世界では 男女のどちらが多いか?
最近のピュー研究所のレポートで,‘Pew Research Center’ の AUGUST 31, 2022付け
“Global population skews male, but UN projects parity between sexes by 2050”
「世界人口は男性に偏っているが,国連は 2050 年までに男女同等になると予測している」
の調査報告です。
下記,拙訳・転載します。
*************************** 世界的には,1960年代半ば以降,男性の数が女性の数を上回っている。しかし,国連が最近発表した人口予測によると,2050年までに世界の男女比は平準化すると予想されている。
2021年の時点で,世界人口では男性が女性よりも約4,400 万人多くなっている。しかし,その差は,いくつかの異なる人口動態の傾向の結果として消滅すると予想される。
今後数十年で,出生率の低下(世界人口の若者がより少ない割合になる)と長生きする人々(世界人口のより大きな割合が高齢者になる)の組み合わせにより,世界人口は高齢化すると予想される。1950年から 2021年の間に,世界の年齢の中央値は 22歳から 30歳に上昇した。国連は,2050年までに世界の年齢の中央値が 35歳を超えると予測している。
人口の大部分が若い場合,女の子よりも男の子が多く生まれるため,男性に偏る傾向がある。このパターンは,性選択的中絶や女児殺害が出生時の性比の不均衡に寄与している国で悪化している。2021年の世界の出生時の男女比は,女性の出生 100 に対して男性の出生 106 だった。ジェンダーの不均衡はまた,少女や女性の健康を害しやすくし,妊娠中や出産後の合併症などによる死亡リスクを高めることがよくある。
しかし,ほとんどの国では,女性は出生後の死亡率が低く,平均して男性よりも長生きする。より高い男性死亡率は,行動要因と遺伝的差異に関連している。さらに,COVID-19のパンデミックにより,女性よりも男性の方が多く死亡している。
これらのパターンのため,年齢が上がると女性の数が男性の数を上回る。2021年には,ヨーロッパと北アメリカの 59% を含む,65歳以上の世界人口の 56% が女性だった。世界の 65歳以上の人口に占める女性の割合は,2050年までに 54% になると予測されている。
国連は,2050年までに男女間の均等を予測するだけでなく,2050年以降の数十年で女性の数が男性の数を上回り始めると予測している。
Sex ratios vary widely
性比は大きく異なる
現在,男性・女性比率が最も高い国は,カタール (女性 100人に対して男性 266),アラブ首長国連邦 (228人),バーレーン (164人) である。いくつかのペルシャ湾岸諸国では,これらの男女間の不均衡は,主に男性の臨時労働者による大規模な移民人口によるものである。たとえば,国連の推定によると,2019年のカタールの人口の 79% は別の場所で生まれ,外国生まれの人口のうち 83%は男性だった。
同じ国でも年齢によって性比が大きく異なることがある。
たとえば,アルメニアは女性に最も大きく偏っている国だが (女性 100人に対して男性 82人),女の子より男の子のほうが多く生まれている。実際,アルメニアで生まれた 100人の女の子に対して,男の子は110人であり,世界で 6番目に男の子が多い出生時の性比である。
全体的な性比が女性に大きく偏っている他の場所には,グアドループ(Guadeloupe),マルティニーク(Martinique),香港,米領バージン諸島が含まれる。
米国国勢調査局によると,米国では 1946年以降,男性よりも女性の方が多くなっている。2021年,米国の人口の性比は,女性 100人に対して男性 98人だった。2050年までに 99人になると予想されている。
The number of majority-male countries will decline by 2050
男性が多数を占める国の数は2050年までに減少する
2021年には,86ヶ国で男性が女性を上回っている。女性が過半数を占める人口が増加するにつれて,その数は 2050年までに 67ヶ国に減少すると予想される。
2050年になっても男性の数が女性の数を上回り続けると予想される国々では,国連は,今後数十年でよりバランスの取れた性比を予測している。
インドでは,1970 年代に出生前診断技術を使用して性選択的中絶を促進した結果,男児と女児の比率が人為的に大きくなりましたが,現在は縮小しているように見える。これは,出生前の性別検査の禁止や,親に「女児を救う」よう促す大規模な広告キャンペーンなど,性別選択を抑制するための政府の長年の取り組みに続くものであり,教育や富の向上などのより広範な社会的変化と一致している。
予測は,基礎となる入力データが正確で,将来の傾向に関する仮定 (出生率の高い国では出生率が低下するなど) が正しい場合に,人口がどのように変化するかを示す。しかし,戦争,飢饉,病気などの予期せぬ出来事は、異なる結果をもたらす可能性があり,男性または女性の死亡者数を増やし,各国の移住傾向に影響を与えることにより,世界のジェンダー・バランスを変える可能性がある。
(転載了)
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現在の日本は 女性 100に対し,男性 95,この男性の少なさは世界的にも珍しいほどです。
戦争もしてないのに この男性が少ない理由は?
平均寿命が短いだけではなさそうです。わかりません。
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