ピンカートン探偵社とは?
先日,NHK BSプレミアムで 西部劇 『3時10分,決断のとき』(‘3:10 to Yuma’,2007)を観ました。主演は ラッセル・クロウ(‘Russell Ira Crowe’, 1964~ )とクリスチャン・ベール(‘Christian Charles Philip Bale’, 1974~ )です。Wikipedia には 「西部劇としては近年稀に見るヒット作となった。」とありましたが,不思議なことに初めて観ました。過去,TVで放映されたことはなかったのでしょうか?
クリスチャン・ベール演じる,南北戦争で脚を負傷して義足の牧場主 ダンが,父親の尊厳と誇りを息子に見せるため命を賭ける話で,結局は主役 ダンは絶命するという,単純なヒーロー西部劇ではありません。この話の中で,ピンカートン探偵社のグループが出ます。ピンカートン探偵社は しばしば西部劇に現れます。
特に有名なのは 『明日に向って撃て!』(‘Butch Cassidy and the Sundance Kid’,1969)で ポール・ニューマン(‘Paul Newman’, 1925 - 2008)演じるブッチと,ロバート・レッドフォード(‘Robert Redford’, 1936~ )演じるサンダンスの列車強盗を,鉄道会社に依頼されたピンカートン探偵社がどこまでも,執拗に追跡し,二人はついに国内での逃亡を諦め,南米に行く話です。
このピンカートン探偵社とは? 現在も存在するのか?
英文Wikipedia を読んでみました。
この中から 「概要」と「映画」部分を拙訳・転載します。
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“Pinkerton (detective agency)”
「ピンカートン(探偵社)」
ピンカートン探偵社(the Pinkerton National Detective Agency)として設立されたピンカートンは,1850年代にスコットランド人アラン・ピンカートン(Allan Pinkerton)によって米国で創業され,現在は ‘Securitas AB’ の子会社である民間警備および探偵社(private security guard and detective agency)である。ピンカートンは,南北戦争中,個人的な安全のためにピンカートンのエージェントを雇った次期大統領(president-elect)のエイブラハム・リンカーンを暗殺する計画を失敗させたと宣言して有名になった。
ピンカートンのエージェントは,警備から民間軍事請負業務に至るまでのサービスを実行した。ピンカートン探偵社は,創設時から,当時は珍しい慣習である女性とマイノリティを雇った。ピンカートンは,その力の頂点に立つ世界最大の私設法執行機関(private law enforcement organization)だった。
19世紀後半,20世紀,21世紀の労働ストライキの間,ビジネスマンはピンカートン・エージェンシーを雇って組合に潜入させ(infiltrate),警備員を供給し,ストライキをやる人(strikers)や疑いがある組合員を工場から遠ざけ,労働者を威嚇する(intimidate)ためにごろつき(goon squads)を募集した。そのような対立の1つは,1892年のホームステッド・ストライキ(the Homestead Strike)だった。そこでは,ピンカートンのエージェントが,アンドリュー・カーネギーに代わって行動する,実業家ヘンリー・クレイ・フリックのスト破り対策を強化するために呼び出された。
その後の(ensuing)ピンカートン探偵社とストライキ労働者との争いより,3人のピンカートン・エージェントと9人の鉄鋼労働者(steelworkers)が死亡した。
ピンカートンは,イリノイ州,ミシガン州,ニューヨーク州,ペンシルベニア州,ウェストバージニア州での石炭,鉄鋼,木材の紛争,1877年の大鉄道ストライキ(the Great Railroad Strike),1921年のブレア山の戦いの警備員としても使われた。
同社は現在に至るまでさまざまな形で継続し続けており,現在はスウェーデンの警備会社 ‘Securitas AB’の一部門であり,“Pinkerton Consulting&Investigations,Inc. d.b.a. Pinkerton Corporate Risk Management” として運営されている。以前の政府サービス部門であるPGSは,現在 ‘Securitas Critical Infrastructure Services,Inc.’ として運営されている。
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Appearance in popular media/メディアへの登場
Film/映画
・アラン・ピンカートンと何人かのエージェントは,コリン・ファレルとガブリエル・マクトがジェシーとフランク・ジェームズとして主演する映画「アメリカン・アウトロー(American Outlaws)」(2001)で重要な役割を果たしている。ピンカートンと彼の探偵は,架空のロック・ノーザン・レール・ロード(Rock Northern Rail Road)の所有者に雇われて,ジェシー・ジェームズと彼の仲間を追跡し,彼の会社を狙った一連の強盗を追跡した。
・ピンカートンは1980年の映画「ロング・ライダーズ(The Long Riders)」で取り上げられた。ここでは,ピンカートンのエージェントがジェームズ兄弟の犯罪活動を調査する様子が描かれている。
・2人のピンカートン・エージェントが映画「レジェンド・オブ・ゾロ(The Legend of Zorro)」に登場し,ゾロの正体に関する知識を使って彼を脅迫した。
・ピンカートン探偵社は,ラッセル・クロウとクリスチャン・ベールをフィーチャーした「3時10分,決断のとき(the 3:10 to Yuma)」のリメイクに登場し,駅馬車を盗賊から守る映画の冒頭に登場する。後にクロウのキャラクターによって殺されたバイロン・マッケルロイ(ピーター・フォンダ)を除いて,すべてが殺される。
・1994年の西部劇「バッド・ガールズ(Bad Girls)」では,殺人を犯した後,3人の主人公が2人のピンカートン・エージェントによって追跡される。
・1997年のジェームズ・キャメロンの映画「タイタニック(Titanic)」では,キャルドン・ホックリーの従者兼ボディーガードのスパイサー・ラブジョイが元ピンカートン探偵である。
・2016年の「マグニフィセント・セブン(The Magnificent Seven)」のリメイクでは,ピンカートンをモデルにした架空のブラックストーン探偵事務所のエージェントが敵対者として登場する。
・2017年のケネス・ブラナーの映画「オリエント急行殺人事件(Murder on the Orient Express)」で,サイラス・ベスマン・ハードマンは秘密捜査官のピンカートン探偵であることが明らかになった。
・2019年の西部劇映画「バッドランド(Badland)」では,主人公(protagonist)は 大統領によって承認され,黒人の上院議員によって南軍(Confederate)の戦争犯罪者(war criminals)を追跡して絞首刑にするよう指示された,ニューメキシコ州のピンカートン探偵である。
(転載了)
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何故か「明日に向かって撃て!」の記述がありません。
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