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2021年7月18日 (日)

オールスター・ゲーム前,ニューヨーク・タイムズ に掲載された大谷翔平に関する報道

デンバーでのオールスター戦前日の712日,‘The New York Timesは 大谷翔平に関する特集記事を掲載しました。
見出しは “Shohei Ohtani Is Just the Star America’s Pastime Needs”(大谷翔平は米国の娯楽がまさに求めていたスターである)で 格調の高い(翻訳が難しい)文章でした。

下記,拙訳・転載します。
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This week the Angels star, one of the greatest spectacles in all of sports, will hit and pitch in the All-Star Game. He could not have timed his breakout season any better.
今週, 全てのスポーツで最高のスペクタクルの1つであるエンゼルスのスターが,オールスター・ゲームで打ち,投げる。彼にとってブレイクアウト・シーズンをこれ以上の良いタイミングで迎えることはなかったと思える。 By Kurt Streeter(スポーツ・コラム担当)

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シアトル— ‘T-Mobile Parkの そびえる(lofty)アッパー・デッキにある孤独な安い席で,これを入力するとき,私はまだ,今見たものを要約しようとしている。

ロサンゼルス・エンゼルスの,肩幅の広い(broad-shouldered),投手兼パワー・ヒッターであり,メジャー・リーグが何世代にもわたって待っていたユニークな選手,大谷翔平は,スタジアム全体を驚愕の畏敬(stunned reverence)の状態にするほどの力で本塁打を放った。

ボールは空に向かって(skyward)急上昇した。この暖かい夜に大谷の対戦相手であるシアトル・マリナーズの何人かのメンバーは,それを追跡するために首を伸ばし(craned),それから地面を悲しげに(dolefully)見つめた。観衆は一斉にハッと息をのんだ(gasp)— それはゴム風船から放出される空気の音に似ていた。

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「なんてことだ(Oh my God),本当に起こったのか?」 ファンが友達につぶやいた。

ボールがコンクリートの階段にぶつかる音が聞こえるほど近くに着地した。案内係(usher)が身を乗り出して私に言った,マリナーズの試合に10年以上携わっていて,ボールがこれほど高く,激しく打たれるのを見たことがないと。

私が座っていた場所から,フィールドを超えて,ホーム・プレートはまるで1マイル離れているように見えた。人間がこれほど遠くボールを打つことは不可能に思えた。

驚くべきではなかった。大谷翔平はシーズン中,可能なこととして弧を描いてきた。彼は打席(plate)とピッチング・マウンドとから,ほとんど何でもできるように思える。これだけは議論の余地(debatable)がない:現在,27歳の大谷翔平はすべてのスポーツの中で最も素晴らしいショー(spectacle)の1つである。

月曜日に,大谷はデンバーのクアーズ・フィールドでホームラン・ダービー(the Home Run Derby)の見出し(headline)となる。
火曜日に,彼はオールスター・ゲーム(the All-Star Game)で打って,投げる。

彼がこれを続ければ,これまでで最高のシングル・シーズンの野球を完了するだろうという議論ができる。

クリフズ・ノーツ(the Cliffs Notes),追いついていない人のために:そのアッパー・デッキのホームランは大谷のシーズン33本目だった。彼は本塁打でリーグをリードしており,これを続ければ,バリー・ボンズ(Barry Bonds)が打ち立てた73本のシーズン記録を脅かす可能性がある。彼は記録を書き直しつつある。

大谷は,世代を超えて最初の正真正銘の(bona fide)ツーウェイ・プレーヤーであることを証明しながら,これらすべてを行ってきた。彼は現在,野球の最高の投手の一人と見なされている。先週,彼がマウンドからボストン・レッド・ソックスを抑えて記録を4(勝)-1(敗)に押し上げたとき,彼の投球の75パーセント近くがストライクだった。彼は速球を燃やし(blazed fastballs),遅い軌道曲線(orbital curves)を混ぜた。これは単なるピッチングではなかった。芸術だった。

