50年経って,連続殺人犯 ‘Zodiac Killer’ の謎が解けた。
ゾディアック事件(Zodiac Killer)は,米国で発生し,現在も継続捜査中の未解決連続殺人事件です。「ゾディアック」とは英語で黄道帯を意味しますが,犯人が声明文の中で「私はゾディアックだ(This is the Zodiac speaking.)」の一節を頻繁に用いたことでその名称として知られるようになりました。
1968年から1974年にかけて,カリフォルニア州サンフランシスコ市内で若いカップルを中心に少なくとも5名が殺害され,犯行後に警察やマスコミへ多量の犯行声明文を送りつけられたことから,「劇場型犯罪」の一つとして有名です。
この事件の犯人(既に死亡)が 最近,特定できていた,という報道です。
‘FOX NEWS’ の October 6, 2021 付け
“Cold case team says Zodiac Killer ID'd, linking him to another murder”
「ゾディアック・キラーは身元確認済みであり,彼を別の殺人に結び付けていると未解決事件チームが述べる」
下記,拙訳・転載します。
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ゾディアック・キラーは 1960年代後半にサンフランシスコ地域を恐怖に陥れ,まだ捕まっていない。
未解決事件を捜査する専門家チームは,1960年代後半に一連の残忍な殺害と解決不可能な謎でサンフランシスコ地域のコミュニティを恐怖に陥れた,米国で最も多数の(prolific)連続殺人犯の 1人であるゾディアック・キラーを特定した(identified)と述べている。
40人以上の元法執行捜査官,ジャーナリスト,軍情報部員からなるチームである‘The Case Breakers’は,「D.B. クーパー乗っ取り強盗事件」,「元労働組合幹部ジミー・ホッファ(Jimmy Hoffa)失踪事件」など未解決事件のようなミステリー事件に取り組んできた。このグループは,殺人者が 自身に結び付かない,何百マイルも離れた場所での殺害(slaying)を行った原因になり得ると考えている。
ゾディアック・キラーは,1968年と 1969年にサンフランシスコ地域で発生した 5件の殺人事件に関連している。ほとんどの連続殺人犯とは異なり,ゾディアックは新聞や法執行機関に送った手紙の中で複雑な暗号(ciphers)で当局を愚弄していた(taunted)。それ以来,この殺人事件は本,映画,ドキュメンタリーで取り上げられ,アマチュアとプロの探偵(sleuths)は殺人者の正体を明らかにするために事件を詳しく調べてきた。
最初の殺人事件から何十年もの間,多くの潜在的な容疑者が捜査されてきた。
COLD CASE MURDER OF MASSACHUSETTS TEEN SOLVED WITHOUT DNA TECHNOLOGY, SUSPECT ARRESTED IN GEORGIA
マサチューセッツ州の 10 代の未解決殺人事件,DNA テクノロジーなしで解決,容疑者をジョージア州で逮捕
ケース・ブレイカーズは現在,ゾディアック・キラーが2018年に亡くなったゲイリー・フランシス・ポステ(Gary Francis Poste)と特定したと言っている。チームの何年にもわたる掘り起こしの結果,ポステの暗室から新しい法医学的(forensic)証拠と写真が発見された。1つの画像は,ゾディアックのスケッチの傷跡と一致するポステの額の傷跡を特徴としている、とチームは述べた。
他の手がかりには,彼が殺人者であることを明らかにするゾディアックから送られた手紙の解読が含まれていると,未解決事件に取り組んでいる元陸軍防諜(Army counterintelligence)エージェントのジェン・ブコルツ(Jen Bucholtz)は述べた。あるメモでは,ポステ のフルネームの文字が削除されると,別のメッセージが表示された,と彼女は Fox News に語った。
「だから,これらのアナグラムを解読する(decipher)には,ゲイリーのフルネームを知らなければならない。」とブコルツ氏は語った。「誰もがそれを理解したであろう他の方法はなかったと思う。」
チームは,ポステが 1966年10月31日,サンフランシスコ地域から数百マイル南にある,カリフォルニア州リバーサイドで,ゾディアックに関連する最初の殺害が発生する 2年前に,チェリ・ジョー・ベイツも殺害したと考えている。ベイツ (18歳) は,父親が警察に彼女の行方不明を電話した後,リバーサイド・シティ・カレッジのキャンパスの路地(alleyway)で,死んでいるのが発見された。
LAS VEGAS MAN ARRESTED 47 YEARS AFTER COLD CASE KILLING IF 7-ELEVEN CLERK
7-イレブン店員の未解決殺害事件の47年後,ラスベガスの男が逮捕された
翌年,当局は手書きの手紙を受け取り,捜査官は殺害がゾディアック・キラーに関連している可能性があると信じるようになった。
2016年,捜査官は,以前のメモを書いたことを認め,それが「悪い冗談(sick joke)」であると書いた,匿名のタイプされた手紙を受け取った。警察は,「著者は,自分がゾディアック・キラーでも チェリ・ジョー・ベイツの殺人者でもないことを認め,ただ注目を集めたかっただけだ」と述べた。
捜査官は後に,著者がベイツの殺害に関与しておらず,ゾディアックが犯罪に関与していないことを確認した。
「私たちの殺人コールド・ケース・ユニットは,1966年のチェリ・ジョー・ベイツの殺害がゾディアック・キラーとは関係がないと判断した。」とリバーサイド警察署の殺人コールド・ケース・ユニットはFox Newsに語った。「これらの未解決の殺人事件に対する公共の関心は理解しているが,ゾディアック・キラーに関するすべての問い合わせは FBI に照会する必要がる。」
