“World Giving Index 2021”(世界人助け指数),114ヶ国中 日本は114位。
英国の チャリティー団体 “Charities Aid Foundation(CAF)” が6月に “CAF WORLD GIVING INDEX 2021 (A global pandemic special report)” を発表しました。
“Giving Index” は 日本語では 「寄付指数」,「人助け指数」,「思いやり指数」などと訳され,アンケート調査結果に基づいて処理,指数化し,ランキングしています。
その結果― 上位 25ヶ国 および 最下位 23ヶ国を下表に示します。
日本は 総合で,調査対象 114ヶ国中 114位です。
(下記,レポートより抜粋・拙訳。)
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Background
背景
CAF (Charities Aid Foundation)は,10年以上にわたって世界寄付指数(World Giving Index)を作成してきた。最初のCAF Giving Indexは世界的な金融危機をきっかけに発表された。そして今,この長期にわたる研究は,新しい世界的な危機であるCovid-19パンデミックが世界中の寄付(giving)にどのように影響したかを調べる機会を与えてくれた。
このレポートは,世界中で寄付の範囲と性質についての洞察(insight)を提供し,寄付行動の3つの側面を考察する。レポートの中心にある質問は次のとおりである:
過去1ヶ月間に,次のいずれかを実行しましたか?
・Helped a stranger, or someone you didn’t know who needed help?
見知らぬ人を助けましたか,それともあなたが知らない誰かが助けを必要としていましたか?
・Donated money to a charity?
宗教団体や政治団体、慈善団体等にお金を寄付しましたか?
・Volunteered your time to an organisation?
組織的なボランティアに時間を自発的に提供しましたか?
このレポートには,2009年以降に世界中でインタビューされた160万人の個人の結果が含まれている。この結果は,これまでに作成された「寄付」(giving)に関する最大の調査の1つである。
すべてのフィールドワークは,世界世論調査(World Poll)イニシアチブの一環として,市場調査会社 ギャラップ(Gallup)によって実施された。
2020年3月にパンデミックが発生したため,ギャラップはリスク評価を実施するために データ収集を一時停止し,調査を継続するための緊急時対応計画を実施した。2020年5月までに,ギャラップは対面インタビュー(中央および東ヨーロッパ,ラテン・アメリカ,旧ソビエト諸国,発展途上のアジア,中東、アフリカでの通常のデータ収集方法)を継続することは安全または適切ではないと判断した。
ギャラップは,緊急時のデータ収集計画を開始し,完全に電話ベースの方法に移行した。方法の変更は,このレポートで詳述されている調査結果に重大な影響を与えたとは見なされない。
各国では,対象となるすべての固定電話およびモバイル・サービス・プロバイダーがサンプルに含まれており,対象範囲には地方が含まれている。
CAF World Giving Index ranking and scores
ランキングとスコア
CAF世界寄付指数(World Giving Index)は,世界中の寄付行動(giving behaviour)のおおよその尺度(rounded measure)を確立するために,各国で尋ねられた3つの重要な質問からの回答の単純な平均に依存している。各国にはパーセンテージ・スコアが与えられ,各国はこれらのスコアに基づいてランク付けされる。2019年,CAFは,10年にわたる調査結果を集約したインデックスの10周年記念号を発行した。
Methodology
CAF世界寄付指数(World Giving Index)は,2020年に114ヶ国で実施された,進行中の研究プロジェクトであるギャラップの世界観世界投票(World View World Poll)のデータに基づいている。これらの国々を合わせると,世界の人口の90%以上を占めている。この調査では,寄付行動(giving behaviour)を含め,今日の生活のさまざまな側面について質問している。調査対象の国と各地域での質問は年ごとに異なり,ギャラップによって決定される。
