大西洋で火災発生した自動車運搬船 “Felicity Ace”,その後-。
約4,000台の乗用車を積載して,ドイツから米国に向かって航海中,2月16日に火災が発生した(株)商船三井が実質の船主である自動車専用運搬船 “Felicity Ace” は完全鎮火に至らず,大西洋を漂流中のようです。
‘QUARTS’ は Feb.21,2022 付けで
“Lithium-ion batteries are fueling the fire on a burning cargo ship full of Porsches”
「リチウム・イオン電池が,ポルシェがいっぱいの炎上中の船の火を煽っている」
の見出しで報じています。
下記,拙訳・転載します。
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貨物船「フェリシティ・エース」は,水だけでは消せないリチウム・イオン電池の火で船首から船尾まで炎上している(aflame)。
船は水曜日(2月16日)から燃え続け,ポルトガルのアゾレス諸島の南西約200マイルの大西洋を漂流している。22人の乗組員は退船し,木曜日に救助された。
船は2月10日にドイツを出港し,約4,000台のポルシェ,ベントレー,その他の高級車を乗せて米国に向かっていた。その中に電気自動車が含まれていた。バッテリーが火災の原因であるかどうかは明らかではない- 潤滑油が浸み込んだエンジンルームの脂っこいぼろきれや燃料漏れが船の火災の通常の原因であるが,バッテリーは現在も炎を上げ続けている。 法科学調査(forensic investigation)で,原因を特定するのに数ヶ月かかるだろう。
土曜日(19日)に,最も近いアゾレス諸島のファイアル(Faial)島の港の船長であるジョアン・メンデス・カベサス(João Mendes Cabeças)はロイターに,船の貨物の電池が「火を生かし続けている(keeping the fire alive)」と語った。 カベサス氏は,特殊な装備を備えた増援部隊が消化中と付け加えた。インタビューの時点では,火は船の燃料タンクに到達していないが,接近していた。
その過程でより高温に燃焼し,有害(noxious)ガスを放出するリチウム・イオン電池の火を消すには,大量の乾燥化学物質が必要である。
「フェリシティ・エース」に水を注いでもリチウム・イオン電池の火を消せないだろう,さらに,追加された水の重量は船をより不安定にするかもしれないとカベサスはロイターに語った。
(転載了)
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本船事故の 専用情報サイト ‘Felicity Ace Incident Information Centre’ による最新情報は-
「シンガポール,2022年2月21日付(続報3)
MOL Ship Management (Singapore)(以下「船舶管理会社」)が管理する自動車運搬船 “FELICITY ACE”(以下「本船」)の火災事故に関し、情報を更新します。
本船は,現在アゾレス諸島からさらに南方に島から離れる方向に移動しており,未だ消火は確認されていません。
現在、本船からの油の流出は確認されておらず,安定しています。
消防設備を備えた大型タグボート2隻が本日現場に到着を予定しており,既に到着している救助要員を乗せた巡視艇と共に船体を冷却すべく本船に放水を始めます。
二つの大きなタグボート到着により,船位の一定の制御を可能とし,ポルトガル海軍と共に24時間監視を続けます。
消防装備を備えた追加の救助艇も,予定から遅れるものの26日にロッテルダムから到着予定です。
引き続き関係者と協力して事態の収束に努めてまいります。」
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又,下に示す 2月18日に ポルトガル海軍が撮影した写真には炎は見えませんが 内部は燻っていると思われます。
積載された車の価格合計は 約4億ドルを超えると言われています。(ポルシェが 1,100台,ベントレーが190台)
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