警察は,「チェリ・ジョー・ベイツは捜査継続中の未解決事件で,現時点で公開できる追加の詳細情報はない。」と付け加えた。ケース・ブレイカーズは,ベイツがゾディアックの6番目の犠牲者であると信じており,捜査官に彼女のDNAをポステのDNAと比較させようとしたが,役に立たなかった,とチームは述べた。チームが入手したリバーサイド警察への 1975年の FBIメモによると,エージェンシーはベイツがゾディアックの犠牲者であると述べた。
「ここでの本当の部分は,エゴと傲慢に関係がある。」と,テレビ・ニュースで40年間過ごした元警察官であるケース・ブレイカーズのチーム・メンバーであるビル・プロクターは,リバーサイド警察のFox Newsに語った。「彼らは自分たちが持っているものについて話しているわけではない。つまり,外部組織の情報は,警察がすでに行ったものよりも価値があるとは言わないまでも,同等の価値があるという合理的な議論をする可能性があるということである。」
チームは,一連の偶然がベイツとポストを結びつけると述べた:ポステは,ベイツの殺人現場から15分離れた病院で銃事故の健康診断を受けたとき,空軍の退役軍人だった。
ペンキの飛び散った腕時計が殺人現場で回収され,殺人者が着用していたと考えられている。
チームによると,ポステは 40年以上にわたって家屋の塗装を行ってきた。さらに,刑事はミリタリー・スタイルのブーツから,かかとの靴跡を発見した。これは,他のゾディアック犯罪現場やポストで見られるものと同じスタイルとサイズで一致していた。
今年,リバーサイド警察署は,数十年前の殺人事件の有罪判決につながる情報に対して 50,000 ドルの報奨金を提案した。
ゾディアックは、1960 年代後半に北カリフォルニアのコミュニティを恐怖に陥れた。殺人犯は 5件の殺害に関与しているが,37人の犠牲者を殺害したと主張している。確認された最初のゾディアック殺害は,1968年12月にカリフォルニア州ベニシアで車内で男女が射殺されたときに発生した。
1969年7月4日,別の男女がヴァレーホ(Vallejo)で撃たれ,男は生き残った。
その年の後半,カップルが湖の近くで刺された(stabbed)。男は複数の刺し傷を負ったものの,一命を取り留めた。
その年,サンフランシスコでもタクシーの運転手が射殺された。この殺害事件に関連して誰も起訴されたり,特定されたりしなかった。
ほとんどの連続殺人犯とは異なり,ゾディアックは複雑な暗号と文字で当局を罵倒した(taunted)。
2020年,暗号解読(code-breakers)チームが,ゾディアックから日刊紙「サンフランシスコ・クロニクル(the San Francisco Chronicle)」に送信された 340文字の暗号を解読した。当時,FBI は ゾディアック事件が進行中であると述べた。
「あなた達が 楽しんで私を捕まえようとしていることを願っている,....それは 一層早く 天国に送ってくれるので 私はガス室を恐れていない,私のために働く奴隷が十分にいるからだ。」 解読されたメッセージが読めた。
Fox News は,ヴァレーホ警察署と FBI に接触をとろうとし,更に ポステの親戚に連絡を取ろうとして失敗した。サンフランシスコ警察は,ゾディアック事件の潜在的な容疑者については捜査が続いているため,話すことができないと述べた。
ポステとその妻の隣に住んでいたカリフォルニア州の女性は,これまでに収集された証拠を見て,彼が ゾディアック・キラーであると信じていると Fox News に語った。姓を明かすことを断ったグウェン(Gwen)は,1970年代と 80年代の彼女が子供の頃,ポステと彼の妻がベビーシッターしたと語った。彼は週に数回,彼女に銃器の撃ち方を教えていたが,妻を支配し,虐待していた,と彼女は言った。
彼女はこれ以上詳しく説明することを拒否した。ポステはまた,自分の息子の友人たちにとって父親のような存在になった,と彼女は語った。
「彼は二重生活を送っていた。」と彼女は言った。
「振り返ってみると,私は大人なので,今ではすべてが理にかなっている。10代の頃,年をとるまで 見聞きしたことを考え合わせて推測する(put two and two together )ことはなかった。ゲイリーがゾディアックであることに完全に打ちのめされた。」
ハンス・スミッツ(Hans Smits)は Fox Newsに,ポステが率いる犯罪者の「集団(posse)」から逃れたと言った内部告発者(whistleblower)を10年間 かくまっていたと語った。
ケース・ブレーカーズが ウィル(Wil)としか呼んでいないこの男は,スミッツに,一団がカリフォルニア州の ハイ・シエラ(High Sierra)地域をうろつき,「殺人機械に仕立て上げられた(groomed into a killing machine)」と語った。
さらに,ウィルはポステが凶器(murder weapons)を森に埋めているのを目撃したと語った,とスミッツは言った。
「彼らは,何かが起こった場合に備えて,そこにいくつかの隠し場所を準備した。」とスミッツは言った。
スミッツ氏は,彼が何年にもわたってウィルに経済的,および感情的なサポートを提供し,彼を安全に保つために10年近く彼を移動させ続けたと述べた。
「彼をFBIのオフィスに連れて行き,列車に乗せて州外に送り出したのは私です」とスミッツは言った。
ミシェルという名前の別の女性は,ポステの息子と内縁関係にあったと言った。彼女はFox Newsに,彼女の車の損傷や他の事件を含む関係の間,ポステと彼の「集団」による嫌がらせの犠牲者であったと語った。
亡くなってから3年が経っているにもかかわらず,不思議なことにまだ彼に忠実な人がいる,とミシェルは言う。「彼は父親の姿を持たない若い男性をターゲットにした」と彼女は言った。「それは 3人組だったが,1 人のポステが多くの損害を与えた。彼はまだ何らかのコントロールを持っている…そして彼は逝った。」
(転載了)
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