“Canada Goose” は,その価格に相応しい価値があるか?
この季節,通行人の半分以上は ダウン・ジャケットを着ているように感じます。
私は 40年ほど前は着ていましたが,この30年くらいダウンの製品を買ったことはありません。それほど寒くなくなった,動きにくい,大袈裟,皆着ていて恥ずかしい ・・・ などの理由です。(実は,モーニング・エクササイズ用に,‘Baracuta G9’ の下に着る,UNIQLOの「襟付きウルトラ・ライト・ダウン・ベスト」が欲しいのですが 狙っているタイプが Sold Out のようです。)
40年近く前に買った J.Press,ハーフコートの レスキュー・レッドの Shell は擦り切れて廃棄しましたが,ダウン・ライナーが残っており,最近,家人が 0℃に迫る気温下でのモーニング・エクササイズ時に着ています。
現在,ダウン・ジャケットで最も有名なブランドを二つ挙げるなら,製品の品質,機能は別として “Canada Goose” と “Moncler” だと思います。いずれも,それなりの価格です。
‘Gentleman’s Gazette’ のサイト,January 25, 2019 付けで “Canada Goose Jackets – Is It Worth It? by Sven Raphael Schneider” という記事があって “Canada Goose” の評価をしていますた。
下記,拙訳・転載します。
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近年,“Canada Goose” は,機能的なウェアに焦点を当てた小さなブランドから,極めて人気のある非常にスタイリッシュなブランドに移行した。結果として,我々がレビューしようとしている彼らのフラッグシップ・ジャケットは約1000ドルの値段なので,知りたいのだが,それは本当にその値段の価値があるか?モンクレール(Moncler)のような他の有名なジャケットと比べてどうだろうか?
Canada Goose History
他の多くのブランドと同じように,アウトドア用品の非常に機能的なブランドとしてスタートした。1957年にポーランドの移民サム・ティック(Sam Tick)によって設立された。興味深いことに、それは “Canada Goose” ではなく “Metro Sportswear” と名付けられた。彼らは1970年代にダウン・ジャケットの生産を開始したが,主にレンジャーと警察のジャケットに焦点を当てていた。
1985年までに,彼らは,当時 “Canada goose” ではなく,“Snow Goose” と呼ばれていた独自のブランドでジャケットを製造することを決定した。当時,彼らは “LLBean” や “Eddie Bauer” などの企業向けのプライベート・ラベル・ジャケットも製造していた。彼らはゆっくりと成長し,90年代初頭にヨーロッパに展開した。
残念ながら,他の誰かがすでに “Snow Goose” という名前を使用していたため、ブランドを “Canada goose” に切り替えた。彼らは名前を変えることを余儀なくされたが,それは本当に寒いカナダの気候との前向きな関係のために有益であることがわかった。2001年,ダニ・ライス(Dani Reiss)が父親から引き継いで “Canada Goose” のCEOに就任した。当時,多くの企業がまだ海外に生産を移していたが,彼は「いいえ,カナダで生産するつもりです」と言った。
同時に,彼は製品を国際的に,そして特にヨーロッパに力を入れ始め,人々はそれが高級なハイ・エンド製品であると関連付けたので,高値札(high price tag)に疑問を呈しなかった。
皮肉なことに,“Canada Goose” ブランドは,2010年頃まで 全く目立たなかった(flew pretty much under the radar up)。このブランドは,ダニエル・クレイグなどの有名人を使用して,積極的なプロダクト・プレースメント(映画などの小道具として目立つように商品を配置することで,商品を露出を高める広告手法)戦略を実行した。もちろん,それは彼らの収入にも反映されていた。同社は年間1800万からその倍数になり,2013年には70%の株式を25億ドルで売却した。
その時までに,“Canada Goose” は非常に人気がでて,モデルの ‘Kate Upton’ が ‘Sports Illustrated’ のカバー水着エディションにジャケットを着た。今日,“Canada Goose” は,品質とカナダ国内での生産に引き続き注力している。“Canada Goose” の商品ラインナップは着実に増えており,今では軽量のジャケットだけでなく,パンツなどのアウターウェアも含まれている。もちろん,“Canada Goose” ブランドの人気に伴い,モンクレールと同じように多くの偽造ジャケットも市場に出回っている。彼らはまた,認証システム(authentication system)を使用して,あなたが最高額を支払った場合,あなたが本物を手に入れ,模倣品ではないことを確認している。モンクレールと同じように,“Canada Goose” はステータス・シンボルになった。そのため,ジャケットが実際に機能的か,値段に見合う価値があるかどうかを調べたいと思う。
What I’m Wearing…
それで 私はコヨーテのトリムが付いた “Canada Goose Emory” スリム・フィット・パーカー・ジャケットを着ている。色はモンクレールより派手さが少なく,オリーブ・グリーンを選んだ。
Genuine Coyote Fur Trim
ジャケットをモンクレールのものと視覚的に区別する最初のものは,本物のコヨーテ・ファー・トリムである。“Canada Goose” は,顔の周りにより乱れた空気を作り出し,トリムのないジャケットよりも凍傷を防ぐという意味で機能的な目的があると主張している。同社は,コヨーテの毛皮はカナダで倫理的に管理され,罠で調達されていると主張している。現在,罠は動物にとって常に困難で苦痛であるため,その主張に疑問を呈する人を何人か知っている。
