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2023年1月27日 (金)

世界がウクライナに提供する戦車など

 ドイツが 戦車「レオパルト2」をウクライナに供与することを決め,米国もそれに追随しました。

BBC’ 電子版,Jan.25, 2023 付け
Ukraine weapons: What tanks and other equipment are the world giving?
「ウクライナの武器: 世界が提供する戦車,その他の装備」
で 確認します。

下記,拙訳・転載します。
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ドイツと米国は,キーウの政府への支持を示す中で,ウクライナに戦車を送ることを確認した。ドイツ政府は、14両の ‘Leopard 2’ 戦車をウクライナに送る予定であり,米国は今後数ヶ月以内に 31両の ‘Abrams’ を引き渡す予定であると述べた。ドイツはまた,自国のドイツ製 ‘Leopard 2戦車をウクライナに送りたい他の多くのヨーロッパ諸国にゴーサインを出した(given the go-ahead)。
すでに 14両の自国の戦車を投入している英国は,この発表を歓迎している。
2022年2月にロシアが侵攻して以来,30ヶ国以上がウクライナに軍事装備を提供してきた。

Tank
戦車

ウクライナのヴォロドミル・ゼレンスキー(Volodomyr Zelensky)大統領は,自国の領土を守り,ロシア軍を占領地域から追い出すために,西側の戦車が緊急に必要であると語った。一部の西側当局者は,ロシア軍は現在弱い立場にあり,これらのより高度な(advanced)戦車はウクライナがロシア軍を押し戻すのに役立つことができると信じている。ヨーロッパの多くの国で使用されている ‘Leopard 2は,一部の西側の代替品よりも保守が容易で,必要な燃料も少なくて済む。
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ロシアの侵攻に続く数ヶ月間,西側諸国は,ウクライナ軍が訓練を受けた乗組員,スペアパーツ,保守能力をすぐに供給できるため,NATOの標準兵器ではなく,ウクライナのワルシャワ条約機構兵器を提供することに熱心だった。NATO の標準戦車に切り替えるには,ウクライナにはなかったさまざまな後方支援が必要だった。キーウは,その軍隊が現在,より多くの NATO 標準装備を使用できる位置にあると考えている。英国は,ウクライナに 14両の ‘Challenger 2 戦車を提供することに同意した。‘Challenger 2’ は英国陸軍の主力戦車である。
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Challenger 2 1990年代に製造されたが,ウクライナ軍が利用できる他の戦車よりも大幅に進歩している。ウクライナは侵攻前にワルシャワ条約機構が設計した ‘T-72戦車を使用しており,20222月以降,ポーランド,チェコ共和国,その他少数の国から 200両以上の ‘T-72を受領している。
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ジョー・バイデン大統領は,31 両の ‘Abrams’ 戦車をウクライナに送るという米国の決定を発表し,それらを「世界で最も有能な戦車(the most capable tanks in the world)」と表現した。彼は,米国がウクライナの兵士にそれらをすぐに使用するための訓練を開始すると述べたが,戦車自体が引き渡されるまでの期間は不明のままである。ワシントンの BBCGary O'Donoghue は,戦車の資金調達プロセスで,戦車が数ヶ月間配備されない可能性があると述べている。
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Combat vehicles
戦闘車両

軍の専門家は,戦場での成功には、必要な兵站支援を備えた,調整され配備された膨大な範囲の装備が必要であると指摘している。 ‘Stryker’ は,ウクライナに寄贈された多くの装甲車両(armoured vehicles)の1つである。米国は最近,90両の ‘Stryker’ が間もなく派遣されることを確認した。
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米国から最近寄贈された他の車両の中には,さらに 59台の ‘Bradley’ 歩兵戦闘車(infantry fighting vehicles)があった。それらは,イラクの米軍によって広く使用された。
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Air defences
防空兵器

12 月には、米国もパトリオット・ミサイル・システムをウクライナに送ることを発表し,ドイツとオランダも最近それに続いた。この高度に洗練されたシステムは,使用されるミサイルの種類に応じて,最大 62マイル (100 km) の射程を持ち,ドイツの米軍基地で実施される可能性が高いウクライナ兵士のための特別な訓練を必要とする。
しかし、このシステムの運用には費用がかかる - パトリオット・ミサイル 1機の費用は約300 万ドルである。
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紛争の開始以来,ウクライナはロシアの攻撃に対してソビエト時代の ‘S-300’ 地対空(surface-to-air)システムを使用してきた。2月に紛争が始まる前,ウクライナは約250機の ‘S-300を保有しており,他の旧ソ連諸国に備蓄された同様のシステムでこれらを補充する努力がなされており,一部はスロバキアから供給されている。
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米国はまた,ウクライナに ‘Nasams’ (National/Norwegian Advanced Surface-to-Air Missile System,中高度防空ミサイル・システム) を提供した。 最初の ‘Nasam 11月にウクライナに到着した。さらに,英国は低空飛行の航空機を近距離で撃墜するように設計された ‘Starstreak’ を含むいくつかの防空システムを提供している。
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ドイツはまた,最大高度 20km で接近するミサイルを攻撃できる ‘IRIS-T’ 防空システムを含む防空システムを提供している。

Long-range rockets
長距離ロケット

米国がウクライナに送った長距離ロケット発射装置の中には,‘M142 High Mobility Artillery Rocket System( 高機動砲兵ロケット・システム) もしくは ‘Himars がある。 いくつかのヨーロッパの国も同様のシステムを送ってきた。ウクライナがロシア軍を南部,特に 11月のヘルソンでの押し戻すことに成功したのは、‘Himarsが中心的役割を果たしたと考えられている。
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011h-artillery-ranges-compared 重要なことに(Crucially), ‘Himarsや他の多くのシステムの射程は,使用される弾薬(munitions)によって異なる。西側の供与国(donors)は弾薬(ammunition)に最長の射程用を提供していないと考えられている。それでも クライナに供給されたと考えられる弾薬により,システムの射程は約50マイル (80 km) となり,これはロシア側の ‘Smerch’ システムよりも長い。‘Himars’ システムは,同等のロシアのシステムよりもはるかに正確である。

Howitzers
榴弾砲

侵略とロシアのキエフからの撤退に続く数ヶ月間,戦争の多くは,ウクライナへの大砲(artillery)の供給が非常に必要とされていた国の東部に集中した。
オーストラリア,カナダ,米国は,最新の ‘M777’ 榴弾砲と弾薬をウクライナに送った国の一部である。‘M777’ の射程はロシアの ‘Giatsint-B’ 榴弾砲に似ており,ロシアの ‘D-30’ 牽引砲よりもはるかに長い。
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Anti-tank weapons
対戦車兵器

一発で戦車を破壊するように設計された何千ものNlawNext Generation Light Anti-tank Weapon)兵器もウクライナに供給されている。
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Drones
ドローン

ドローンはこれまでの紛争で大きく取り上げられており,その多くは監視(surveillance),標的設定(targeting),重量物持ち上げ作業に使用されている。

トルコはここ数ヶ月で ‘Bayraktar TB2’ 武装ドローンをウクライナに販売したが,このシステムのトルコのメーカーは,ウクライナを支援するクラウド・ファンディング事業にドローンを寄付した。
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アナリストによると,‘Bayraktar TB2’ は非常に効果的で,約25,000フィート (7,600 m) で飛行し,レーザー誘導爆弾でロシアの標的を攻撃するために降下する。

(転載了)
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