“Ever Given”,3ヶ月余のスエズ運河幽閉から遂に脱出
July 5.2021付け ‘REUTERS’ に “Settlement agreed to release ship that blocked Suez Canal”(スエズ運河を封鎖した船を解放することに合意して和解)の見出し記事がありました。
3月29日からの3ヶ月を超える,スエズ運河内 ‘Great Bitter Lake’ での拘束から解放されるようです。
下記,拙訳・転載します。
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エジプト,イスマイリア,7月4日(ロイター)- 3月にスエズ運河を封鎖した コンテナ船 “Ever Given” の所有者と保険会社は,日曜日に補償紛争で正式な和解が合意されたと述べ,運河当局は船が 7月7日に出航を許可された。
スエズ運河庁(SCA:The Suez Canal Authority)は,SCAによる補償請求をめぐる論争の中で、3月29日に離礁・撤去されて以来、巨大船とその乗組員を2つの水路の間の湖に停泊させてきた。
日本が所有する “Ever Given” は強風に巻き込まれ,6日間運河を遮ったままとなり,世界貿易を混乱させた。
所有者の正栄汽船とその保険会社を代表するスタン・マリン(Stann Marine)のファズ・ピアモハメド氏は声明のなかで,「船舶の解放の準備が行われ,合意に達するイベントがやがてイスマイリアの当局本部で開催される」と述べた。
SCAは,和解契約は水曜日の式典で署名され,参加者は船が去るのを見ることができるだろうと述べた。
スタン・マリンは和解の詳細を明らかにしなかった。
SCAのオサマ・ラビー会長は,運河サイドは,他の詳細については言及せずに,和解の一環として,約75トンの牽引能力を持つタグボートを受け取ると述べた。
「我々は当局の権利を完全に守り,会社との関係,そして日本との政治的関係も守った。」と彼は日曜日の夜の民間テレビチャンネルに語った。
ラビー氏によると,運河は2021年上半期に30億ドルの収益を上げ,“Ever Given” の事故にもかかわらず,昨年の同時期と比較して8.8%増加した。
正栄汽船とその保険会社は先月,SCAと原則的に合意に達したと語った。
SCAは,救助活動,評判の低下,収益の損失をカバーするために9億1600万ドルの補償を要求した後,その要求を5億5000万ドルに公に引き下げた。
正栄汽船と船の保険会社は,エジプトの裁判所命令に基づく請求と船の拘留(detention)に異議を唱えていた。
裁判所筋と弁護士によると,日曜日の早い時刻,エジプトの裁判所は,運河と船主が和解を完了することを許可するために,補償紛争の審理を7月11日に延期した(adjourned)。
(転載了)
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報道に従って 7月7日,‘vessel finder’ で,”Ever Given” の位置を確認しました。
- 7月7日 02:52 UTC(日本時間 11:52)*UTC:世界協定時
まだ ‘Great Bitter Lake’ にいます。
- 7月7日 10:50 UTC(日本時間 19:50)
‘Great Bitter Lake’ から出ました。北に(地中海)向かっています。 - 7月7日 14:08 UTC(日本時間 23:08)
地中海への出口 Port Said まで あと10海里
- 7月7日 20:11 UTC (日本時間 7月8日 05:11)
地中海に出ました。出口から10海里付近でアンカーを打っています。
長い停泊だったので,船底等の潜水調査実施,船級協会の承認後 航海を始めるものと思います。
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