ケンブリッジ辞書の今年の言葉は “quarantine”
‘Cambridge Dictionary’ のブログ “About words”,Nov.24, 2020付けに “Cambridge Dictionary’s Word of the Year 2020”(ケンブリッジ辞書の 2020年の言葉)がありました。
下記,拙訳・転載します。
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私たちの2020年の言葉は … “quarantine”(隔離,検疫)である。私たちのデータは,それが今年ケンブリッジ辞書で最も検索された単語の1つであることを示している。
“quarantine”は,検索数と全体的な視聴回数(11月初旬までに183,000以上)の両方でトップ5にランク付けされた唯一の単語であり,検索数の最大(28,545)は,COVID-19の結果として世界中の多くの国がロックダウンに入った3月18日から24日の週に見られた。
この検索数の急増に気付いた編集者は,人々が “quarantine” という言葉をどのように使用しているかを調査し,新しい意味が出現することを知りたいと考えていた:例えば,人々が病気にかかったり,病気を広めたりしないように,家を出たり自由に旅行したりすることが許可されていない一般的な期間。調査によると,この言葉は,特に米国では,人々が病気にかかるのを避けるために家にいる状況を指すために,封鎖(lockdown)と同義語として使用されている。
この新しい “quarantine” の意味(sense)がケンブリッジ辞書に追加され,伝染性(contagious)の疑いのある人や動物を封じ込めることに関連する既存の意味からの移行を示している。
人々が検索する言葉は,世界で起こっていることだけでなく,それらの出来事に関連して 彼らにとって何が最も重要なことかを明らかにする。
ケンブリッジ辞書のユーザーが今年最も検索した単語の中には,コロナウイルスもCOVID-19も登場しなかった。これは,人々がウイルスが何であるかについてかなり自信を持っていることを示していると私たちは信じている。代わりに,ユーザーは,“quarantine” だけでなく,“Word of the Year” の最終候補リストの2つの次点語,つまり “lockdown” と “pandemic” 自体によって証明されるように,パンデミックの社会的および経済的影響に関連する単語を検索していた。
“quarantine” およびその他の関連用語に対するこの関心は,検索統計だけでなく,このブログへのアクセスにも反映されていた。今年最も多く閲覧されたブログ投稿は,“Quarantine”, “carriers” および “face masks” だった。「コロナウイルスの言語」は,2月26日に投稿されてから最初の6週間で約80,000回閲覧され,現在では このブログが公開されてからほぼ10年で,9番目に閲覧されている投稿としてランク付けされている。
この投稿では,“infectious”(感染性), “contagious”(伝染性), “carriers”(保菌者), “super spreaders”(スーパースプレッダー),“symptoms”(症状)などの関連用語のほか,ウイルスの感染,症例の急増,感染拡大の抑制,ワクチンの開発などのフレーズを取り上げている。
私たちの編集者は,オンライン辞書に毎月追加される新しい単語や意味について,さまざまな情報源を定期的に監視している。“New Words blog” では,読者がこれらの単語を追加する必要があるかどうかについて投票できるように,新しい追加の可能性が毎週投稿されている。最近の世論調査では,回答者の33%が,“quarantine” と “team” を組み合わせた“quaranteam”(検疫チーム)、つまり一緒に検疫に参加する人々のグループを辞書に追加すべきと述べている。他の提案には,混成語(portmanteau words)の “quaranteen”, “coronial”, “lockstalgia” などがある。
(転載了)
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“quarantine” の意味が ‘a specific period of time in which a person or animal that has a disease, or may have one, must stay or be kept away from others in order to prevent the spread of the disease’ となり,本来の意味「隔離」に 今までなかった意味の,“disease” からの「退避」,「回避」,「離脱」が加わったようです。
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