同性婚に対するカトリック教徒の考えは国よって異なる。
‘Pew Research Center’ の ‘FACTTANK’ Nov.2,2020付けに “How Catholics around the world see same-sex marriage, homosexuality” (世界中のカトリック教徒が同性結婚、同性愛をどのように見ているか)と題する調査結果が掲載されていました。
下記,拙訳・転載します。
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教皇フランシスコが最近,同性の結婚への支持を表明することをニュースで発表された。これは,同性カップルに,結婚した異性カップルと同じ権利の多くを与える法的取り決めである。この声明は,フランシスが同性愛者の結婚に対する彼の長年の反対を変えなかったとしても,2003年に「同性愛者の組合の法的承認」に反対したバチカンへのシフトとして多くのオブザーバーを襲った。
近年行われたピュー研究所の調査によると,世界中のカトリック教徒は同性結婚への支持と一般的な同性愛の受容においてさまざまである。(センターには,同性結婚(civil unions)についての見解に関する最近の調査データはない。)
米国では,約6割のカトリック教徒(61%)が,2019年の調査で,同性愛者とレズビアンの結婚を許可することを支持していると述べている。 2015年の最高裁判所の判決を受けて,同性結婚は全米で合法化された。西ヨーロッパでは,カトリック教徒の大多数が2017年に,合法的な同性結婚を支持すると述べた。 これは,オランダ(92%),英国(78%),フランス(74%),ドイツ(70%)に当てはまる。
調査した西ヨーロッパ諸国のほとんどで同性結婚は合法である。同性結婚は許可しているがゲイ・カップルの結婚は許可していないスイスとイタリアでは,カトリック教徒のそれぞれ76%と57%が,2017年にゲイの結婚を支持していると述べた。
一方,2015年と2016年にセンターが調査したほぼすべての中央および東ヨーロッパの国々では,ほとんどのカトリック教徒が同性結婚に反対している。ウクライナの10人中9人のカトリック教徒は,ハンガリーのカトリック教徒の66%とポーランドのカトリック教徒の62%がそうであったように,同性結婚は違法であるべきだと述べた。中央および東ヨーロッパのほとんどの国は,いかなる種類の合法的な同性婚も許可していない。
一般的な同性愛についてのカトリック教徒の見解に関しては,2019年に実施された世界的な調査もまた複雑な状況を描いている。(調査は34ヶ国を対象としたが,カトリック教徒のサンプルはそれらの国の22ヶ国で分析するのに十分な大きさだった。)
南北アメリカでは,いくつかの国のカトリック教徒の大多数が,社会は同性愛を受け入れるべきであると述べた。これは,ほぼ10人中9人のカトリック教徒(87%)がこの見解を示したカナダ,およびアルゼンチン(80%),米国(76%),メキシコ(72%),ブラジル(71%)の場合でである。ほとんどのカトリック教徒が社会が同性愛を受け入れるべきであると言った世界中の他の国には,スペイン(91%),オーストラリア(81%),フィリピン(80%),南アフリカ(62%)が含まれる。
東ヨーロッパでは,受け入れが弱く,ハンガリー,チェコ共和国,ポーランド,スロバキア,リトアニアの社会が同性愛を受け入れるべきだと言っているのはカトリック教徒の約半分以下だった。(しかし,リトアニアでは,カトリック教徒の27%が質問に答えなかった。)
アフリカや中東を含む他の調査対象国のいくつかでは,カトリック教徒の大多数が同性愛は社会に受け入れられるべきではないと述べた。ナイジェリア(91%),レバノン(84%),ケニア(80%)が当てはまる。
世界的な調査によると,多くの国のカトリック教徒は一般に,非カトリック教徒と同じくらい同性愛者を受け入れている。ただし,これはすべての国に当てはまるわけではない。アルゼンチン,ブラジル,ドイツ,メキシコ,フィリピンでは,カトリック教徒は非カトリック教徒よりも同性愛が社会に受け入れられるべきだと言う傾向がある。そしてポーランドでは,カトリック教徒は非カトリック教徒よりも同性愛が社会に受け入れられるべきだと言う可能性は低い。
カトリック教会は,「同性愛行為は本質的に無秩序である」(homosexual acts are intrinsically disordered)と教えており,ゲイの人々に「純潔」(chastity)を実践するよう求めているが,カトリック教徒にも「尊敬,思いやり(compassion),敏感さ」でゲイの男性と女性を扱うよう求めている。
(転載了)
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宗教の力の影響がが弱まった感じです。
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