« 見出しに見る勘違い(その632) | トップページ | TVでの面白い発言(その 64) »

2020年10月24日 (土)

‘dinner’ と ‘supper’ の違いはー

中学校の英語で 夕食を ‘dinner’,夜食を ‘supper’ と習いました。
その頃,「外国語間では意味の厳密な 11の対応はない」との認識はなかったので そのまま覚えましたが,経験を積むうちに色々なケースがあることを知りました。

辞書にはー

dinner】(名)ディナー,正餐,夕食◆昼または夜に取る一日のうちの主要な食事のこと

supper】(名)夕食(会),晩餐,夜食

― とあって 夕食はどちらでもいいような書き方です。

それではと ‘Merriam-Webster’ のサイト,‘Usage Notes’ にどのように書いてあるか調べてみました。
タイトルは “Has ‘Supper’ Always Meant ‘Dinner?'” (‘Supper’ は いつも ‘Dinner’ を意味したか?)

The answer is waiting for you and it is still hot.” (答えは あなたを待っており,まだ熱い。)
- です。

下記,拙訳・転載します。

****************************

What to Know
知っておくべきこと

夕方の食事(meal)を指す場合,‘dinner’ と ‘supper’ は一般的に同義である。
ただし,‘dinner’ は,いくぶんフォーマルな言葉であると考える人もいる。
主に英国英語では,‘supper’ は夜遅くに食べる軽食(light meal)やスナック(snack)を指すこともある。

―――――――――――――――

一日の終わりに食べる食事を何と呼ぶか? ‘dinner’ あるいは ‘supper’と呼ぶか? 答えは,どこで育ったか,あるいは年齢によって異なる。 食習慣(dining habits)が変わったため,言葉は意味が変わってきた。
たとえば,現代的なレストランでは,夕食時間(dinner hours)を午後遅くまたは夕方に示す場合がある:

El Jardín will be open for dinner nightly from 5 p.m. to 10 p.m.
A bar menu will be offered from 4 p.m. to 5 p.m. Monday through Friday and 3 p.m. to 5 p.m.
Candice Woo, Eater San Diego, 28 June 2018

同じレストランで,午前11時から午後2時までの間にランチを提供したり,週末のブランチと呼ばれる時間に調整したりできる。

Distinction Between Dinner and Supper
dinner’ と ‘supper’ の違い 

しかし,その日の最後の食事として食べられる,その日の主な食事(the main meal)を指す ‘dinner’ の使用は,比較的最近の現象である。長い間,その主食(main meal)は,今日の ‘lunch’ に割り当てられる時間の前後または少し後に,その日の真ん中の間に摂られた。当時,‘supper’ と呼ばれていたのは,一日の終わりにかけて摂られた軽い食事だった。

モーリス・センダック(Maurice Sendak)の古典的な子供向けの本「かいじゅうたちのいるところ」(Where the Wild Things Are)を読んだことがあれば,マックスはいたずらのため ‘supper’ なしでベッドに送られていることを思い出すだろう。

supper’ を ‘dinner’ と解釈すると,マックスは無情にも空腹のままになっているように思えるかも知れないが,おそらく彼はすでにその日のメインの食事を食べていた。ワイルドシングスで騒動(rumpus)から戻ったとき,その ‘supper’ は彼の部屋で待っていて,まだ熱い。

18世紀と19世紀の英国の作家の多くは,今日の ‘lunch’ と ‘dinner’ のように,‘dinner’ と ‘supper’ を区別した。

********

It is somewhere about five or six o'clock in the afternoon, and a balmy fragrance of warm tea hovers in Cook's Court. It hovers about Snagsby's door. The hours are early there: dinner at half-past one and supper at half-past nine.

午後の5時か6時頃,どこかで,クックの中庭に温かいお茶の香りが漂う。それはスナッグスビー (Snagsby)のドア付近で浮かんでいる。そこでは 時間は まだ早い:‘dinner’ は1時半,‘supper’ は9時半である。
  - チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens),「荒涼館」(Bleak House1853

"So much for Mr. Henry Baker," said Holmes when he had closed the door behind him. "It is quite certain that he knows nothing whatever about the matter. Are you hungry, Watson?"
「ヘンリー・ベイカー氏についてはもう十分だ。」とホームズが後ろのドアを閉めながら 「彼がその件について何も知らないのは確かだ。腹が減ったか,ワトソン?」と言った。

"Not particularly."
「特別に そうでもない。」

"Then I suggest that we turn our dinner into a supper and follow up this clue while it is still hot."
「それじゃあ,‘dinner’ を ‘supper’ にして,まだ熱いうちにこの手がかり(clue)をフォローすることにしよう。」

"By all means."
「もちろん。」
- アーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle),「青いガーネット」(The Adventure of the Blue Carbuncle),1892

