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2022年1月19日 (水)

韓国,建設中のマンション壁崩壊事故,原因

1月11日に発生した,韓国 光州市の建設中マンションの壁崩壊事故の原因に関わる事実が分ってきたようです。
(1月17日 中央日報・日本語版より転載。)
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コンクリート打設日誌を公開,2週間かかる養生を6日で終えていた…光州市新築マンション外壁崩落事故

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光州市の新築マンション外壁崩落事故で原因の一つとされているコンクリート養生期間不足の疑惑を裏付ける作業日誌が公開された。またこれとは別に大手建設会社による分析報告書も公開されたが,そこには 「事故当時コンクリート打設作業中だった39階の下の階で施工時の加重(*荷重では?)を支える束柱が撤去された。このことが事故原因とみられる」との記載がある。さらにコンクリート打設作業が通常とは異なる下請けの形で行われたとの指摘も浮上している。

003_20220117203501 建設労組光州全南本部が公開した「光州広域市西区花亭現代アイパーク201棟(事故が発生した建物)コンクリート打設日誌」によると,昨年11月23日に35階の床(スラブ)を打設し,それから10日後の12月3日に36階床のコンクリートを打設した。さらに7日後の12月10日に37階の床を打設し,38階の床はそれから6日後に打設が行われたことが分かった。38階の上のピット階(設備用の配管などが通過する階)も8日後に打設された。それからさらに18日後の今月11日,39階床の打設作業中に事故が発生した。事故前の秋季(9-11月)に打設された25-34階も5-12日間隔で施工されていた。

 作業日誌によると,冬に施工された35-38階の高層階の床コンクリート養生期間が6-10日ほどだったことも分かった。これは施工会社のHDC現代産業開発が今月12日「201棟の打設は事故発生日を基準に12-18日にわたり十分な養生期間を確保していた」と説明した内容と矛盾する。現代産業開発は当時「38階の天井(ピット階の床)は18日かけて養生が行われた」「これは必要な強度を確保するのに十分な期間だ」と主張した。しかし35-38階床の養生期間については明らかにしなかった。
   専門家や業界関係者は「気温が零下になる冬の時期は夏とは違って最低でも10日から2週間以上の十分な養生期間が必要だ」と指摘する。光州大学建築工学科のソン・チャンヨン教授は「気温によって変わるが,冬の場合は通常だとコンクリートがすぐに乾かないので,2週間ほど養生しないと必要な強度が得られない」「1週間前後の間隔で1階ずつ上がったとすれば,これは養生が不十分だったことを意味する」と説明した。

 ある大手建設会社が作成した「光州花亭現代アイパーク事故報告書」からも手抜き工事の兆候が見て取れる。報告書は崩落事故の原因について「39階の打設加重が下の階(ピット階)のスラブの設計加重を超過したため」と推定している。事故当時,作業員らは最上階の39階床面にコンクリートを打設していたが,そのすぐ下には高さ1.5メートルのピット階があった。ピット階の下は38階だ。

報告書によると,ピット階が耐えられる荷重は1平方メートル当たり710キログラムほどだったが,実際の施工加重は1090キロで153%に達していたという。特に事故当時の写真から,38階で束柱が撤去された点も問題として指摘されている。報告書は「施工加重が設計加重を超過した場合でも,束柱などの支持台があれば安定性を確保できるが,現場の技術的判断ミスで束柱が撤去されたと推定できる」との見方を示した。報告書を作成した建設会社の関係者は「同じような工法を使う現場もあるため,安全管理の強化と注意を高める次元で資料を作成した」と説明した。

この報告書の内容を検討したソウル大学建築学科のパク・ホングン教授は「39階は住民の共用施設で加重が大きい。そのためスラブは他の階よりも10センチ厚い35センチに設計されていた」「工事の加重を考慮すれば,ピット階,38階,37階の少なくとも3階にかけてしっかりと束柱を設置した状態で打設すべきだった」との見方を示した。パク教授はさらに「ところが実際は38階とピット階の束柱を撤去したため、十分に固まっていなかった下の階のスラブが加重に耐えられず崩落したようだ」と指摘した。
 下請けの問題も明らかになった。事故が起こったマンションのコンクリート打設は現代産業開発と契約したA社が担当していたが,事故当時の打設作業はA社にコンクリートポンプ車をレンタルしたB社の作業員が行っていたことが分かった。原則はB社がコンクリートポンプ車を使ってコンクリートを高層階に送り,打設はA社が直接担当すべきだが,これが守られていなかったのだ。建設産業基本法には「下請けされた専門的な工事は再下請けできない」と定められている。ただし発注者から書面で承認を受け,工事の品質や施工の能率を上げるため必要な場合など一部で例外条項も設けられている。これについて警察は「まず施工会社が承諾していたかをチェックし,その上で実際の契約関係などを検討して違法な再下請けに該当しないか確認する計画」と説明した。

また今回の201棟崩落事故の約1カ月前に203棟でも同じような事故が起こったとの証言もある。現場で作業に当たっていたある作業員は警察の事情聴取で「1カ月ほど前に203棟39階でコンクリート打設中に一部が陥没し,一時的に工事を中断してから再施工した。そのときは打設したコンクリートの量が少なく,連鎖崩落は起こらなかった」と陳述しているという。’ 

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 まるで素人がビルを建てているようなお粗末な話です。
事故が発生した時,速やかに責任者(責任会社)が明確に判断できない体制は異常です。
既に完成している 203棟の強度も怪しいので 2棟とも 解体して作り直しが妥当でしょう。

尚,この事故で行方不明になっている作業者6名中,1名は死亡で発見,他の5名は見つかってないようです。

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