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2021年2月10日 (水)

BARACUTA,G9 Harrington Jacket 誕生から現在までの全てー

英国BARACURAの 「G9 Harrington Jacket」はカジュアル・ウエアとしては世界で最も有名なジャケットと思われます。それが どのようにデザインされ,どのように世界に広まったか,‘BARACUTA’ のサイトに詳しく書かれています。

下記に 拙訳して転載します。

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G9, THE ICONIC HARRINGTON JACKET

G like Golf, “9” like the 9 holes of the golf course.
ゴルフの “G”,ゴルフコースの9ホールの “9”。

ハリントン(the Harrington)としても知られるG9は,現在までメンズウェアの歴史上で最も有名なアイコンの1つである。1937年にジョン(John)とアイザック・ミラー(Isaac Miller)の2人の兄弟の創造的天才によって作成され,ハードワークの倫理(ethics)を革新(innovation)と組み合わせることができている。ハリントンは,フレーザー卿(Lord Fraser)によってミラーズに与えられた特徴的で独特の(characteristic and distinctive)フレーザー・タータンの裏地と,背面の紛れもない傘のヨーク(umbrella yoke)・モチーフを通してすぐに判別できる。
G9崇拝(cult)は,米国での流通と多くの有名人によるブランドの採用のおかげで,1950年代に爆発的に流行った。1964年,G9は,ペイトンプレイス(Peyton Place)でロドニー・ハリントン(Rodney Harrington)のキャラクターとして着用したライアン・オニール(Ryan O’Neal)の人気のおかげで,ハリントンとして広く知られるようになった。
G9の起源は,1912年以来ミラー家がレイン・ジャケットを製造していた町,マンチェスターに関連している。1937年,ジョンとアイザック・ミラーはバラクタ・ファクトリーの名前を変更し,マンチェスター・ゴルフクラブのクラブハウスに通い,プレーヤーがスイングを含め,ボールを打つ自由な動きを提供できるジャケットの開発を開始した。

新作には革新的なジップ・ファスナーが装備されており,ゴルファーを雨から守るために,特徴的なケープ構造が頭に追加され,「ウィング・バック・アンブレラ」と名付けられた。兄弟はハイカラー,バック・ドッグイア・カラー(back dog-ear collar)をデザインし,ボタンを付けた。最後に,彼らは ボールとのインパクト中に袖がずり上がらないよう,袖の端にゴム・ストリップ(rubber strips)を加えた。ボタンで留める大きなポケットは 2つのゴルフボールが入るようにデザインされた。
ミラー兄弟は,G9の裏地に最適な生地を注意深く探すことに注力した。

In 1938, they asked for the granting of the checked family pattern to Lord Lovat, the English Lord Brigadier Simon Christopher Joseph Fraser, descendant of the same branch of the family of William the Lion, a frequent visitor to Manchester Golf Club, and began to use it as a G9 lining .

1938年,彼らは,マンチェスター・ゴルフクラブを頻繁に訪れるウィリアム・ライオン(William the Lion)一族の子孫である英国の准将(Brigadier)サイモン・クリストファー・ジョセフ・フレーザーであるロバート卿にチェック柄のファミリー・パターンの付与を頼んで了承され, G9のライニングとして使用を開始した。

その結果,歴史とスタイルの代名詞(synonymous)であるパターンで,最初のバラクータ・ジャケットが完成した。
1953年,アイザック・ミラーはアメリカに移り,エンパイア・ステート・ビルに営業所を開設した。戦後の米国で,アイビー・リーグの少年たちは,8つの,国内で最も名声のある(prestigious)エリート私立大学の1つに入学し,古典的なスーツとタイのコードに加わるつもりはなく,代わりにG9を着始めた。
映画の雑誌やポスターが集められているブラザーフッド(the Brotherhoods)では,伝説的なG9を描いた画像も登場した。これは,ライフ誌の19636月版でスティーブ・マックイーンが着用した赤いモデルや 映画「闇に響く声」(King Creole)のエルビス・プレスリーなどの新しい美学(aesthetic)のアイコンだった。誰よりもイメージをG9にリンクしている俳優はライアン・オニールである。1964年,オニールはペイトン・プレイス物語のロドニー・ハリントンのキャラクターのおかげでメンズ・ファッションに革命をもたらした。彼のG9を身に着けた学校の美しさは,彼と切り離せないものだった。
G9は 前例のない成功(unprecedented success)をおさめた。