“John will show you your room. Supper is at half-past seven. We have given up late dinner for some time now.”
「ジョンはあなたに部屋を見せます。‘supper’ は七時半です。私たちはしばらくの間,遅い ‘dinner’ をあきらめています。」
- アガサ・クリスティー(Agatha Christie),「スタイルズ荘の怪事件」(The Mysterious Affair at Styles),1920

******                 

この区別は米国でも使用され,特に中西部と南部の農業コミュニティの間で使用された。‘dinner’ と ‘supper’ という用語は,20世紀のアメリカ人作家の作品で明確に扱われていた。

*****

After the ceremony at the church, the party went to a dinner given by the parents of the bride. The dinner lasted all afternoon; then it became a supper and continued far into the night.
教会での式の後,パーティーは花嫁の両親によって準備された ‘dinner’ に移った。 ‘dinner’ は午後中続いた。 それから ‘supper’ となり,ずっと夜まで続いた。
- ウィラ・キャザー(Willa Cather),「私のアントニーア」(My Antonia),1918

breakfast’ が私たちの主な(principal)食事だった。日曜日を除く正午の ‘dinner’,そして ‘supper’ はカジュアルなメニューで,多くの場合 朝の残り物で構成されていた。午前530分に迅速に提供されるこれらの ‘breakfast’ には,いつも胃がむかついた(stomach swellers)。
- トルーマン カポーティ(Truman Capote),“The Thanksgiving Visitor”,1967

*****

The Last Supper
最後の晩餐

 キリスト教神学では,‘supper’ という用語は,最終性(finality)を示唆する。
「最後の晩餐」(The Last Supper)として知られ,レオナルド・ダ・ヴィンチによって,そのタイトルで不朽の名作となった最も有名な ‘supper’ は,イエスが十字架刑の前に使徒たちと一緒に食事した

How Dinner Became Supper
dinner’ が ‘supper’ になった経緯

supper’ の歴史的な役割への手がかりは,その語源(etymology)に示されている。‘supper’ と ‘dinner’には英語で密接に関連する動詞がある:‘sup’(スープなどを啜る) と ‘dine’(食事する)。
dinner’ は,中英語(Middle English)で英仏語(Anglo-French)の動詞 ‘disner’ から派生し,「食事する(dine)」という意味である。‘supper’ の原語(etymon)に匹敵するのは,英仏語の ‘super’ である。これは,スープ(soup)に関連する名詞である ‘supe’ に関連する「(スープを)すする」(to sup)という意味である。

supper’ のために準備された典型的な食事は,スープのような軽い食事(repast)のようなもので,おそらく,終日とおしてコンロで煮込む(simmer)ために残されたものかもしれない。
では,夕方(evening)の時間を ‘dinner’ の時間にするために何が変わったのだろうか? 一つには,人々の毎日のスケジュールだろう。

歴史家のHelen Zoe VeitNPR.orgで言及しているように,工業化の進展に伴い,より多くの米国人が家の外で働き始め,その日の真ん中に主食(main meal)を食べることができなくなった。
そのため,‘dinner’ と呼ばれていたものを,彼らが家に帰ってからの夕方にシフトし,軽い日の真ん中の食事(light midday meal)を代わりに ‘lunch’ に採用した。

昼食(lunch)という言葉は,‘luncheon’ の短い形式として,‘luncheonは ‘nuncheon’ の代わりとして,軽食(light snack)について言及している。その言葉の歴史はそれが起こった時間にそれを固定する。正午の軽食(midday refreshment)として使用される中英語の ‘nonshench’ は,‘noon’ を意味する ‘non’と,‘drink’ を意味する ‘schench’ から形成された。

そのため,‘supper’ をその日の最後の食事と呼んでいた特定の世代の話者が,その日の夕方の主食にその言葉を引き継ぎ,‘dinner’ との融合につながったのは当然である。

さて,デザートのためのスペースをいくらか確保していただければ幸いです。

(転載了)
*****************

語源をたどれば色々 面白いのですが,結局 夕食を ‘dinner’ と呼んでいい?

40年以上前に 1ヶ月以上乗ったオーストラリアの貨物船では 昼食が ‘dinner’ でした。
士官食堂には 毎日 タイプされたメニューが準備され,デザートだけで 2,3種類ありました。
機関部の士官たちは油で汚れた作業服を脱いでシャワーを浴び,正装で士官食堂に入りました。日本の貨物船では おそらく考えられません。
食事とは 関係ありませんが,この船では 真冬,オーストラリア大陸と南極大陸の間を航行するとき,操舵室のドアは開けっ放し(暖房断)で 航海士と操舵手は コートを着ていました。更に 当直3人のうちのあと一人,ワッチ(見張り)はドアが開いているとはいえ 操舵室の中には入れず,ナビゲーション・ブリッジのオープン・デッキにフードを被って,時々 足踏みしながら立っていました。おそらく これは英国海軍のやり方ではないかと思いました。

|

« 見出しに見る勘違い(その632) | トップページ | TVでの面白い発言(その 64) »

言葉」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 見出しに見る勘違い(その632) | トップページ | TVでの面白い発言(その 64) »