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2020年10月 2日 (金)

Airplane with the Largest Wingspan in the World

世界で最大翼長を持つ航空機は何で,何mでしょうか?

旅客機でも爆撃機でも貨物機でもなく,ロケットを空中で発射させるために開発された母機「スケールド・コンポジット・ストラトローンチ」(Scaled Composites Stratolaunch)で,翼長 117m と思われます。

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この機体に関する経歴等を簡単にまとめるのは難しいので,英文Wikipedia を拙訳して そのまま転載します。

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Scaled Composites Stratolaunch
スケールド・コンポジット・ストラトローンチ

スケールド・コンポジット・モデル351ストラトローンチ(The Scaled Composites Model 351 Stratolaunch)は,スケールド・コンポジットによってストラトローンチ・システム用に製造された航空機で,空中発射による軌道(air-launch-to-orbit)ロケットを搭載する目的で製造された。

2011年12月に発表され,20175月に公開された。この機体は,ツイン胴体(twin-fuselage)デザインで,翼幅385 ft117 m),これまで 最長だった輸送機「ヒューズ H-4 ハーキュリーズ」(the Hughes H-4 Hercules)の 321 ft98 m)を凌ぐ。
ストラトローンチは,550,000ポンド(250トン)のペイロードを運ぶことを目的としており,最大離陸重量は1,300,000ポンド(590トン)である。

この航空機は2019413日に初飛行し,その後まもなく,同社はストラトローンチの創設者であるポール・アレン(Paul Allen)が201810月に亡くなった後,飛翔体(launch vehicles)の空中発射(air-launched)のシステム開発を中止すると発表した。
同社は翌月に操業を停止し,航空機を含むすべての会社資産を20196月までに4億ドルで売却した。

サーベラス・キャピタル・マネジメント(Cerberus Capital Management)は,201910月にストラトローンチ航空機を含むストラトローンチ・システム(Stratolaunch Systems)を買収した。 ストラトローンチは,201912月に高速飛行試験(high-speed flight test)サービスの提供に焦点を当てると発表した。

History
Early development
初期開発

2011年の初めに,ダイネティックス(Dynetics)はプロジェクトの研究を開始し,201112月の一般発表時には約40人の従業員がプロジェクトに取り組んだ。
ストラトローンチは当初,SpaceX (会社名:Space Exploration Technologies Corp.)によるFalcon 9 Airを空中発射(airlaunch)する計画で,その取り組みは12月の少し前に始まった。
Falcon 9で中型ペイロードを打ち上げることで航空機のサイズが決まったが,SpaceX1年後になくなった。

2012年5月, 特別に設計された格納庫がカリフォルニア州モハベのモハベ航空宇宙港(the Mojave Air and Space Port)に建設された。201210月,2つの製造棟のうち最初の棟である,翼と胴体(fuselage)の複合部分を製作するための88,000平方フィート(8,200 ㎡)の施設が生産用に開設された。

2013年8月,ペガサスIIが空中発射体に選ばれた。
2014年8月,オービタル・サイアンシズ(the Orbital Sciences)もランチャーには液体燃料ではなく,すべて固体燃料推進が選択された。2015年8月,20万ポンド(91ton)の構造が組み立てられた。

2016年6月までに,スケールド・コンポジット(Scaled Composites)はプロジェクトに300人のスタッフが携わっていた。
ヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)は,747からランチャーワン(LauncherOne)で小型衛星を打ち上げることも計画している。オービタルATKOrbital ATK)は,中型ペイロード向けのサンダーボルト(Thunderbolt)ロケット・プロジェクトを中止した。

2016年10月に,ペガサスIIは,1990年以来42回打ち上げられたオリジナルのペガサス・ロケットの開発の,輸送機の下に取り付けられた複数のペガサスXLに置き換えられた。

Testing
試験

2017年531日,航空機は燃料補給テストが展開され,地上テスト,エンジン始動,地上走行テスト(taxi tests),そして最終的な初飛行の準備が整った。
2017年のレジスター(Register)新聞は,ストラトローンチが2019年までに “DARPA XS-1” または“Vector Space Systems” と競合する可能性があると報じた。

2017年9月までに,エンジン・テストと「操縦翼面,電気,空気圧,火災検知システム」のテストが行われていた。
2017年12月,最初の低速地上走行(low-speed taxi)テストでは,6つのターボファンを動力源とし 滑走路で25ノット(46 km / h)に達し,ステアリング,ブレーキ,テレメトリをテストした。
2018年に高速地上走行テストが始まり,2月に40ノット(74 km / h),10月に78 kn140 km / h)に達した。
2019年19日,ストラトローンチは110ノット(219 km / h)の地上走行テストを完了し,テスト中に前脚が地面から浮き上がった写真を公開した。

ストラトローンチの創設者でありマイクロソフトの共同創設者であるポール・アレンが亡くなってから3ヶ月後の20191月,ストラトローンチPGAロケットエンジンと専用ランチャーの開発を断念した。
これにより、ノースロップ・グラマン・ペガサスXLは,軌道能力800ポンド(360 kg)の単独の軌道オプションとなった。 ストラトローンチはその後,数週間以内の初飛行と2020年の輸送機からの最初の打ち上げを目指していると報告された。

2019年413日にモハベ航空宇宙港で初飛行し,2時間29分の飛行で高度17,000フィート(5,200 m)および速力 165 kn305 km / h)に達した。

