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2021年5月 3日 (月)

インドネシア海軍潜水艦 沈没事故の原因は?

バリ(Bali)島沖で4月21日,事故により海底に沈んだインドネシア海軍の潜水艦「KRIナンガラ402KRI Nanggala 402」の事故発生原因に関する記事を探して ‘ABC News’,Apr.30, 2021付けで 事故発生原因に関する記事を見つけました。

下記,拙訳・転載します。
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Indonesia's sunken submarine may have been hit by a powerful force known as an internal wave
インドネシアの沈没潜水艦,内部波(internal wave)として知られる強力な力に見舞われた可能性

53人の乗組員が乗船したインドネシア海軍の潜水艦が定期的な訓練中にバリ海の水面下に沈んだのは,彼らを深く引き込んだ(dragged)目に見えないが強力な力に見舞われた可能性がある。インドネシア海軍当局者は,バリ周辺の海で発生することが知られている内部孤立波(internal solitary wave)が,「KRI ナンガラ402」の沈没と,53人の乗組員の死亡を引き起こしたのではないかと疑っている。

艦は救助者の手の届かない,838メートルの深さに沈んだ。乗組員の所持品が浮き上がり,艦内の酸素供給がゆっくりと減少した(dwindled)ため,当局は,誰も生き残る可能性はないと述べた。
問題は残った:何が原因だったのか?

多くの説が言われているが,当局は現在,潜水艦が,先週の水曜日(4月21日)の朝に姿を消したちょうどその頃に,海面下で強い垂直方向の引っ張りを及ぼす可能性のある水中波(underwater wave)がバリ海で発生した証拠があると言っている。

The sub was passing through dangerous waters
潜水艦は危険な海域を通過していた

バリ島とロンボク島の間のロンボク海峡(the Lombok Strait)は,ほぼ隔週で激しい内部波を発生させることで有名であると言われている。

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NASA衛星は,2016年にロンボク海峡で海洋の非線形内部孤立波の画像をキャプチャすることに成功した。(NASAJeff SchmaltzMODIS Land Rapid Response TeamNASA GSFC)」

NASAは,強い潮流(tidal currents),荒れた海底,2つの水路(浅いものと深いもの)の間の水の交換の組み合わせは,「約14日ごとに組み合わされて非常に強い潮流を作り出す傾向がある」と述べた。インドネシア海軍当局者は,この自然現象が,最近提唱されている他の理論よりも潜水艦事故の原因である可能性が高いと考えている。

So what is an internal solitary wave?
では,内部孤立波とは何か?

海面では内部波はほとんど感知できない(imperceptible)。しかし,水中では,そびえ立つ高さに達することがある。

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「内部波は,2013年にNASAが撮影したこの衛星画像のように,海面の波紋のように見えることがある。(Wikimedia Commons: NASA )

KRI ナンガラ402」の元司令官であり,現在はインドネシア海軍の計画と予算編成の助手であるモハメド・アリ(Muhammad Ali)少将は,内部波は事実上「潜水艦の速力より速く,垂直に引きずり込み,沈めることができる強い流れである」と述べた。「我々の疑惑は自然条件にある。バリ島北部で当時,内部孤立波が発生したためである。」と彼は今週インドネシアのメディアに語った。実際,海軍当局者は,日本の「ひまわり8号」衛星とヨーロッパの衛星「センチネル」からの画像は,「KRI ナンガラ402」の沈没時と一致して大きな水中波があったことを示したと言っている。「それは海底から,2つの山の間の海溝(trench)北に移動するおとがある。」とインドネシア海軍司令官およびスタッフ・スクールの司令官であるイワン・イスヌルワント(Iwan Isnurwanto)提督は語った。

「波は約2海里(速度,nautical miles in speed,*管理者注:2ノット?遅い!)で,水の量は約200万から400万立方リットルだった。」イワン提督は,内部波の自然に直面して乗組員は無力になった(render-helpless)可能性があると説明した。「それは自然の意志だろう」と彼は言った。「水が潜水艦を運び,それを押し下げたら,何ができただろうか?安全対策がその問題に抗することはできなかっただろう。これが起こった可能性が高い」と語った。

Other theories include a missile, a blackout and a weighed-down sub
他の原因説には,ミサイル,停電,潜水艦自身の過重量が含まれる

潜水艦に何が起こったのかについての他の説も出てきた。
潜水艦が外国船からのミサイルに襲われた,あるいは停電が発生したと示唆する人もいる。しかし,海軍当局者は,潜水艦が魚雷訓練のために潜水を開始したときにはまだ確認されており,「ライトが点灯していた」と言う。つまり,停電が原因である可能性はごくわずかだった。彼らはまた,潜水艦が過荷重になっていることを否定し,53人の乗組員が乗船していたが34ベッドしかなかったため,乗組員は3つのシフトに分けられ,交代で眠ったと主張した。「潜水艦はもともと33人用だったが,50人を乗船させる必要性に応じて近代化されていた」とイワン提督は語った。
当局によると,潜水艦は最大8本の魚雷(それぞれ約1トンの重さ)を搭載できるように設計されていたが,事故時には4本しか積んでなかった。

