WHOは 世界的に信頼されているか?
新型コロナウイルスの感染流行は世界的に更なる局面を迎え,下火になる傾向は 全く見えません。
時期尚早ではありますが,‘Pew Research Center’ の ‘FACTTANK’ Nov.12, 2020付けで “How people around the world see the World Health Organization’s initial coronavirus response” (世界中の人々はWHOの最初のコロナウイルス対応をどのように見ているか)と題する調査報告がありました。
下記,拙訳・転載します。
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世界保健機関(WHO)の,コロナウイルスのパンデミックに対する世界的な対応に対して,物議を醸している。ドナルド・トランプ米大統領は,組織が中国に寄りすぎと非難し,米国を中国から撤退させた。同時に,WHOは、COVID-19の見込みのあるワクチンと治療法の国際展開の調整を支援している。
パンデミックのため,今年はリモートによるWHOの第73回世界保健総会開催にあたり,ピューリサーチが6月から8月に実施した調査に基づいて,14の先進国の人々がWHOの最初のCOVID-19対応をどのように評価したかを見てみよう。
1. ほとんどの調査対象国では,いくつかの注目すべき例外はあったが,大多数がWHOによるパンデミックの対応を承認した。14ヶ国の成人の中央値63%が,今年の夏,WHOはコロナウイルスのアウトブレイクにうまく対処したと述べている。これらの国のうち12ヶ国では,半数以上がWHOがパンデミックをうまく管理したと考えている。
このウイルスの初期の2つのホットスポットである日本と韓国は,注目すべき外れ値(outliers)だった。韓国人の約5分の1(19%)と日本人の4分の1(24%)だけしか,WHOがパンデミックにうまく対処したと確信してない。5月に 韓国の文在寅大統領は,特にウイルスに関するデータの共有に関して,加盟国に対して組織を強化するよう求めた。そして,日本の麻生太郎副首相は,中国との緊密な関係のためにWHOを酷評した(panned)。中国は,10人に9人近くの日本人から否定的な見方をされている。
2. 調査対象国のほとんどの人々は,WHOの対応よりも,自国のパンデミックへの対応を承認する傾向があった。しかし,それはどこでもそうではなかった。
スウェーデン,ベルギー,フランス,米国では,同様の割合で自国とWHOが良い仕事をしたと述べている。他の国では,WHOが自国と同じと言うより,発生をうまく処理したと言う人が多かった。(この調査は,コロナウイルス症例の2回目の急増がヨーロッパ全体で始まる前の夏に実施された。)英国では,自国がウイルスにうまく対処したと答えたのは半数未満(46%)だったが,WHOについては64%がうまく対処したと答えた。同様に,スペインでは,54%が 自国がウイルスにうまく対処したと述べ,3分の2はWHOについても同じであると述べた。:
3.米国人は,WHOによるパンデミックの取り扱いについてやや肯定的になっている。米国人の53%だけが,この夏にWHOがアウトブレイクをうまく処理したと述べたが,それは46%だけが そうを言った春以来の増加を表している。
民主党に傾倒する民主党員と支持者は,共和党と共和党支持者よりも,WHOのパンデミック対応を積極的に評価する傾向があった。共和党員のわずか32%と比較して,10人に7人の民主党員はWHOが発生に対処するのに良い仕事をしたと言った。春にも同様の党派の差があったが,WHOの対応を評価した民主党員の割合は,夏までに8ポイント増加した(62%から70%)。
4. 調査対象国すべてにおいて,国連に好意的な意見を持っている人は,国連の一部であるWHOがウイルスにうまく対処したと考える可能性が高かった。たとえばオーストラリアでは,国連に対して好意的な見方をしている成人の69%が,WHOによるパンデミックへの対応が効果的であると考えており,国連に対して消極的な意見を持っている成人はわずか26%だった。
米国を含む一部の国では,政治的イデオロギーと政党への支援もWHOへの見解と関連していた。調査した国の半数では,イデオロギーの範囲の左側にある国は,右側にある国よりも,WHOがパンデミックをうまく処理したと考える可能性が高かった。
同様に,左派ポピュリスト政党を支持するヨーロッパ人は,これらの政党を支持しない人々と比較して,WHOがアウトブレイクをうまく管理したと考える傾向があった。逆に,一部の右派ポピュリスト政党の支持者は,非支持者よりも,コロナウイルスのアウトブレイクに対するWHOの対応が効果的であったと考える可能性が低かった。
5. ほとんどの調査対象国では,女性と若い成人は,WHOがウイルスをうまく処理したと言う傾向があった。性別の格差はイタリアで最大であり,女性の3分の2が,男性の半分未満(44%)と比較して,WHOがパンデミックに効果的に対処したと述べた。
同様に,9ヶ国では,18〜29歳の成人が50歳以上の成人よりも,WHOがアウトブレイクにうまく対処したと言う傾向があった。たとえば,米国では,若年成人の68%が,アウトブレイクに対するWHOの対応が効果的であったと述べたのに対し,高齢者でそう述べたのは49%にすぎなかった。
(転載了)
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自国政府より WHOの方が いい仕事をしたと考えている国がいくつかあります。
考え方によれば 立派な国民です。
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