コンテナ船 “EVER GIVEN”,スエズ運河に拘束。
3月23日にスエズ運河で座礁して 3月29日に離礁するまで, 他船の航行を妨げていた超大型コンテナ船 “Ever Given”(20,000TEU)の運航は自由になりましたが,依然,スエズ運河内に留まっているようです。
エジプトのスエズ運河庁とどのような交渉がされているのか,‘BBC NEWS’ ,Apr.15,2021付け “Egypt seizes ship that blocked Suez Canal over $900m compensation claim”(エジプトがスエズ運河を封鎖した船を9億ドル以上の補償請求で差し押さえ)の見出し記事で伝えています。
以下,拙訳・転載します。
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エジプトは,日本の所有会社が9億ドル(6億5200万ポンド)の補償金を支払うまで,先月スエズ運河を封鎖した巨大なコンテナ船を拘束する(impound)予定である。
“Ever Given” の保険会社の1つである “UK Club” は,要求を解決するための申し出をスエズ運河庁(the Suez Canal Authority)が拒否したと述べた。“UK Club” は,サルベージ手当(salvage bonus)の3億ドルと評判の喪失(loss of reputation)に対する3億ドルを含む要求を「異常に高く(extraordinarily large)」そして「ほとんど根拠がない(largely unsupported)」と述べた。
“Ever Given” は,運河の中間地点であるグレート・ビター湖(the Great Bitter Lake)に錨泊している。この長さ400m(1,312ft),22万トンの船は,3月23日 視界に影響を与える強風と砂嵐の中で座礁し,水路を斜めに横切って塞いだ。強力なタグボートと浚渫船の船団による推定30,000立方メートルの泥と砂を移動させることを含む,サルベージ作業により,6日後に解放された。400隻以上の船が193km(120マイル)の運河を通過するのを待たなければならなかった。運河は地中海と紅海をつなぎ,アジアとヨーロッパを結ぶ最短のルート(sea link)を提供する。
スエズ運河庁(SCA)のオサマ・ラビー長官は火曜日(4月13日)に,“Ever Given” が補償金として「9億ドルを支払わなかったために差し押さえた(seized)」と述べた,とエジプトの国営メディアは報じた。この数字は,「座礁した船舶によって被った(incurred)損失と,浮揚および維持費」に基づいていると彼は付け加えた。
船主の正栄汽船(株)に,インフラストラクチャの損傷や妨害の主張などを含む第三者の責任を保証する“UK Club”は,声明の中で「申し立ての規模にもかかわらず」,SCAと誠意を持って交渉してきたと述べた。「[月曜日(4月12日)]に,SCAに対して,彼らの要求を解決するために慎重に検討された惜しみのない(generous)申し出がなされた」と付け加えた。「我々は,SCAがその後,船を差し押さえる(arrest)という決定を下したことに失望している。」「また,補償金が支払われるまで船はエジプトに拘束され(held),その間,乗組員は船を離れることができないというSCAのコメントにも失望している。」
“UK Club”は,SCAはその要求の詳細な理由(justification)を提示していないと述べ,座礁は何の汚染を発生させず,何の損害も報告されてないと述べた。また,この要求には,所有者と別の保険会社が別々に支払うことを予想していた,“Ever Given” の再浮上を支援するために持ち込まれた専門の救助会社の料金は含まれていなかったとも述べた。正栄汽船(株)の広報担当者は,AFP(Agence France-Presse,フランス通信社)に対し,“Ever Given” の運命(fate)は「法的な領域(in the legal arena)」にあることを確認した。
“Ever Given” の技術管理会社であるベルンハルト・シュルテ・シップマネージメント(BSM: Bernhard Schulte Shipmanagement)も,本船の船級協会であるABS(the American Bureau of Shipping)による検査が終了したことを確認する声明の中で、水曜日(4月14日)の決定に失望を表明した。「この船はポート・サイド(Port Said)への航行には適切と宣言されており,ロッテルダムに向けて出発する前に再度査定される」と述べた。“Ever Given” の25人のインド人乗組員は,エジプト当局と,船舶の航海データ記録装置やその他の資料やデータへのアクセスの許可を含む,座礁に関する彼らの調査に全面的に協力していたと声明は付け加えた。「乗組員は健康で元気であり, 最高水準の任務を果たしていまする。BSMは定期的に乗組員と連絡を取り,船員の家族を支援してきた。」
(転載了)
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簡単には 解決しそうにありません。
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