試合後,彼の監督であるジョー・マドンは,大谷を野球の偶像の中の偶像(icon)と例えた(compared):マウンドで主役を演じ,打席では毎日にように主役を演じる,メジャー・リーグの最後の支配的な(dominant)プレーヤーである。「私たちは皆,ベーブ・ルースがプレーするのを見るのがどんな感じだったかを理想化して考えている(romanticize)」とマドンは言った。「あなたはこの才能(stuff)を聞く,そしてそれは伝説的(larger-than-life)で,より広い概念である。 今、私たちはそれを生きている。 だから,見ているものを過小評価しないでいい。」

野球は今,大谷を必要としている。試合はリスト化される。野球は何年にもわたって続いてきたように,過ぎ去った昔の幅広い人気に苦しんでおり,今やパンデミックの引き波に直面しながらそうなっている。

America needs Ohtani right now, too.
米国も今,大谷が必要。

6フィート4インチの身長で非常に脚の速い大谷は,日本で実績を上げ,2018年に エンゼルスでアメリカン・リーグ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。

中国で発生したパンデミックは,狂気をもたらした。その結果,アジア系米国人(アジア大陸のすべての国にルーツを持つ人々)は,何世代にもわたって米国に滞在してきた最近の移民や家族- は常に包囲された状態で暮らしている。彼らは,時には致命的なヘイトクライムや醜い差別の急増(spike)に晒されている。

このひどい環境で,私たちは何を見るか? 米国の娯楽として,依然 売り出されているスポーツを完全に(utterly)支配しているアジアのアスリート。

「彼はすべての人々のベーブ・ルースを引き受け,比較されている」と,熱心な野球ファンであるロン・若林は語った。彼は,「ロサンゼルス郡人間関係委員会(the Los Angeles County Commission on Human Relations)」とその前の「日系米国人市民同盟(the Japanese American Citizens League)」を率いて何年も過ごした後,76歳で引退している。 "ベーブ・ルース! 米国人の精神(psyche)に深く根付いている男,つまり,“wow”。大谷,彼がしていることをしている,彼はこのコミュニティにとって流行の先端(ton)を意味する。 特に今。」

私は先週,多く(slew)のアジア系米国人の野球ファンやコミュニティのリーダーと話をした。ロサンゼルスにある数ある寺院の1つである仏教の僧侶で,今年、彼の寺院が嫌悪感を持って破壊された。
米国での代表と所属のためのアジアの闘争を研究する,大谷を愛する大学教授。
マリナーズ・スタジアム内の母親と父親と家族。

偏見(prejudice)の高まりに結びついた恐怖と痛みの話を何度も聞いた。

しかし,私はまた,希望に満ちた何かを聞いた:大谷の壮大な(magisterial)季節が,どれほど,心を落ち着かせ(soothing),強化する効果を生み出したか。

若林はそれを完璧に説明する話をした。

彼は,いくつかの反アジア人攻撃が発生したロサンゼルス地域のコミュニティを頻繁に3マイルの散歩をしている間,最近注意深く背後を見ていると言った。

しかし,それらの散歩で,彼は大谷について考える。そして彼がそうするとき,彼は力と根性(guts)について考える:偉大な日本のプレーヤーは決してひるむこと(flinching)はなく,「決して後退することはない」,そしてそれらすべてを行う。

激動(great turbulence)の時代,大谷の強さと勇気(moxie),そしてアジア人の顔がほとんどない野球界での彼の動きは,「生活を少し良くしている」。

スポーツはそれ以上のことができるだろうか? そうは思わない。

通訳を使って英語でスポーツ・メディアとコミュニケーションをとっている大谷は,米国での差別と怒りの高まりに沈黙している。彼の前の多くの著名な日本生まれの選手の伝統で,彼は野球,ストライク,ホームラン以外のほとんどすべてに対して慎重(circumspect)である。

しかし,それでいい。彼は違いを生むために声を出して言ったり(speak up),遠慮なく言う(speak out)必要はない。 彼のピッチングと打撃,そしてメジャー・リーグで支配するために使用している優雅な二刀流の流動性は,多くのこと(plenty)を物語っている。

(転載了)

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オールスター・ゲーム後の 米国のメデイアからも 絶賛の大谷翔平さんでした。

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