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2021年6月24日 (木)

米国人の60%が 死刑制度を肯定している,が-。

米国は先進国としては珍しく(日本もですが)死刑制度が存続しており,2020年の死刑執行は17人と言われています。
Pew Research Center’ に Jun.2,2021付けで 死刑制度に関する米国国民への調査結果が掲載されていました。

下記,拙訳・転載します。

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Most Americans Favor the Death Penalty Despite Concerns About Its Administration
ほとんどの米国人は,その運用についての懸念はあっても,死刑を支持

78% が,冤罪で処刑されるリスクがあると述べている。

米国では死刑執行が徐々になくなりつつある。 昨年は,コロナウイルスの発生もあって,この30年間で処刑された人がどの年よりも少なかった。

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しかし,殺人罪で有罪判決を受けた人々への死刑は,その執行,公正さ,そしてそれが重大な犯罪を抑止する(deters)かどうかについての広範な疑念にもかかわらず,大多数の米国人の支持を集め続けている。

米国人の多くは,死刑に反対するより賛成している:米国の成人の60%は,死刑を強く支持している27%を含んで,殺人で有罪判決を受けた人々の死刑を支持している。ピュー研究所の新しい調査によると,約 10 人中4 (39%) が死刑に反対し,15% が強く反対している。

センターの「アメリカン・トレンド・パネル」で45日から11日にかけて5,109人の米国成人を対象に実施された調査によると,死刑への支持は20208月よりも5パーセント・ポイント低下し,65%が殺人で有罪判決を受けた人々の死刑を支持すると答えた。

002h_20210610145701 死刑に対する世論の支持は近年わずかにしか変化していないが,死刑に対する支持は1990年代後半から2010年代にかけて大幅に減少した。

米国人の多くは,死刑の執行方法に懸念を示しており,死刑が人々の重大な犯罪を抑止するかどうかについては懐疑的である(skeptical)。

10 人中8人近く (78%) が,無実の人が死刑になるリスクがあると答えているが,それを防ぐための十分な安全対策があると考えているのは 21% だけである。死刑支持者のわずか 30%,そして反対者のわずか 6% が,無実の人々が処刑されるのを防ぐための十分な保護手段が存在すると述べている。

米国人の過半数 (56%) は,黒人の方が白人よりも重大な犯罪で有罪判決を受けた場合に死刑を宣告される可能性が高いと述べている。この見解は黒人の成人の間で特に広まっている:黒人の成人の85%は,同様の犯罪で有罪判決を受けた場合,黒人は白人よりも死刑を受ける可能性が高いと述べている(ヒスパニックの成人の61%と白人の成人の49%がこれを言っている)

さらに,死刑支持者の約半数 (48%) を含む 10 人中6 人以上の米国人 (63%) が,死刑は重大な犯罪を抑止するものではないと述べている。しかし,死刑の支持は,誰かが殺人を犯した場合,死刑は道徳的に正当化されるという信念と強く結びついている。一般の人々の間では,64% が殺人の場合の死刑は道徳的に正当化されると答え,33% は正当化されないと述べている。圧倒的な割合の死刑支持者 (90%) が,死刑反対者の 25% と比較して,そのような状況下で道徳的に正当化されると述べている。

党派は,引き続き死刑とその運用に関する意見を支配する主要な要因である。共和党員と支持者の 4 分の 3 (77%) が,殺人罪で有罪となった人には死刑を支持すると述べており,そのうち 40% はそれを強く支持している。

民主党員とその支持者は,この問題についてさらに意見が分かれており,46% が死刑を支持し,53% が反対している。民主党員の約 4 分の 1 (23%) が死刑に強く反対しているのに対し,17% は死刑を強く支持している。

過去 2 年間で,殺人罪で有罪判決を受けた人に対する死刑を支持すると回答した共和党員の割合はわずかに,% ポイント減少した。一方,民主党員は基本的に変化はない( 今日:46%  vs. 2019年:49% )。

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共和党と民主党はまた,死刑が道徳的に正当化されるかどうか,死刑が重大な犯罪の抑止力になるかどうか,そして無実の人が死なないことを確実にする適切なセーフガードが存在するかどうかについても意見が分かれている。共和党支持者は民主党支持者より死刑が道徳的に正当であると回答する確率が29%高く,重大な犯罪を抑止すると回答する確率が28%高く,適切なセーフガードが存在すると回答する確率は19%高い。

しかし,最も大きな党派対立は -死刑自体に対する意見の違いよりも広いが - 白人と黒人が同様の罪を犯した場合に死刑を宣告される可能性が等しいかどうかについてである。

