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2021年9月28日 (火)

日本の医療体制の特異性,あるいは歪。

日本における新型コロナ・パンデミックで明らかになったのは 他の先進国に比べて 非常時の医療体制の貧弱さ,あるいは非常時医療体制を速やかに敷く能力がないことです。
そのために 本来入院すべき患者が自宅に留まり,最悪の場合,死亡するなど,先進国家として恥ずべき状況を余儀なくされています。
この原因の一つは 医療関係者人員不足と言われています。更に 医療関係者の絶対数が少ないのに加えて,日本の医療界の特性がありそうです。
特に 日本の開業医(個人病院)の多さ,それによる非常時の医師集中の困難さが問題では,と思いますが,世界各国の開業医の数の比較データは見つかりません。
そこでー 医師数と病院数とから考えてみました。

世界的には 日本の医師数はどうなのか?

No-of-doctors-and-nursees
Doctor-100000
単位人口当たりの医師の数はG7では最少(2.49人/1,000人)で,少ないのは事実です。
この理由は?医師会が自らの収入レベル確保のため医学部学生を増やすのに反対しているから?かどうかは分かりません。

更に 興味深いのは 病院の数です。

Hospitals-no

上図のように 病院の数(絶対数)が群を抜いて多く,米国より 多いのです。医師の数が少なく,病院数が多いのは何を意味するかー

病院や医師の定義,上記データの年度など不明確なところがありますが,大まかに病院当たりの医師の数を求めると下表となります。

Doctor_20210923135101
当然,日本の 病院当たりの医師の数は最少です。
次に少ないフランスでも 日本の1.9倍です。
これは 日本の医療界の特徴を示しておりー
「個人病院(開業医)が多く,大病院が少ない。」結果でしょう。
医師の絶対数が少ないことはもちろんですが,それ以上に 開業医が多いことは,緊急時,非常時に,国,あるいは地方自治体が医療体制をコントロールする/できる(大)病院(=医師数)が少なく(国立,県立などが少ない),他先進国に比べ必要ヶ所に行政の力で医師を集中できないことに繋がっていそうです。
長い年月を経て築かれたこの体制は 一朝一夕には変えることは無理で,次のパンデミックがあっても 日本は同じ悲劇ー 入院できず,自宅で死亡ーなどの悲劇を繰り返すことになりそうです。

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