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2023年1月 6日 (金)

2023年,世界の10大リスクは-。

Cover_20230105151101 米国の調査会社ユーラシア・グループ(Eurasia Group)は13日,2023年の「世界の10大リスク(Top Risks 2023)」を発表しました。1位に「ならず者国家 ロシア」,2位に「『絶対的権力者』習近平」を挙げており,バイデン米政権が「国家安全保障戦略」で戦略的競争相手として名指ししたロシアと中国に関連する結果となっています。

ユーラシア・グループは,著名な国際政治学者のイアン・ブレマー(Ian Bremmer)氏が社長を務め,1998年以来,年初に当該年の世界政治や経済に深刻な影響を及ぼす地政学リスクを予測しています。ロシアについては,ウクライナに対する戦争が思うような結果に結びついておらず,その屈辱から世界で最も危険な「ならず者国家」へと変貌し,世界全体にとって深刻な安全保障上の脅威になると予測されます。中国の習近平国家主席については,202210月の共産党大会でその実権を確立したとしつつ,同氏を制約するチェック・アンド・バランスは期待できず,重大な政策的失敗を犯す可能性も増大したと分析しています。その例として,2022年の「10大リスク」で1位に挙げた「中国のゼロ・コロナ政策」が現実になった点があります。

下記,抜粋 拙訳・転載します。
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OVERVIEW

私たちは(ほぼ)パンデミックを乗り越えている。ロシアがウクライナで勝つ方法はない。欧州連合はこれまで以上に強力である。NATO はその存在理由を再発見した。G7は強化されている。再生可能エネルギー(renewables)は非常に安くなりつつある。米国のハードパワーは依然として無敵だ(unrivaled)。

米国の中間選挙は明らかに正常だった…そして,民主主義に最大の脅威を与える候補者の多く(特に選挙の権限を持っていたであろう候補者)は,負けた(lost their races)。

1. Rogue Russiaならず者国家 ロシア
   屈辱を受けたロシアは,グローバル・プレーヤーから世界で最も危険な ならず者国家へと変貌し,ヨーロッパ,米国,そして世界全体にとって深刻な安全保障上の脅威となるだろう。

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2. Maximum Xi『絶対的権力者』習近平
   中国の習近平国家主席(共産党総書記)は 2022年10月の第2 回党大会で,毛沢東以来の比類なき存在となった。

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3Weapons of mass disruption大混乱生成兵器
   ベルリンの壁が崩壊したとき,米国は世界で最も主要な民主主義の輸出国であった。常に安定していたわけでも,常に良い結果を生んだわけでもないが,追随できる国はなかった。それ以来,ほとんどの期間,技術革新(その多くは米国で起きた)は自由化の原動力となってきた。しかし,今日,米国は,意図的にではなく,成長を追求するビジネスモデルの直接的な結果として,民主主義を弱体化させるツールの主要な輸出国となっている。その結果,人工知能(AI)の技術的な進歩が社会の信頼を損ない,デマゴーグや権威主義者に力を与え,ビジネスや市場を混乱させている。

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4Inflation shockwavesインフレショック
   2021年に米国で始まり,2022年に世界的に広まったインフレショックは,2023年には大きな経済的・政治的影響をもたらすだろう。世界同時不況の主要因となり,金融ストレスを増大させ,社会的不満と政情不安をあちこちで かき立てるだろう。

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5. Iran in a corner追い詰められるイラン
   マフサ・アミニという若い女性がイランの「道徳警察」に殺害されてから 3ヶ月以上が経過したが,いまだ全国的な反政府デモが続いている。当局は核開発を急速にエスカレートさせ,核合意復活の可能性はほぼ消滅した。そして今,イランはウクライナにおけるプーチンの帝国主義的野心と手を結んでいる。国内での混乱と国外での暴挙の中で,イランは今年,欧米と新たな対立を繰り広げるだろう。

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6. Energy crunchエネルギー危機
   ロシアのウクライナ侵攻で予想された石油供給ショックが現実のものとならず,欧州を中心にガス価格が 2022年の高値から反落したことで,エネルギー消費国は安堵のため息をついている。しかし,今年の見通しはおおむね明るいものの,地政学的,経済的,生産的要因が重なり,特に後半はかなりタイトな市況になると思われる。結果,家計や企業のコストが上昇し,消費者経済の負担が増大し,OPEC+と主要消費国の間の溝が拡大し,西側と途上国との緊張がさらに高まる。

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7. Arrested global development世界的発展の急停止
   過去 2世代の人類は,広範な繁栄が急拡大する前例のない時代を経験した。世界経済の規模は 3倍に拡大し,ほぼすべての国が著しく豊かになり,10億人以上が極度の貧困を脱して史上初のグローバルな中産階級の仲間入りをし,発展途上国と先進工業国の間の機会格差が縮小した。乳幼児死亡率や平均寿命,教育,女性の権利などが構成する人間開発指数は,世界中で生活水準と生活の質がほぼ絶え間なく向上していることを物語っている。
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8. Divided States of America分断国家アメリカ
   まずは良いニュースだ。2022年の中間選挙で,次の米大統領選での憲法の危機が食い止められた。共和党が下院を制したからでも,民主党が上院を押さえたからでもない。最も重要なのは,全米の有権者が州知事選や州務長官選で,2020年の大統領選挙でトランプにバイデンが勝利したと認めない立候補者をほぼすべて落選させたことだ。そして,今後の選挙を州レベルで管理するのは知事や州司法長官なのだ。今年のリストで米国政治が上位に現れない理由もこれだ。

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9. Tik Tok boomTikTokな Z世代
   1990年代半ばから 2010年代初頭にかけて生まれた Z世代は,生まれたときにすでにインターネットが存在していた最初の世代だ。デジタル機器とソーシャルメディアは,国境を超えて彼らを結びつけ,最初の真にグローバルな世代を作り出した。そしてそのことが,特に米国とヨーロッパにおいて,彼らを政治的・地政学的に新しい存在にしている。Z世代は,企業や公共政策を再構築するためにオンラインで組織化する能力と動機の両方を持ち,ボタンをクリックするだけで世界中の多国籍企業の活動を困難に陥れ,政治を混乱させることができるのだ。

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10. Water stress逼迫する水問題
   今年,水不足は世界的かつシステミックな問題となる。一方で,各国政府はまだ一時的な危機としてとらえるだろう。

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(抜粋転載了)
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大きなリスクが既に横たわっています。世界が 今以上のリスクに遭遇することがないよう祈るのみです。
それでも プーチンと習近平によるリスクは 間違いなく大きく,特に 破れかぶれになったプーチンが何をしでかすかー
出でよ,ゴルゴ13!

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