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2022年4月 3日 (日)

「若戸大橋」の赤の理由が「エネルギー・情熱・使命を象徴する色」になっていた。

NHK BSプレミアム 202241日 「新日本風土記『橋』」は日本各地の橋を紹介する番組でした。

この橋の中に北九州市の洞海湾を跨ぐ「若戸大橋」が紹介されていました。
「若戸大橋」は 1962年(昭和37年),北九州の5市が合併する直前に 当時の若松市と戸畑市を繋ぐ,当時,東洋一の吊り橋として完工しました。
番組の中で,洞海湾の若戸渡船が昼間は遊覧船として使われており,ボランティアのガイドが「若戸大橋」を説明していました。

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なぜ この若戸大橋が赤いかといいますと,北九州工業地帯にふさわしい色として 躍動やエネルギー,使命感を感じる色として選ばれました。 ・・・ この色は インターナショナル・オレンジと言って 東の東京タワー,西の若戸大橋が有名です。 ・・・
この説明を聞いて 唖然としました。

ガイドは 昭和38年生まれで「若戸大橋」とほぼ同じ年齢,建設中の事は知らず,資料に沿って説明していて責任はないのでしょうが,間違っています。
「北九州市 時と風の博物館」(事務局:北九州市 企画調整局 地方創生推進室)のサイトを見ると-
・・・ 3万4千通の応募者の中から『若戸大橋』の名が選ばれ,橋の色については,若戸審美委員会によって赤色に決まった。赤は,エネルギー・情熱・使命を象徴する色である。
50年経つ『赤い橋 若戸大橋』は,今なお皆の熱い思いで輝いている。

とあり,これが そもそも誤っています。正しくは,仕方なしに あの赤になったのです。

西日本新聞(2021/11/20付け)には「『東洋一のつり橋』をたどれば73人犠牲の事故 若戸大橋を重文指定へ」の見出し記事の中に「 ・・・ 赤一色に染められたのは『威厳を示すため』とされた。 ・・・ 」とありました。新説です。

それぞれ 後付けのため 理由が異なっています。

完成時の60年前,中学2年生だった私の記憶では-
建造中,「この下品な赤い色はなんだ。」と思いながら眺めており,「今のは錆止め塗装の色で 完成時は違う色になるんだろう。」と思っていました。(結果的に そのまま変わらず。)
この色に多くの人(役所を含めて)の反対がありましたが,高い構造物に対する法律で この赤色塗装が決められているとのことで押し切られたような記憶があります。

調べると,航空法(施行規則)に定められる「昼間障害標識」があり-

昼間障害標識は,高さ60m以上の煙突・鉄塔・骨組構造などの構造物や,制限表面に近接し航空機の航行の安全に影響を及ぼすと思われる物件などに設置される赤,または黄赤(インターナショナルオレンジ)と白に塗り分けられた塗色あるいは旗や標示物である。航空法および同法施行規則に定められた航空保安施設の一つ。
東京タワーが黄赤と白に塗り分けられているのはこのためである。景観などの関係で,高光度航空障害灯または中光度白色航空障害灯を設置している物件は,高さによる昼間障害標識の設置義務はなくなっている。

最高部 84mの若戸大橋には これが適用され,同様の東京タワーと同じ色になったのは当然のことだったのです。

瀬戸大橋の色も下品な赤,もしくは赤白になるのではと当時心配しましたが,上述のように法律の改正で避けられました。
むしろ,瀬戸内の景観を汚さないように法律を改正した,というのが真実のようです。(関門橋が先?)

それにしても「エネルギー・情熱・使命を象徴する色」には 笑ってしまいます。若干の怒りも・・・ 。
この説明を聞いたり,読んだりして 違和感を覚える人がいないとすると 日本人の審美眼は大丈夫かと心配になります。

もし,「若戸審美委員会」によって決められたのが真実とするなら,委員の人選ミス,あるいは委員の美的センスが問題だったのでしょう,委員長はどなただった?
「景観設計」という学問が存在しなかったので,避けられなかったのかも知れませんが,中学生ながら 私は「若戸大橋」を見る度に,そのセンスのない,悪趣味な色に「橋は工場設備か!」,「渡れればいいのか!」などと呟きながら,暗鬱とした気分の中学生活を送っていました。
繰り返しますが,何が「エネルギー」?,何が「使命」?,「皆の熱い思い」の「皆」とは誰? 

さて 真実は如何に。(私の 60年前の記憶違い?)

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コメント

60年 存在し続けた「慣れ」でしょう。
近年 造られた大型橋梁で 赤系統の塗装を採用したものはありません。
が,最近(2022年3月)完成した世界最長の吊り橋,トルコの「チャナッカ大橋」の主塔は赤でした。

投稿: 管理者 | 2022年4月 4日 (月) 17時50分

私は高校卒業が37年で、卒業アルバムにはロープだけが渡された建設途上の大橋の写真があった。
あの当時の汚れた北九州の空や海には赤い橋がきれいでなかったが、今は青い空に鮮やかな赤が美しく見える。センスがないのかなあ?

投稿: hirosuke | 2022年4月 4日 (月) 17時22分

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