の監視と監督の欠如,当直士官が航行の道を完全に失ったときに発生する注意散漫,および警戒時の「自信過剰」は,モーリシャス海域のサンゴ礁での座礁および部分的な沈没につながる可能性のある原因の中に示されている。

 AMPThe Panama Maritime Authority)は,公判前拘留中の船長と一等航海士の面接の結果を待っており,モーリシャス共和国警察に,保管されている捜査に不可欠なVDR(voyage data recorder)と その他の調査に不可欠な航海文書(ship navigation documents)へのアクセスを要求した。

(転載了)
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気象,海象に関しては触れてないので ほぼ人為的原因による事故で間違いないようです。

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