キャラクターの人気は,やがてハリントン(the Harrington)と改名されたジャケットと一体化し,それ以来,G9はプレッピー・スタイルのアイコンとなっている。
トレンドの確約(affirmation)の永遠のサイクルでしばしば起こることとして,G9はすぐに主流の美学に取り入れられた(assimilated)。 ジョン・フィッツジェラルド・ケネディなどのアメリカの確立(establishment)のリーダー達によって着られて(sported),その人気は360度で現代のカジュアルなスタイルを定義し,すぐにアメリカ人のワードローブとなった。

1966年,イギリスのウェスト・ロンドン・ボーイズ(the West London Boys)の本拠地であるメリルボーン地区のチルターンス・トリート46番地に,G9の愛好家であるジョン・サイモンズが「アイビー・ショップ」(明らかに米国のアイビー・リーグにインスパイアされた名前)をオープンし,「ロドニー・ハリントン・ジャケット」(The Rodney Harrington Jacket)と書いて,G9をウィンドウに展示した。

間もなく,「困難な環境をクリーンに生きる」というモットーに従って,非常に誠実な外観のケアを通じて共通のアイデンティティを表現したモッズ(the Mods)が,その時の音楽トレンドに強くリンクしたユニフォームの不可欠な部分としてハリントンを採用した。

実際、60年代の終わりから70年代の初めに,ザ・フー(The Who),スモール・フェイセス(Small Faces),ザ・ジャム(The Jam)のアルバムを含むModカルチャーの大成功がリリースされ,ハリントンはますます明確な意味を獲得し,70年代と80年代のいくつかの英国のサブカルチャーの特質(hallmark)を残した。

1981年にタイムズ・スクエアで開催されたコンサートで ザ・クラッシュが着用したジャケットは,パンク・ウェア(punk clothing)の一部となり,後にはロック全般のものとなった。
時が経つにつれて,G9は色と生地を変えたが,英国のオルタナティブ・ファッションのカルト・オブジェクトのままである。スキンヘッドでさえそれを採用し,ハリントンを,剃った頭、ドクターマーチン,そしてブレースをつけたシャツと共にユニフォームに変えた。 90年代と00年代に,G9は,デーモン・アルバーン(Damon Albarn),フランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand),リアム・ギャラガー(Liam Gallagher)などの人物によって,ブリティッシュ・ロック(the Brit-Rock)の復活の波によって再発見された。
2008年,G9は,ダニエル・クレイグが演じた映画『007慰めの報酬』(Quantum of Solace)で,英国式大使ジェームズ・ボンドと共に大画面に戻った。

今日でも,G9ハリントンはイギリスで生産されており,通気性のあるCoolmax®コットンで作られたオリジナルの独特で紛れもないフレーザー・タータンの裏地のおかげで,コピー製品から抜け出ている。

ハーバードからロンドンのスカ・コンサート(ska concert)まで,ハリントンは西洋文化の半世紀を経て,英国の仕立ての信憑性と遺産の象徴である紛れもないデザインの衣服になった。

(転載了)

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ダニエル・クレイグの『007慰めの報酬』で最もポピュラーな衣装の1つとしてG9が挙げられています。

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しかし,写真を見ると これは G9ではないことがわかります。
袖付きが ラグラン・スリーブではなく,セット・イン・スリーブ,袖口はリブではなく カフ,裾はリブではなくボタンで調節するウェストバンドです。脇のポケットは,左の写真ではボタンもフラップもなさそうですが,右の写真ではボタンが見えます。結局,ボタン留めのフラップ付きでしょうか。細身,特に細い袖も G9 のシルエットではありません。

調べると 米国のデザイナー,トム・フォード(Tom Ford)が G4 からのインスピレーションを得てデザインしたもののようです。

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