共和党員の 10 人中7 (72%) が,白人と黒人が同じ種類の犯罪で死刑になる可能性は同等であると述べており,民主党員の 15% だけがそう言っている。代わりに,民主党員の 10 人中8人以上 (83%) が,同様の罪を犯した場合,黒人の方が白人よりも死刑になる可能性が高いと述べている。

Differing views of death penalty by race and ethnicity, education, ideology
人種や民族,教育,イデオロギーによる死刑に対する考え方の違い

この問題については,両党内に大きなイデオロギーの違いがある。民主党員の間では,保守派と穏健派の 55% が死刑を支持しており,リベラルな民主党員のわずか 36% がこの立場を保持している (リベラルな民主党員の 64% が死刑に反対している)。リベラルな民主党員の 3 分の1 が死刑に強く反対しているのに対し,保守派や穏健派ではわずか 14% だった。

004h_20210610145801 保守的な共和党員は,中道派やリベラル派の共和党員よりも死刑を支持する傾向があるが,両グループの明らかに多数派が死刑を支持している (保守派の共和党員の 82% と中道派の共和党員とリベラル派の共和党員の 68%)。

過去と同様,死刑への支持は人種や民族によって異なる。白人 (63%),アジア系 (63%),ヒスパニック系の成人 (56%) の大多数は,殺人罪で有罪となった人の死刑を支持している。黒人の成人は均等に分かれている:49% が死刑を支持し,同じ割合が反対している。

死刑への支持は年齢層によっても異なる。18 29 歳の約半数 (51%) しか死刑を支持してないのに対し,30 49 歳の成人の約10人中6 (58%) および 同様に 65 歳以上 (60%) が死刑を支持している。50 歳から 64 歳までの成人が,死刑に最も賛成しており,69% である。

教育によっても考え方に違いがある。 大学に行ってない成人の 10 人中7人近く (68%) が死刑を支持しており,大学の経験はあるが学位を取得していない人の 63% も同様である。

005h_20210610145801 4 年間で学士号を取得したものの,大学院の経験がない人の約半数 (49%) は,死刑を支持している。大学院の学位を取得した人は,死刑に賛成 (44%) よりも反対 (55%) が多く回答している。

大卒者と非大卒者との間での死刑を支持する意見の相違は,人種や民族グループ全体で見られるが,この差の大きさはさまざまである。大学の学位を持たない白人の成人の大多数 (72%) が死刑を支持しているのに対し,学位を取得している白人の成人の死刑を支持は約半数 (47%) である。黒人の成人では,大卒者の 34% に対して,非大卒者の 53% が死刑を支持している。大学の学位を持たないヒスパニック系成人の過半数 (58%) が死刑を支持すると言うが,大卒者のより少数 (47%) が死刑を支持すると言っている。

Intraparty differences in support for the death pen
死の囲いを支持する党内の相違

共和党員は一貫して民主党員よりも死刑を支持する可能性が高いが,各党内には人種や民族だけでなく年齢によっても分裂がある。

18 歳から 34 歳の共和党員は,他の共和党員に比べて,死刑を支持すると回答する可能性が低くなる。この年齢層の共和党員の 10 人中6人強 (64%) が死刑支持だが,35 歳以上の共和党員では約10人中8人が死刑支持である。

006h_20210610145801 民主党員の間では,50歳から 64歳の成人は,他の年齢層の成人よりも死刑を支持する傾向がはるかに高い。50歳から 64歳の民主党員の 58% が死刑を支持しているのに対し,35歳から 49歳の民主党員では 47% であり,18歳から 34歳または 65歳以上の民主党員は 10 人中4 人ほどいる。

全体として,白人の成人は黒人やヒスパニックの成人よりも死刑を好む傾向があり,白人とアジア系米国人の成人も同様に死刑を好む傾向がある。ただし,白人の民主党員は,黒人,ヒスパニック,またはアジア系の民主党員よりも死刑を支持する可能性が低い。ヒスパニック系 (53%),アジア系 (53%),黒人 (48%) の民主党員の約半数が死刑を支持しているのに対し,白人の民主党員は 42% である。

白人共和党員の 10人中8 人が死刑を支持しており,ヒスパニック系共和党員の 10 人中7 (69%) が死刑を支持している。

Differences by race and ethnicity, education over whether there are racial disparities in death penalty sentencing
人種や民族による違い,死刑判決に人種差があるかどうかをめぐる教育