Development halt and sale
開発の中止と販売

ストラトローンチ・システムは,創設者ポール・アレンが201810月に亡くなって以来,操業を停止する可能性があるとの推測があって,ストラトローンチの将来は疑問視されていた。
アレンは,プロジェクトが2010年に始まり,2011年に会社が設立されて以来,資本集約的な開発プログラムの資金源だった。
2019年1月,ストラトローンチは,空中発射の開発を中止すると発表した。
2019年531日,同社は操業を停止し,資産の売却が検討されていることを発表した。
4億米ドルの提示価格が報告された。これには,唯一の航空機,会社の施設,設備,設計 およびその他の知的財産が含まれる。

ストラトローンチは1011日までに,新しい所有権者がいて,通常の事業を継続すると述べたが,投資家グループが誰であるかは明らかにしなかった。
12月,新しい所有者は,不良企業の買収(acquisition)の専門家であるケルベロス・キャピタル・マネジメントであることが明らかになった。
買収後,ストラトローンチは現在,高速飛行試験サービスの提供に注力している。

Post-ownership change
所有権の変更

ストラトローンチは2020年初頭まで,再利用可能なロケット駆動の極超音速飛行体である“Talon-A” を開発していた(2018年のVulcan Aerospace Hyper-Aコンセプト)。
それは2022年から飛行機で運ぶことができ,2023年から一度に3機まで輸送でき,より大きなコンセプト機 “Talon-Z” は貨物や人を軌道に乗せることができた。

Design
設計

ストラトローンチは双胴で,長さはそれぞれ238フィート(73 m)で,12本の主脚と前輪2本で支えられており,合計28本の車輪がある。
双胴構造の機体は,“Scaled Composites White Knight Two” に似ている。各胴体は独自の尾部(empennage)を持つ。

パイロット,副操縦士,およびフライトエンジニアは,右側の機体コックピットに乗り,左側の機体コックピット内は空で加圧されていない。フライトデータシステムは左側の機体にある。

385フィート(117 m)の最大の翼幅は,300フィート(91 m)のアメリカンフット・ボール場よりも大きい。ハイマウントされた高アスペクト比の翼の中央セクションには,ダイネティクスによって開発され、490,000ポンド(220トン)の負荷を受け持てる嵌合(mating)および統合(integtation)システム(MISMating and Integration System)が取り付けられている。

ストラトローンチは,各胴体の外側のパイロンに配置された6台の “PrattWhitney PW4056” エンジンを搭載しており,エンジン1基あたりの推力は56,750 lbf252.4 kN)である。
エンジン,航空電子機器(avionics),フライトデッキ,着陸装置(landing gear)などの航空機システムの多くがボーイング747-400から採用されており,開発コストを削減している。

離陸するために滑走路を12,000フィート(3,700 m)が必要。
ロケットを35,000フィート(11,000 m)でリリースする必要がある。

積載量(payload)は550,000ポンド(250トン)である。
ペガサスIIを使用すると,最大13,500ポンド(6.1トン)の衛星をLEO (Low Earth Orbit,地球低軌道)に,または4,500ポンド(2.0トン)の衛星を15°GTOGeostationary Transfer Orbit, 静止遷移軌道)に配送できる。
24時間以内に宇宙飛行士やペイロードを輸送できる“Dream Chaser” 小型宇宙機を打ち上げることができる。
宣言された目標は,2022年までの高高度発射用に最大3つの “Orbital ATK”の"Pegasus XL" ロケットを搭載することである。

スケールド・コンポジット(Scaled Composites)内では,モデル番号はM351である。
象を運ぶことができるほど大きな神話上の鳥,シンバッド・ロックにちなんで “Roc” と呼ばれている。

General characteristics

Length: 238 ft (73 m)
Wingspan: 385 ft (117 m)
Height: 50 ft (15 m)
Empty weight(機体重量): 500,000 lb (226,796 kg)
Gross weight(機体重量含む燃料): 750,000 lb (340,194 kg) with no external payload
Max takeoff weight(最大離陸重量): 1,300,000 lb (589,670 kg)
External payload(最大積載重量): 550,000 lb (250,000 kg)
Powerplant: 6 × Pratt & Whitney PW4056 turbofan, 56,750 lbf (252.4 kN) thrust each
Maximum speed: 460 kn (530 mph, 850 km/h)
Range(航続距離): 1,000 nmi (1,200 mi, 1,900 km) radius
Ferry range(無積載,最大航続距離): 2,500 nmi (2,900 mi, 4,600 km)

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下の写真は 本文中の “Scaled Composites White Knight Two” で ほぼ同じ形状で 小型版です。

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この主翼だけで結ばれた双胴機を見ると,直観的には翼のセンター付近の捩じり強度などは大丈夫だろうかと言う気になります。
100mを超える主翼が通過する空間は気流(空気密度)の不均一などあって,左右で揚力 および 推力に差が出て 結果的に双胴を連結する部分の主翼に捩じり力,翼の胴体との結合部に水平面での曲げモーメントが過大に発生しそうです。ひょっとすると 気流の不均一を検知して 左右翼のフラップ角度を別々に調節して揚力,推力の均等化を図っているのかも知れません。
双胴の航空機と言えば 第二次世界大戦中,ドイツ軍から「双胴の悪魔」と呼ばれ,太平洋においてはブーゲンビル島上空で 日本海軍連合艦隊司令長官山本五十六大将搭乗の一式陸上攻撃機を撃墜したことで有名な 「P-38 ライトニング戦闘機」(Lockheed P-38 Lightning)を思い出します。(これは正確には 3胴?)これは 尾翼でも結合されているので 一見して強度的ひ弱さは感じません。
Lockheed-p38j-lightning
それでは 世界最大の幅 (‘Vessel with the largest breadth in the world’)を持つ船は何で,何mか?
私が調べた範囲では 「世界最大幅の船は?」に示した 物理探査船 RAMFORM TITAN’ の 70m と思っています。
空母の飛行甲板の幅は船幅とは見做しません。

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