調査対象のほとんどの国では,全国に住む個人の代表的なサンプルが1,000の質問票に回答している。対象地域は,地方を含む全国である。サンプリング・フレームは,国全体の市民,特定の組織に属さない(non-institutionalised),15歳以上の人口全体を表している。一部の大国では,より多くのサンプルが収集され,少数の国では,世論調査は500〜1,000人を対象としているが,それでも代表的なサンプルを取り上げている。調査は,面接スタッフの安全が脅かされる場合,一部の国では人口の少ない島々,面接官が徒歩,動物,または小型ボートでしか到達できない地域など,限られた数の事例では実施されていない。合計で,2020年に121,000人以上がギャラップからインタビューを受けた。サンプルは確率ベースで,コロナウイルスのパンデミックのために完全に電話で実施された。
2020年3月,パンデミックが発生すると,ギャラップはデータ収集を一時停止してリスク評価を実施し,調査を継続するための緊急時対応計画を実施した。2020年5月,ギャラップは完全に電話ベースの方法を使用してデータ収集を再開した。電話インタビューに移行する際の重要な考慮事項は,インタビュアーと回答者の安全性,高レベルの代表性の維持,および高品質のデータ収集だった。
ギャラップが95%の信頼水準(結果が母集団全体を真に反映しているという信頼水準)で計算した,各国の結果には固有の誤差(ランダム・サンプリング誤差の量)がある。最大許容誤差は,報告されたパーセンテージを50%と想定して計算され,設計効果を考慮に入れている。
ギャラップは2018年に,電話でのインタビューが行われた国全体で,世界世論調査のアンケート内の慈善寄付に関連する一連の項目の場所を大幅に変更したことは注目に値する。これらの変更が結果に何らかの影響を及ぼしたかどうかは,当時は不明だった。CAFは,進行中の傾向を注意深く監視して,そのような影響を検出している。その結果として,2018年に実施された世論調査からの各国の調査結果は公開されていない。
Calculation of CAF World Giving Index ranking
CAF世界寄付指数ランキングの計算
索引および本書に示されているパーセンテージはすべて,最も近い整数または小数点以下第1位に四捨五入されている。ただし,CAFが実施する分析では,小数点以下2桁まで計算されたパーセンテージ・スコアが使用される。四捨五入により,国のランキングでは,2つ以上の国が同じ割合であるように見えても,均等に配置されていない場合がある。四捨五入により,国のランキングでは,2つ以上の国が同じ割合であるように見えても,均等に配置されていない場合がある。
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‘Giving Index’ を求める3項目 「見知らぬ人を助けたか」,「寄付をしたか」,「ボランティアに参加したか」の Top 10 と Bottom 10 を次に示します。
前回 2019年の ‘10th EDITION’ では 日本は「人助け指数」総合で 126ヶ国中107位でした。
そして今回は 調査対象(世界人口の90%)114ヶ国中,何と 114位でした。
果たして この結果は正確に(相対的に)実状を示しているのでしょうか?
前回,107/126 の結果に対するコメント,感想として-
「・・・ いずれの調査も客観的,定量的には無理なので,自己申告のみのデータに基づいており,そこに大なり小なり 民族性,国民性が影響せざるを得ない調査報告ということです。かつて タイガーマスクが施設にランドセルを寄贈したように,日本人は人助けを世間に公表することを「善しとしない」民族であり,他国民に比べ 人助けも,寄付も,ボランティアも匿名性を重んじることを考慮すべきと考えます。
この調査を実施している米国人,英国人が 「秘すれば花」(ちょっと違うか?)を理解できるとは思えません。
この調査結果を どの程度 信じていいのか,どのように受け止めるかは 各国の国民性の「人助け」の善意の面と同時に 「顕示欲」,「ハッタリ性」あるいは 逆の「羞恥心」などの考慮が必要になりそうです。
- と,「日本人は この結果を気にするな」 という論調になりましたが -
さて,実際のところ,日本人は この報告書をどのように見るのが正しいのか,この結果を どう受け止めるべきか,難しいところです。
太平洋戦争末期,既に日本の敗戦色濃厚の頃,パリの晩さん会で,戦前 駐日大使(1921~27)を勤め,関東大震災での日本国民の振る舞いを見た,劇作家であり詩人であるポール・クローデル氏をして そのスピーチの中で,敢えて 「日本人は貧しい。しかし 高貴だ。世界でどうしても生き延びて欲しい民族をただ一つあげるとしたら,それは日本人である。」と言わしめた日本人は,貧しさと共に遠くにいってしまったと考えるのが果たして正しいのかどうか ・・・。」
- と書きました。今回も,同じ感想を持ちます。
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