更に 大谷翔平,“2021 Sporting News Athlete of the Year” に選出。
1886年に創刊した米国のスポーツ専門紙,現在はスポーツの情報ウェブサイト ‘The Sporting News’ が Dec. 22,2021付けで “The 50 greatest seasons in sports history, ranked”(スポーツ史上最高の50シーズン,ランク付け)で大谷翔平のシーズンを1位に選んだのに続いて “Athlete of the Year” に選出しました。
そして ‘SPORTING NEWS’ ,Dec.30,2021付けで “Shohei Ohtani is the 2021 Sporting News Athlete of the Year”(大谷翔平,2021年「スポーティング・ニュース」の「アスリート・オブ・ザイヤー」)が発表されました。
下記,拙訳・転載します。
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年間最優秀選手を選ぶことは,しばしば,おじけづく仕事である(daunting task)。
考慮すべき多くのことがある。どの基準(criteria)を使用するか? 統計(stats)? リーダーシップ? 場外での成果? 全て? なし? 主観ミックス? そして,どの統計が最も重要か? どれが最も印象的か? どのスポーツが選考者にとって最も困難な(toughest)課題を提示するか?
これらは,ほとんどの年に精査(scrutiny)を必要とする問題であり,多くの場合,何時間にもわたる激しい思考と議論となる。しかし,その他の場合には,答えが非常に明確であって,話し続けるのは馬鹿げているように見える。
2021年はそのような年の1つであり,それはすべて大谷翔平のおかげである。
今年,エンゼルスと野球全般で、標準を打ち破り(norm-slaying),驚愕の(jaw-dropping),準スーパーヒーローの全会一致のAL MVP決定が非常に素晴らしかったので,どのアスリートが最高のシーズンを過ごしたかについての議論はほとんどなかった(barely)。だからこそ,彼はスポーティング・ニュースの2021年アスリート・オブ・ザイヤーに容易に選ばれたのである。
先に進む前に,大谷のシーズンは非常に特別で珍しいものであったため,「スポーツ史上最大の個人シーズン」(the greatest individual season in the history of sports)としても選ばれたことを指摘しておく必要がある。
しかし,疑問に思う場合,または2021年のMLBシーズン中に注意を払っていなかった場合のため,彼のユニークな素晴らしさをもう一度分析して,大谷翔平を決して普通に見て(normalize)はならない理由を示そう。
基本から始める:大谷は46本塁打,100打点,103得点を記録した。彼はまた,リーグ,トップの8つの三塁打を打った。しかし,深く掘り下げると,状況(picture)はさらに明確になり,大谷が競争からどれだけ群を抜いているかが分かる。
検討:
— 彼は 11.7打席に1本の割合で本塁打を打った,Aリーグ最高である。
— 彼のフライ飛球の33%が本塁打となり,リーグ最高である。
— 彼は他の誰よりも多く,78回ボールをバレルし,彼のバレル・パーセンテージ:22.3% もMLBで最高だった。
— 彼の故意四球 20回,Aリーグで最も頻繁に行われた。
— そして,彼の「パワー・スピード・ナンバー」(選手のパワーとスピードの組み合わせの効力を表す数値)33.2で,リーグ最高だった。
彼はまた、wRC +(152),OPS(.965)、ハード・ヒット(打球速度 95mph以上)率(45.1),塁打数(318)など,多くの攻撃的なカテゴリー全てでトップ5にランクインした。
まだ納得できない? OK,しかしこれを覚えておくことは重要である:彼は投手でもある!
大谷の優れた能力(prowess)を語るとき,この特質(trait)の大きさ(enormity)をまだ理解していない人もいる。彼は単に投球するだけでなく,彼のエリート・スキルの打撃と一致させるためにエリート・レベルで投球することである。
スポーツ・ネットワークのTSNのライアン・フェイガン(Ryan Fagan)が50の最高シーズン・プロジェクトで述べたように,「パトリック・マホームズ(Patrick Mahomes)が安全のためにパスを選んだり,アレックス・オベチキン(Alex Ovechkin)が大きなパッドをつけて,週に1回ゴールキーパー(goalie)として完封することを想像するといい。考えることすらばかげている。」 その通り。
大谷が2021年に披露した才能は,珍しいだけでなく,一世代に一度のことでもあった。それを超えたレベルだった。
MLBは,100年以上前のベーブ・ルース以来,エリート・ツーウェイ・プレーヤーを見ていなかった。大谷についての議論においては,ルースとの比較は依然として一般的だが,ルースには2021年の大谷ほど良いシーズンがなかったため,おそらく比較をするときではない。
彼の打撃の功績はさておき,大谷は投手として9勝2敗で,防御率は3.18だった。 彼はまた,130イニング以上投げ156人の打者から三振を奪った。誰にとっても良い年だが,パート・タイムの投手にとっては特別な年だった。そして,彼はただ幸運だったわけではなく,彼は支配的で厄介だった。
彼は101mphに達する速球を含む4つの効果的な球種を持っていた。彼の最も効果的な打たせて取る投球(put-away pitch)は,スプリット・フィンガーの速球で,これは,ほぼ49%の空振り率(whiff rate)を生み出し,対戦相手を平均 .087に抑えた。彼に対する平均投球速度は約88mphだったが,これは,彼が一貫してバッターを弱い接触に保持したことを意味する。
全体として,彼は対戦相手を打率 .207、出塁率 .286に抑えた。つまり,彼はシーズンを通して打者をベースから遠ざけた。これは文字通り投手にとってナンバーワンの仕事である。Baseball Referenceによると,パッケージの合計はWAR(Wins above Replace)9.0になった。ご想像のとおり,野球選手の他の誰よりも優れている。
大谷の打者としての成績はアメリカン・リーグで最高ではなかった,あるいは投手としての彼のパフォーマンスは他のいくつかのプレーヤーと比較して一流(top-shelf)ではなかったと主張するのは公正であるが,これらの議論はポイントを逃している。大谷は,途方もない価値を持っているために,どちらの場所でもリーグ最高の数字を出す必要はない。
二桁の本塁打も打ったのがリーグ平均投手としても,すごい才能だろう。同様に,3桁の速球と厄介な速球を投げるのは リーグ平均の打者だとしても,エリート・スキル・セットを持っているだろう。
しかし,大谷はマウンドでも打席でもリーグ平均ではない。彼は平均を大きく上回っており,歴史的にユニークではないが,AL MVP,Sporting News MLB Player of the Year,Sporting News Athlete of the Yearなどの賞を簡単に獲得する資格がある。
(転載了)
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「パワー・スピード・ナンバー」(‘Power-Speed Number’ or ‘Power/Speed Number’:PSN)とは-
野球作家でアナリストのビル・ジェームズ(Bill James)が開発した「野球の記録データのコンピューター分析法」(sabermetrics:Society of American Baseball Research)の野球統計で,プレーヤーの本塁打数(HR)と盗塁数(SB)を調和平均した値です。
計算式は :
PSN=(2*HR*SB)/(HR+SB)
通常,本塁打に比べれば軽く見られる盗塁を本塁打と同じ重さで取り扱い,スピードを重視する値です。
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