他の多くの専門家は,金属疲労による亀裂や腐食,および潜水艦の年齢が原因である可能性が高いと指摘している。「KRI ナンガラ402」は1978年に建造され,ほぼ10年前の2012年に最後にオーバー・ホールされた。

昨年は別の修理が予定されていたが,パンデミックのために延期された。

引退したオーストラリアのジェームズ・ゴールドリック(James Goldrick)少将は,「重大な失敗」が潜水艦の喪失の最も可能性の高い原因であると述べた。「原因には,1つまたは複数のコンパートメントの壊滅的な浸水につながる物質的または機械的な故障が含まれる可能性がある」と彼は今週の ‘The Conversation’ に書いている。「潜水艦がその深さの制御を失うためには,浮力の多くの損失を必要としない。」。「閉鎖された環境で潜水艦が特に恐れている火災が発生した可能性がある。あるいは,人為的ミスが発生した可能性もある。」
しかし,潜水艦またはその部品を海底から回収しない限り,捜査官は悲劇の正確な原因を特定できない可能性があります。

Will Indonesia be able to retrieve the ship from the bottom of the sea?
インドネシアは海底から艦を回収することができるか?

KRI ナンガラ402」は,魚雷発射演習のために潜水する許可が与えられた直後の421日の午前4時頃に海軍当局との連絡を絶った。捜索船とヘリコプターは,数時間後,その地域の油膜とディーゼル燃料の臭いを報告した。

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「潜水艦がトラブルに見舞われてから数時間後に、油膜が水面に現れた。 (AP:エリック・イレン)」

土曜日にバリ海に浮かんでいる、行方不明の潜水艦からの紛れもない(tell-tale)の物体 - これには,祈りのマット,魚雷発射機構の一部,潜水艦の潜望鏡用の油が含まれる -が見つかるまで,世界中からの船が大規模な捜索に加わった。その後,水中スキャンにより,潜水艦が838メートルの深さまで沈み,船体(hull),メイン・セクション,船尾の少なくとも3つの部分に分かれていることが確認された。遠隔操作のカメラは,海底での潜水艦が最後に横たわる場所を記録した。インドネシアの軍事当局は,そのような任務の兵站と莫大な費用を考えると,どのように,あるいはもしそうなら,潜水艦をそのような深さから引き上げることができるかについて取り組んでいる(grappling)。

ゴールドリック少将は,潜水艦の少なくとも一部を「KRI ナンガラ402」よりもさらに深いところから引き上げる前例(precedent)があると述べた。

Project Azorian’ とコードネームが付けられた米国の1974年の任務は,沈没したソビエトのミサイル搭載潜水艦の機密の発見を含んだ大きな部品の回収だった。」と彼は K-129の沈没に言及して言った。「そうは言っても,800メートル以上の水深から約1,300トンの金属の塊を海面に戻すことは,厄介な(formidable)仕事(proposition)であることに変わりはない。」

The options to find the remains of the crew members
乗組員の遺骨を見つけるためのオプション

インドネシアの軍事および海洋の専門家は,ナンガラの深さといくつかの部分への分裂は,潜水艦を海面に上げるための実行可能な選択肢が2つしかないことを意味すると言う。彼らは,118人の乗組員全員が死亡したクルスク(Kursk)で行われたように空気または浮力のある液体を入れたチューブや風船を船体に取り付けたり,クレーンやはしけからスチール・ケーブルで潜水艦を持ち上げることができた。
しかし,どちらのオプションも費用がかかり,ロジスティック的に困難であり(daunting),遠隔操作車両を集中的に使用する必要がある。潜水艦の正面を上げると,魚雷の爆発物を処理することによるレスキュー部隊へのリスクを生じる可能性がある。

今のところ,海軍は,最大150 kgの物体を持ち上げることができる遠隔操作無人探査機(ROVremotely operated vehicle)を使用して,より小さなパーツを回収することに重点を置いている。53人の乗組員の家族は,潜水艦が回収できない場合でも,少なくとも海軍が彼らの愛する人の遺体を適切な埋葬(proper burial)のために海面まで運ぶことを要求している。

一部のインドネシアのメディアが示唆しているように,悲しい現実は,53人の乗組員が「永遠のパトロール(eternal patrol)」で永遠に海に留まるということになる。

(転載了)
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沈没原因の確定は難しく,「可能性が高い」原因を提示するしかないでしょう。
2012年の韓国での修理工事におけるミスを原因とする説はひっこんだようです,そもそも その証明が困難。

又,遺族感情としては 遺体の引き揚げを希望していますが,かなり難しそうです。

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