Matte Material
マット素材
次に目立つのは素材である。マットで,モンクレールのジャケットよりもかなり厚い。また,とても不快に感じる,歩くと大きな音がする。素材はポリエステル85%,綿15%でできており,耐水性,耐久性、耐摩耗性,耐風性に優れている。ゴアテックスのメンブレン素材ではないが,モンクレールから得られるものよりも確かに厚く,はるかに剛性がある。そうは言っても,ナイロンは通常,ハイエンドの合成繊維とポリエステルである。私の意見では,生地の硬さはジャケット全体に直接感じられ,ジャケットを歯科医院でのX線ベストを着ているのと比較した人もいただろう。
Ribbed Cuffs
リブ編みの袖口
リブ編みの袖口は冷気の侵入を防ぐのでとても有効である。
Pockets & Zippers
ジャケットにはたくさんのポケットがあり,プラスチックで覆われた “Zamak” の金属製スナップ・ボタンがたくさんある。もちろん,すべてブランドものである。ジッパーはYKKの射出成形プラスチックで,皮肉なことに,モンクレール・ジャケットで使用されているものと同じである。しかし,何らかの理由で,閉じるのが非常に難しいと思う。したがって,小売価格が1,000ドルのジャケットの場合,Amazonで約6ドルで購入できる平均的なYKK製品ではなく,機械加工された金属で作られたハイ・エンドのジッパーを期待していた。
Duck Down Feathers
ブランドは “Canada Goose” と呼ばれているが,このジャケットの実際の詰め物は、グース・ダウンより劣るダック・ダウン・フェザーで構成されている。では,グース・ダウンとダック・ダウンの違いは何か? そう,グース・ダウンはより大きなクラスターで提供され,通常は空気をよりよく閉じ込める。つまり,アヒルよりも高いフィル・パワー(fill power)とガチョウの断熱性が得られる。このジャケットはダック・ダウンを使用しているため,625のフィル・パワーは驚くことではない。
この場合も,ロー・エンドのフィル・パワーは300,ハイ・エンドのフィル・パワーは900になる。だから,このジャケットは真ん中のどこかにある。それは80%のダウンと20%のフェザーで構成されており,90%のグース・ダウンと10%のフェザーであるモンクレール・ジャケットほど良くないが,どちらも市場に出回っている他のジャケットほど良くない。たとえば,スウェーデンのブランド “Jöttnar” は93%ダウン,フィル・パワー 850のジャケットを製造しており,英国のメーカー “Peter Hutchinson Desings(PHD)” は1000フィル・パワーのジャケットを誇っている。
Thermal Experience Index
温度体感指数
モンクレールとは異なり,“Canada Goose” にはTEIまたは 温度体感指数(thermal experience index)と呼ばれる暖かさの評価方法があります。それはあなたがあなたのニーズと,あなたの環境と,あなたが経験する寒さのレベルに最も適しているジャケットを見つけるのを助けるだろう。
Is The Canada Goose Emory Jacket Worth It?
PROS
良い点
・“Canada Goose” ジャケットの構造は,より武骨で(rugged)頑丈に(sturdy)見える。率直に言って,私はこれらのジャケットを着て,違いを実際に理解することはできない。スキーに行くとき,外気温にぴったりの熱レベルを得ることができるように重ね着するからである。この極地のハイテク生地は,モンクレールのナイロン生地よりも確かに頑丈で,時間の経過とともに着心地が良くなると思う。
・モンクレールとは異なり,“Canada Goose” には生涯保証(lifetime warranty)が付いており,これは製造上の欠陥に対する単なる保証ではあるが,実際よりも良く聞こえる。
・それは間違いなく高品質のパーカーであり,本物の毛皮のトリムがあり,625のフィル・パワーがあり,あなたを暖かく保ち,よく考え抜かれている。
CONS
悪い点
・それが出す音と,歩くときに出る騒音を単に不快と感じる。
・モンクレールのジャケットよりも重いことは,私の意見ではそれほど素晴らしいものではないが,もっと重要なのは,私の好みには硬すぎるということである。
・また,この “Canada Goose” の約半分の価格で,より高いフィル・パワーを備えたより暖かいジャケットを見つけることができることを覚えておくとよい。
・全体的には,モンクレールのジャケットよりも20ドル安いだけで,かなり高価だが,結局のところ,これらのジャケットは非常に光沢があり膨らんでいて,どれも本当にスタイリッシュとは思わないが,これは 膨らんではいないが,非常に硬くて,自分を,とてもスタイリッシュでない人のように感じさせる。だから,もしあなたが本当にスタイルを気にかけているのなら,あなたが街で同じように暖かく保つと同時にあなたがずっと良く見えるようになる重いオーバーコートを着てください。
CONCLUSION
結論
価値の面では,“Canada Goose” の方が モンクレール・ジャケットより優れていると言える。これは,細部がより機能的であり,より長く着用できる可能性があるためである。そうは言っても,増加した重量,生地の硬さ,お尻のジッパーの痛みとの組み合わせを考えると,995ドルは,このパーカーに適した価値とは思わない。
(転載了)
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いずれにせよ 所謂 ブランドのブランド代の価格に占める割合の大きさは明らかなようです。
また “Goose Down” ではなく “Duck Down” が使われていることを覚えておきましょう。
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