ウクライナ軍は,装甲車を貫通する「メガ・スナイパー・ライフル」で反撃している。
‘Daily Mail’ の電子版‘Mail Online’,3 October 2022付けで
“The mega sniper rifle Ukrainian forces are using against Putin's soldiers (which is bigger than some of the marksmen pulling the trigger! )”
「ウクライナ軍がプーチンの兵士に対して使用しているメガ・スナイパー・ライフル (一部の この引き金を引く射手よりも大きい!)」
のタイトル記事が掲載されていました。
下記,拙訳・転載します。
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・ウクライナ製の “Snipex Alligator”は,ものすごい(fearsome)6フィート 5インチ,55 ポンドの スナイパー ライフルである。
・その弾丸は,1マイル離れたところから 0.5インチの厚さの装甲を貫通することができる
・キーウの軍隊が,ロシアに対するウクライナの防衛で使用している武器
・これはウクライナ軍にプーチンの軍よりも有利を与える多くの武器の一つである
ウクライナ軍は,ウラジミール・プーチンの侵略軍との戦いで,圧倒的なメガ・スナイパー・ライフルを配備している。
長さ 6フィートを超えるウクライナ製のスニペックス・アリゲーター(Snipex Alligator)は,55 ポンド・ライフルの引き金を引く射手よりも大きい。
巨大な武器は,1マイル離れた距離から約 0.5 インチの厚さの装甲を貫通できる弾丸を発射し,ロシアの装甲や兵士に対して非常に効果的な武器となる。
“Snipex Alligator” は,ドイツ,オランダ,ウクライナに本社を置く多国籍企業である XADO-Holding Ltd によって製造されたボルト・アクション ライフルである。
14.5x114mm の巨大な弾丸(rounds)を秒速 約980mで空中に発射し,1マイル離れたところから 1発の弾丸でロシアの BTR-80 装甲車両の側面を貫通することができる。
アリゲーターは,車両,通信,防空システムを含む移動中および静止中の両方のターゲットに対して使用するように設計されている。駐機中の機体や固定防御陣地(fixed defensive positions),塹壕(dugouts)の撃破にも威力を発揮する。
取り外し可能なボックス・マガジンには,通常は重機関銃から発射される弾薬(ammunition)を5発装填できる。
地上部隊がアリゲーターを使用できるようにするために,ライフルからの反動(recoil)は 4~5 チャンバーのマズル・ブレーキ(muzzle brake)によって抑制され,射手を保護するためにしっかりとパッドが入ったライフル・ストックが取り付けられている。
巨大なスナイパー・ライフルは扱いにくそう(unwieldy)に思えるかもしれないが,ほとんどの武器では実現できない敵の装甲(armour)に対するパンチを詰め込み,持ち運ぶのに十分な機動性も備えている。これはすべて,プーチン大統領が 2月に侵攻を開始して以来,さまざまな手段で何千もの人員輸送車が破壊されてきた,動きの遅いモスクワの兵員輸送車に対して,ウクライナの兵士が破壊的な武器を自由に使えることを意味する。
アリゲーターは 2020年6月に‘Snipex’の Facebook ページで初めて公開され,7月には YouTube で最初のデモンストレーション・ビデオが公開された。同年後半,ウクライナ軍はこの兵器を非公式に採用し,2021年3月に公式に採用した。
ウクライナでの戦争は,戦場での最初の登場だった。 キ-ウの軍隊がロシアの侵略者に対してどれだけのアリゲーターを使用しているかは不明だが,巨大なライフルの横でポーズをとる兵士の写真がオンラインで公開されている。
アリゲーターや手持ち式のジャベリン・ミサイル・システム(Javelin missile system)などの移動兵器システムのウクライナの使用は,より動きの遅いロシアの車両や戦術に直面しても,その軍隊が機敏性(agile)を維持できることを意味している。
何度か,キ-ウの軍隊はロシアの侵略者を待ち伏せし,戦車やその他の装甲車両を破壊し,モスクワの兵士が反応する前に物陰に隠れることに成功した。
これは,ウクライナがこれまでのところロシアの猛攻撃(onslaught)に抵抗できた多くの理由の 1つと見なされており,ここ数ヶ月でロシアの兵士を自国の国境に押し戻す反撃を開始することができた。
(転載了)
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このようなライフルを “Anti-materiel rifle”,「対物ライフル」と言い,各国で製造されています。
使用されている 14.5mm×114mm の弾丸は,2013年12月に 当時 北朝鮮の「ナンバー2」だった張成沢(チャン・ソンテク)の処刑に用いた高射銃(ZPU-4)で使用されているそうです。
戦時の対物ライフルによる対人狙撃は,ハーグ陸戦条約で禁止されている「不必要な苦痛を与える兵器」に該当している説が出ることもありますが,明示的にこれも含めて諸条約に該当している部分はありません。
掲載した ‘spec. table’ は ‘Mail Online’ ではなく 英文Wikipedia のものを拝借しました。
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