米国交通安全局,現代自動車の内部告発者に27億円の報奨金
‘COMPLIANCE WEEK’ の Nov 10, 2021付けで
“NHTSA issues first-ever whistleblower award of $24M to Hyundai insider”
(NHTSAは現代自動車インサイダーに 2,400万ドルの史上初の内部告発者褒賞発行)
の見出し記事がありました。
下記,拙訳・転載します。
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現代自動車の元安全技術者が,米国運輸省交通安全局(NHTSA:the National Highway Traffic Safety Administration)から最初の内部告発者賞(whistleblower award)を受賞する:米国で販売された160万台の現代自動車と起亜自動車のエンジン安全問題に関する情報に対して2,430万ドル(約27億7000万円)が支払われる。
現代自動車と起亜自動車は,安全法で義務付けられているように,エンジンの安全上の欠陥をタイムリーにNHTSAに報告しなかったという主張の課徴金として,2020年に合計2億1,000万ドルを支払った。その2億1,000万ドルのうち,8,100万ドルが米国政府に現金で支払われた。
火曜日の内部告発者への支払いは,証券取引委員会(the Securities and Exchange Commission)と合衆国内国歳入庁(Internal Revenue Service)での同様のプログラムの成功をモデルにしたNHTSAの内部告発者プログラムで許可された8,100万ドルの最大30パーセントに相当する。
2016年,キム・グァンホ(Kim Gwang-ho)は,現代自動車と起亜自動車のシータIIエンジンの安全性の問題に関する情報をNHTSAに最初に提出した。キムの法定代理人であるコンスタンティン・キャノン(Constantine Cannon)からのプレスリ・リースによると,エンジンは押収され,さらには発火する傾向があった。
「これらの欠陥のある車の所有者を保護するために私が取ったリスクに対して正当に補償されたことを嬉しく思う。また,米国の法制度がこれを可能にするプログラムを実施していたことに感謝する。」キムはリリースで言った。「私の報告が,現代と業界全体の両方で,真の安全性の向上につながることを願っている。」
コンスタンティン・キャノン社によると,この褒賞は自動車内部告発者に支払われる最高額である。
「内部告発者は,政府機関から隠されている深刻な安全問題に関する情報をNHTSAに提供する上で重要な(crucial)役割を果たす。」と,政府機関の副管理者であるスティーブン・クリフ博士は述べている。「この情報は公共の安全にとって重要であり,私たちは情報を私たちに提供してくれた人々に報いることを約束する。」
現代自動車のスポークスマンは,同社は「安全を真剣に受け止め,透明性(transparency)と説明責任(accountability)の文化を育んでいる」と語った。2019年,北米現代自動車(Hyundai Motor North America)は,「組織全体に最高水準の自動車の安全性を注入し,実施する責任を負う」最高安全責任者の役割を作成した。
議会は2015年に自動車安全内部告発者法(the Motor Vehicle Safety Whistleblower Act)を可決し,NHTSAで内部告発者プログラムを確立した。6年経って,政府機関はまだプログラムの規則(rules)を起草している最中である。規則がなくても,自動車および自動車部品メーカー,請負業者,自動車ディーラーによる安全法違反に関する情報を持った内部告発者は,政府機関に情報を提供し,褒賞を受け取ることができる。
コンスタンティン・キャノン社のアリ・ヤンポルスキー氏は,現代自動車と起亜自動車における自動車の安全性に関する懸念は,キムの内部情報なしには明らかにされなかったかもしれないと語った。彼は,キムは,職場で彼に提供された情報資料を通してNHTSA内部告発者プログラムについて学んだと言った。
彼は,エンジンの問題とそれを隠すための企業の取り組みについて規制当局に警告するために,自費で社内文書を非難するブリーフケースを持って韓国からワシントンD.C.に飛んだ。彼の大学生の年齢の娘が彼に同行し,彼の通訳を務めた。
「これらのケースの多くでは,内部情報が絶対的に重要である。誰かがステップ・アップして規制当局に提出する必要がある」とヤンポルスキー氏は述べている。
「世界中の自動車業界の従業員は知っておく必要がある:雇用主が米国で安全でない車を販売している場合,NHTSAはあなたからの連絡を希望し,違法行為を暴露したことに対して金銭的な見返りを支払うことができる。」
(転載了)
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「現代自動車の品質戦略チームに勤務していた元部長・キム氏2016年,韓国政府と米国政府に現代・起亜自動車のエンジン『シータ2』の欠陥を暴露した。キム氏は会社の営業秘密を流出したとして解雇され,業務上背任容疑で検察に告訴された。」
更にー
「 ・・・ 米国政府は公益情報提供者の貢献度によって政府が得た収益の10-30%を褒賞金として支払っているが,キム氏は今回その最高額 30%を受け取ることになったのだ。
・・・
キム氏はすでに韓国でも内部告発者として認められ勲章を受け取っており,国民権益委員会から2億ウォン(約1900万円)の褒賞金を受け取っている。キム氏は 今年10月に米国の非営利団体『欺瞞に対抗する納税者教育ファンド(TAFEF:Taxpayers Against Fraud Education Fund)』から『今年の公益情報提供者』に選ばれた。」 と韓国の新聞は報じています。
キム氏が渡米する(解雇される)前,現代自動車内で どのような動きをしたのか,しなかったのか,知りたいものです。
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