高齢男性は 本当にマナーが悪いか?
‘幻冬舎 ゴールドライフ・オンライン/2022.7.29’ に次の記事がありました。
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「飲食店アルバイトの学生たち『高齢男性は怖い』…『マナーの悪い高齢者』が誕生するワケ」
/「高齢者にマナーの悪い人が多い」納得の理由
飲食店や小売店でアルバイトをしている学生たちは,一様に「高齢男性は怖い」と言います。
店内でマナー違反をしたり,些細なことで文句を言い始めたり,怒鳴ったりする人が少なくないからです。接客のシーンにおいて,高齢男性は極めて面倒くさい,警戒したほうがいい存在になってしまっています。もちろん高齢女性にもそのような人はいるでしょうが,圧倒的に高齢男性が恐れられているというのが現状です。
「世間」をキーワードにすれば、これは分かりやすい現象です。
マナーというものには(少なくとも日本人にとっては)「世間を安定的に維持する手段」という面があります。あるいは,世間に馴染み,世間の一員として共同体を乱す意思を持たない者であると証明するための手段とも言えるでしょう。私たち日本人はそのときに属している世間の中で,その安定を乱さないような言動を選択し,その安定に寄与する役割を演じ続けてきています。
つまり,世間というものの存在が日本人のマナーをよくしている。逆に言うと,日本人は世間を失うとタガが外れやすくなる。そう考えると,高齢者にマナーの悪い人が多くいることも説明がつきます。
高齢期になると世間(属する共同体)が狭くなったり,なくなってしまったりするからです。
生まれ育った故郷にはもちろん,都会へ出て会社に就職しても,そこには世間がありました。定年などで職場を離れる,配偶者や友人を亡くす,身体的な衰えによって活動範囲が狭くなる,郊外での一人暮らしにより他人との交流がなくなるなどして,それまでの人生において,ずっと自分の言動の選択基準となってきた世間を喪失していきます。それは特に,会社に人生を捧げてきた男性に顕著です。
それまで世間が提示してくれていた「正義」はどこにもありません。「空気」を読もうにも読む「空気」がありません。
世間を失った高齢者ほど,マナーが悪くなるわけです(そう考えると,立派で格好の良い高齢者は,様々な活動や交流がある環境に身を置き,世間を感じ続けているのでしょう)。
by 川口 雅裕,NPO法人「老いの工学研究所」理事長。 1964年生。京都大学教育学部卒。
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リタイアして9年目,上述によれば世間との接触をなくした状態で暮らす 高齢男性としての感想-
マナー違反はしないし,些細なことで(些細でなくとも)文句を言わないし,怒鳴ったりしないと自信を持って言える私としては,上述の理屈が分からないではありませんが,あくまで一般論であって,当てはまる高齢男性が 何%いるのかが 気になります。
私の場合,行動基準は世間によって保持,提示,左右されず,どちらかと言えば 社会に対する,自身の揺るぎない良心,正義,常識,倫理,マナーに基づいて行動しています。
- と,とりあえず書いておこう。
これとは関係なく,世の中には 自分より若いと思われる人間に対して横柄な態度,口の利き方をする人間がいます。
昔,20歳代の頃,バーで近くのカウンター席にいた初対面の 40 or 50歳代と思われる男に 「キミは ・・・ 」と言われたことがありました。
その後の口の利き方から 推測して「失礼ですが,あなたは 学校の先生じゃあありませんか?」と訊いたところ,アタリでした。
狭い世間(世界)で生活しているせいか,外に出て 年下の人間を生徒と間違えるという,社会人としての人との接し方が身に付いてないようでした。
世の中には,職業で,社会における,人との接し方が決まる人がいて危険です。
子供の頃,父親から いつも言われた「役人にはなるな」は,分かりますが,近年は 公務員は父親の時代に比べると変わってきているようです。
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