死刑判決が人種間で公正に適用されるかどうかについては,人口統計学的に大きな違いがある。黒人の成人の 85% が,同様の罪を犯した場合に,黒人の方が白人よりも死刑になる可能性が高いと述べているが,ヒスパニック系の成人の 61% と,白人の成人の約半数 (49%) が同じことを言っている。また、4 年制大学の学位を取得した人 (68%) は,大学を卒業していない人 (50%) よりも,黒人と白人では死刑に関して異なる扱いを受けると回答する傾向がある。

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リベラルな民主党員の 94% と保守的で穏健な民主党員の 4 分の 3 を含む民主党員の 10人中8 (83%) が,同じ種類の犯罪を犯したとして白人よりも黒人の方が死刑になる可能性が高いと述べている共和党員のわずか 25% が共有する見解である (保守的な共和党員の 18% と穏健派およびリベラルな共和党員の 38%)

教育や人種,民族のグループを超えて,死刑は重大な犯罪を抑止するものではないと言うが,この見解の幅には違いがある.大卒者の約 10人中7(69%) がこれを言い,非大卒者の約10人中6 (59%) がそう言っている。成人の 10 人中7人が黒人 (72%) と,白人 (62%) とヒスパニック (63%) の成人が同じことを言っている。アジア系米国人の成人はさらに分裂しており,半数が死刑は重大な犯罪を抑止すると述べ,同様の割合 (49%) がそうではないと答えている。

共和党員の間では,保守的な共和党員のわずかな過半数 (56%) が,死刑は重大な犯罪を抑止すると述べているが,穏健派およびリベラルな共和党員 (57%) の同様の割合は,抑止しないと述べている。

リベラルな民主党支持者の大多数 (82%) と,それよりも少数ではあるが,保守的で穏健な民主党支持者 (70%) の過半数 (70%) は,死刑は重大な犯罪を抑止しないと述べている。しかし,民主党は,死刑が道徳的に正当化されるかどうかについて意見が分かれている。保守派と穏健派の民主党員の過半数 (57%) が,殺人などの罪を犯した場合に死刑が道徳的に正当化されると述べているが,リベラル派の民主党員 (44%) では半数以下だった。

死刑に関連する 1つのトピックについては,広く合意されている:10人中8人近く (78%) が,さまざまな人種や民族,教育,そして イデオロギーグループでさえ,大多数が無実の人が死刑になるリスクがあると述べている。 たとえば,保守的な共和党員の約 3 分の2 (65%) が,無実の人が処刑されないようにするための十分な保護手段があると 34%が答えているのに対し,そう言っている ― 保守的な共和党員が,他の問題については死刑に対して非常に好意的な態度を示しているにもかかわらず。

Overwhelming share of death penalty supporters say it is morally justified
圧倒的多数の死刑支持者は,死刑は道徳的に正当化されると述べている

死刑に賛成する人は,反対する人よりも死刑の特定の側面に関して一貫してより好意的な態度を示す。

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たとえば,死刑を支持する人の 10人中9人は,誰かが殺人などの犯罪を犯した場合,死刑は道徳的に正当化されるとも述べている。死刑に反対する人のわずか 25% が,死刑が道徳的に正当であると答えている。

この関係は各党派の間で成立する。死刑を支持する共和党員と共和党支持者の 94% が,死刑は道徳的に正当であると述べている:死刑を支持する民主党員と民主党支持者86%も,このように述べている。

比較すると,死刑に反対する共和党員の 35% と民主党員の 21%だけが,死刑が道徳的に正当であると答えている。

同様に,死刑を支持する人は,死刑は重大な罪を犯すことを抑止すると言う傾向が強い。死刑に賛成する人の半数が,反対する人の 13% と比較して,このように述べている。そして,両方のグループの大多数が,無実の人が死刑になるリスクがあると言っているにもかかわらず,死刑を支持する一般市民は,死刑に反対する米国人よりも,これを防ぐための十分なセーフガードがあると答える可能性が 24 パーセント・ポイント高い。

黒人と白人が同様の罪を犯したことで死刑を宣告される可能性が等しいかどうかという問題では,党派は,死刑に対する全体的な支持よりも,これらの見解と強く関連している。死刑に反対する共和党員は,賛成派の民主党員よりも,白人と黒人が同じように死刑になる可能性が高いと答えている。

死刑を支持する共和党員の 78% は,黒人も白人も同様にこの判決を受ける可能性が高いと述べている。

死刑に反対する共和党員の約半数 (53%) がこのように述べている。 しかし,死刑を支持する民主党員のうち,黒人も白人も同様にこの判決を受ける可能性が高いと答えたのはわずか26%であり,死刑に反対する民主党員のうちこれを述べたのはわずか6%である。

(転載了)
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死刑制度肯定への国民の見解が明確です。
さて,日本は?

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